2014年2月18日火曜日

TX-136のFSKモード改造

いまのところ来訪者もほとんどいないようなので、好き勝手に書き綴ろう。

TX-136を国内で使用している局はどのくらいいるのだろうか。
136kHzではサムウエイのTX-2200Aを送信機に使用している局が大多数なのではないか?そのほかは自作送信機、とTX-136のようなキットくらいだが、ネットを見る限りではTX-136で運用している局は10局もいないような気がするが実際はどんなものでしょう。

TX-136はコンパクトながら高い効率で50Wの出力を得られる送信機で、ビーコン機能や受信コンバータ、プリアンプ内蔵等など機能も充実しており完成度が非常に高いキットであるが、惜しむらくはCW専用の設計という。 現在長波帯のアマチュア界隈はCWよりもQRSSやOPERAなどのほかDFCWやWSPRなどのFSKモードがよく運用されている中、デフォルトのTX-136ではQRSS12が精一杯で何かしら工夫をしないとこれらの極狭帯域通信ができないのです。これはひじょ~~にもったいない。

JH1GVY局は精力的にTX-136のFSK対応改造をなさっています。基準発振器の部分にFSK変調をかけるコンパクトなハードウエアを付加し、PCソフトから変調がかけられるものですが、TX-136がマルチモード送信ができるという記事に非常に刺激を受け、参考にしつつも自分なりに何かできないかと考えていました。とりあえず、周波数安定は必須なのでJH1GVY局に倣って三田電波にTCXOを特注しました。詳しくはJH1GVY局のサイトをごらんいただきたいのですが、基準発振20MHzで温度特性±1ppmの4pin缶タイプMTH50-0510というモデルにしました。あらかじめオリジナルの発振器の部分は直接基板にハンダ付けせずICソケットを介して取り外しが容易にできるようにしました。


 左中央にあるオリジナルの20MHzクリスタルオシ
レータ










TCXO換装後。 単にソケットからはずして付け替えただけ。基板に密着しない分温度特性に良い影響を与えるのかそうでないのか分かりませんが。









ハード的には連続送信に耐えられるようにファイナルのヒートシンクを大型化するなどの対策も必要そうですが、30W程度(HIポジション:MIN(3W), LOW(15W), HI(33W), MAX(54W)と4段階の出力切替ができる)ならば、QRSS30でも問題なさそうです(西宮市移動で実証済み)。

その次は、どうやって1Hz以下の周波数シフトをさせるかということ。TX-136にはRS232CでPCとの連携が可能で、本体では10Hzステップ可変しかできないところを(CW専用機なだけに)PCソフトで1Hzステップまで可変できるようになるのですが、それ以下にはどうしてもできない。DFCWも30以上になるとシフト量が0.5Hz以下、WSPR15モードでも0.1Hzオーダーの小シフトが要求されるのでそのままでは無理なのです。

幸いJUMAのサイトには開発者向けと称しファームウエアのソースコードが公開されています。このソースを改造して対応させようというのがポイントです。

方法としてはファームウエアにDDS(AD9833)への周波数レジスタに目的シフト量に応じた値を加算もしくは減算させる周波数シフト命令を加えて、RS232C経由でその周波数シフト命令を出す外部コマンドを新たに加えるというものです。TX-136の場合、周波数レジスタ1ビットは周波数にすると約0.03725290Hzに相当します(20,000,000 / 2 * 2^28) これで目的シフト周波数を割ったものを加減算すればよいわけです。

外部コントロールはPCからソフトで行えますが、今回はPICで外部コントローラを製作してみました。


パネル右下のキャラは艦これの蒼龍さんなんだけど、だれも気づいてくれなかった(泣)

PICは16F648Aを使用しソフトはアセンブリ言語で記述しました。このコントローラーを使うことによって、ロータリーエンコーダで1Hzステップでの送信周波数の調整、QRSS(3~60), DFCW(3~60), OPERA(8,32), WSPR(2,15)モードでの送信がTX-136で可能となります。

TX-136とつなげてQRSS30ビーコン送信中。


送信機をダミーロードにつなぎDFCW送信中。


同じくダミーロードをつなぎWSPR送信中。


追記(2/25):TX-136のファームウエア改造について別途少し詳しく書いてみました。ご参考まで。

2 件のコメント:

  1. ブログ開設、おめでとうございます・・・って、どこの記事に書けば良いのか迷いましたが、初見のページと言うことで(^^;

    いやぁ、まさしく「満を持して」というか「お待ちしていました」というか・・・ブログ仲間が増えた気がします。おまけに我が拙いブログにもリンクを張って頂いて嬉しい限りです。後で「お返し張り」をしておきましょう。

    ところで、千葉コンにご一緒させて頂いた際に始めて見たアンテナシステムですが、あのアース・・・ガルバリウム鋼板ということですが、直流抵抗的な意味で不利なんじゃないかなぁと「素人」として思うんですがどうでしょう?
    実は以前に70cmのループアンテナを百均の針金で作ったらゲインが殆ど取れず、折角の移動だったんですが大失敗をしました・・・。やはりアンテナやアース周りはアルミまでが(直流抵抗的に)いいところかと思ったりしてます。

    今後もちょくちょく寄らせて貰いますね(^^)v

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    1. ぶんきゅう2014年2月19日 20:23

      どよよん無線技士さん(って名前で呼ばないと違和感がありますが^^;)早速のコメントありがとうございます。

      満を持してと言いますか、むかしむかし別のところでブログやっててちょっと懲りたことがありまして以来なかなかやる気が起きずしばらく過ごしてきましたが、無線に復活してからやっとまた始めてみようと思ったしだいです。

      ガルバリウム鋼板については、確かに直流抵抗は純粋なアルミや銅の方が低いですね。ただある程度面積もありますし実際に計測していませんが、同じ面積の銅板やアルミ板に比べて極端に抵抗は高くならないのかなと思います。一応アルミの成分も入っていますし^^;それに価格が安いのと腐蝕なども少ないですし。で、アースマットの場合基本的に大地の接地抵抗は静電容量結合に依るところが大きく、先日の大雨の状況ではかえって接地抵抗は高いです。昨年の暮れに移動したところでは乾いたアスファルトにそのまま直おきして接地抵抗が千葉コンの時よりも半分まで下がりました。もしかすると、周波数が高い場合に素材の影響が問題になるのかもしれません。でも使う面積も少ないので、この場合は高価なアルミ板や重い銅板のほうが良さそうです。

      逆にアンテナエレメントは2mm径の太目の園芸用アルミ線を使っています。針金はスチールよりもアルミ線が軽くて直流、高周波抵抗も低くなって効率も良いのではないかと思います。

      というわけで、マイコンや電子工作などつらつら書き散らかすと思うのでまたお寄りくださいませ~(^-^)/

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