2014年5月31日土曜日

WSQ試運転その1

WSQでの通信がにわかに1.9MHzで行われるようになったので、こちらもリグにつないでとにかく電波が出せるようにしてみました。

WSQのモデファイ版をPCにダウンロードしてUSB経由でIC7200Mに接続し、USBデータモードにして音声入力をUSBに指定、WSQの設定でaudio input/outputをUSB sound codecに指定するだけで準備は完了です。COMポートを指定するとリグの送受切り替えもできるようなのですが、IC-7200MのUSBシリアル変換器がつながっているCOM3ポートを指定してもソフト側で制御できないため本体マイクのPTTスイッチで当座手動で送受切り替えをしました。

30日の20時ごろから1.9076MHzでしばらくVVVを出していましたが、掲示板などの情報によると1.909MHzでCQなど出ているとのことでQSYしワッチすると、JA1PKG局がCQ出されていたのでコールしてみました(Po30W, Antenna 9mH SRA)

中段でJA1PKG局からのコールバックあり
当局宛にM(TMO式)のレポートを送ってくれました。こちらもゴミ文字がかなり混ざっていたのでMを送りました。QSBのためか最後の確認が文字化けしてわかりませんでした。

使用した感触としては自宅ではノイズの関係でデコードはかなり難しいと考えられました。その後twitterで10MHz帯へQSYのリクエストがあり、JJ2RON局、JE4SMQ局2局とQSOトライしましたが、さすがに10MHzとなるとQRHにより信号がしばしばデコード枠をはみ出しこちらもデコードが厳しかったです。

ゴミ文字はアルファベットの小文字が多く(小文字は1シンボル、大文字そのほかはほとんどが2シンボルのためではないかと思われます)、使用アルファベットを大文字にしてみましたが、文字化けなどやはりなかなか全部おがきれいにデコードするというわけではなく、さらに設定の吟味が必要に思えました。

136kHzでWSQによる交信が行われたようですが、さしあたって136kHzではGenesisRadioG11を使ってWSQの運用をしていこうと思います。TX-136の場合は33シフトをRS232Cシリアル通信で直接DDSに周波数レジスタ変更コマンドを送ることで実現できます。以前のWSPR,DFCW用にシフトコマンドをTX-136のファームウエアに追加変更しましたが、このままではステップが荒いため、DDSの周波数レジスタを最小単位で変更できるように新たにファームウエアを変更する必要があります。当然コントローラーのプログラムも変更が必要です。

G11ではvirtual audio cableを使ってSDRソフトとWSQ側を接続しサンプリングレートを96kHz、バッファを最大の2048KBにして送信も問題なくできるようになりましたが、相変わらずWSQ側で送受の切り替えができないのが不便でした。

送信出力は7~8Wとちょっと心もとないですが、移動運用のときにG11も持参してWSQの追試を行おうと考えています。

2014年5月27日火曜日

136kHz帯におけるデジタルモード

136kHz掲示板を覗くとどなたからかWSQというデジタルQSOモードが紹介されにわかに話題になり、早速トライされた方もいらっしゃったようです。

WSQはMFSKモードですがトーンの階調が33もあるのでTX-136ではおそらく現時点では直接的に変調がかけられません(JT9の9階調なら何とかなりそうですが、33階調ともなるとDDSの周波数切り替えステップ幅とWSQのシフト幅との誤差が無視できなくなってしまうと考えます)。

というわけでまずは2つのPCにソフトをインストール、送信をスピーカーでトーンを鳴らして、受信をマイクで拾うようにしてプチデモンストレーションしてみました。

 デスクトップPCからノートPCへ送信中 なかなか面白い

ある程度音を絞ってもほとんどデコードできています。占有帯域幅も100Hz以内になるので136kHz帯や1.9MHz帯での運用は可能です。

もし実際に136kHzで試してみるとしたら久々にGenesisRadio G11の出番となりますが、ピークで8Wしか出ないのでいささか心許ないです。3エリアに移動するとしたら一応持参することにしようかなと思っていますが果たして1エリアまで届くのでしょうか...

QSO可能なデジタルモードはほかにJT9やJASONなどがありますが、いまのところWSQよりもJT9あたりがこのバンドのデジタルQSOモードとして適切ではないのかと個人的には思います。時間や送出内容の制限はあるものの、QSOに必要十分な情報を比較的短い時間で送れますし、自由度が高くても結局やり取りする内容が同じならば占有帯域が狭いほうが混信回避という面で有利なのではないかと思います。

しかし、これを使って136kHz帯でラグチューするのもまたそれはそれで面白いかもしれません。(笑)

念のためDDSを使った直接FSKで実現しようとするとどうなのかと、脳内で検討してみました。WSQは33階調1ステップあたり1.953125Hzシフトということですが、これは1000/2^9 (=512)Hzですので、AD9834を採用する場合基準発振を32.768MHzにして周波数レジスタを2^4(=16)ずつシフトするようにプログラムを書けば可能です。

 WSQがメインストリームになりそうなら検討してみたいところですが、基準発信器が32.768MHzだとTCXOは特注になりそうです。

まだ20MHzのが残っているというに^^;

2014年5月19日月曜日

熱海市移動ついでに宮ヶ瀬までドライブ?(5/20追記あり)

 先日の18日にJARL神奈川県支部主催の第2回かながわアマチュア無線フィールドミーティング in 宮ヶ瀬という催しに136kHz運用実演があるというのを耳にしてましたが、天気が良さそうだったので別場所に移動してQSOしようと秘かに(笑)企んでおりました。

 その前に、前の投稿にも書きましたがインピーダンス変換トランスがいまひとつだったので移動前に作り直そうと決心しました。

改良前 FT-240-43に0.8UEWで巻いたトランス jx成分が高い
 136kHzデビュー前に作ったもので、50Ωダミーを1:1で接続しVNAで測定しました。虚数成分が40Ω以上で実部は逆に40Ωと低く、VSWRは2以上とかなり問題ありです。巻き数は他所を参考にして必要なインダクタンスは確保していましたが、線間容量が高いためか自己共振周波数も3.5MHzくらいで低く136kHz帯でもその影響が出ていたようです。

 で、斎藤OMと広瀬OMからいただいたコメントを参考にしながら考察した結果、とりあえずまずは同じFT-240-43コアにして線材を変えてみることにしました。#77コアへの変更も考えましたが、μsが高くなると磁気飽和しやすくなるようなのでもとの#43コアで作ってみることにしました。2枚重ねはケースに入らなくなってしまうので、後日別のケースを用意して新たに作りこむことにしました。

1.25テフロン線5mまるまる使い切りました 手が痛い(笑)
 秋葉原に行く時間的余裕がなかったので、近くのサトー電気で1.25テフロン線5m巻きを購入してまず1次側は24回密巻し、200Ωに対応するため2次側は倍の48回巻きました。当然内側の周が途中でいっぱいになりますが、構わず上に重ねてキッチリ巻きました。外周は余裕があるので下の層の線間に上の層の線を一本食い込ませるような感じに巻くときれいにいけます。この方法は下の層からタップを出すときにも便利です。

 巻き始め終わりにプラスチックタイをかけて解け防止とし、あらかじめ設定したタップ位置をマーキングしてテフロン被覆をマイクロナイフ(デザインナイフよりも細身のナイフでDIY店に置いてあります)で一部除去し、芯線を露出させてタップ出しをします。テフロンなので耐熱は問題なく直に半田付けしました。

改良後 jxも少なくRもぴったり50Ω(^-^)/
 測定結果はバッチリで、VSWRもバンド内で1.3以下に収まっています。耐圧も問題なさそうで送信機のメーター上のVSWRも1.0から1.1でした。

測定の様子
 そんなこんなで、翌日早起きして9時くらいに熱海市の某場所に到着。この日は風もなく暖かいというよりは暑いくらいでした。いつもの12m傘型2条に0.54平方mのアースマット10枚を車の下のアスファルト面に並べ、素の状態で測定しました。

アンテナ入力は同調点で62Ω,1.5<VSWR幅は約500Hz弱と良好
1:1変換後 135.7kHz付近の小さな乱れはJP1ODJ局のCWビーコンによるもの
 これならトランスレスでもいけそうでしたが、折角作ったトランスを使おうとあえて1:1で接続しました(絶縁という意味では入れた方が無難でしょう)。

 運用中は風も少ないことも大きかったですが、QRSS波を20~30Wで流し続けてもトラブルなく、VSWRは高くても1.5前後、CWではフルパワー(このときは42Wでした)で運用続けてもVSWRの暴れはなく非常に安定しておりました。

 やっぱり作るときはちゃんと作らないといかんよね...反省。

 CWでは宮ヶ瀬のフィールドミーティングで公開運用されていたJH1YMC/1局のほかに会場近くで運用されたJA1HQG/1局、JA1CNM局3局と交信できました。各局ありがとうございました。また、JP1ODJ局の135.701kHzの200WCWビーコンもプリアンプなしでS8振るほど強力に受信できました。

 さらに137.774kHzでQRSS20送信中にWSPR受信を試みました。

最初にJN1MSO局デコード SNR -11dBと強力
つぎつぎ各局のWSPR2信号が受信できました
 送信中は受信機のAGCがかってWater fall表示が切れますが、問題なくデコードできています。

 JH1GVY局のSNRは-26~-29dBと限界に近いところでしたが、しっかりデコードされておりました。サイトを拝見するといつも室内ループアンテナで送信実験をされているとのことでしたが、今回も室内送信だったのでしょうか。27dBmということは0.5Wですよね。興味のあるところです。

 ひととおりやりたいことが済んだので、昼過ぎに撤収して1時過ぎ移動場所を離れて宮ヶ瀬に向かいました。道を間違えたりして遠回りになったためちょうど3時を過ぎたところで現着しました。残念ながらすでに撤収作業中だったため、近くの蕎麦屋さんで遅めの昼食をとってゆっくり帰宅しました。


撤収中の様子 あと1時間早く来れたら^^;
 ほかの局の運用形態を見学できるチャンスだったのですが、まぁ仕方がありません。でも他の局の運用を見るということは自分の運用方法を客観的に振り返るいい機会に思えます。チャンスがあったらどなたかの移動にお邪魔させていただきたいなぁと思っている今日この頃です。

おわり。
おまけ(笑)この時期の紫外線の強さをナメてました。ごめんなさい。

追記:
 JH1GVYさんのサイトに当日の送信状況が記されておりました。室内ループアンテナに改造TX-136 10W出力で、出力値についてはEIRPが低いためあえて設定可能最小値ということで27dBmにされたとのことでした。しかし、EIRP 0.1mWといういわばQRPpでこれだけ届くというのはデジタルモード恐るべしです。それを考えるとQRSS30モードも3エリア(西宮市)から1エリアまで信号が捕捉されているので、今度3エリアを訪れる際(関西ハムフェスティバルあたりでしょうか)にはQRSSモードによる交信にぜひチャレンジしたいですね。

2014年5月13日火曜日

0エリア移動してました

GW直後で空いているであろうの土日に0エリアの某場所に移動しました。

天候も非常に穏やかで移動日和な週末でした。朝一番にいつもの12m傘型2条にアースマット(90x60cm) 10枚地面直置きとしました。アンテナ入力抵抗は200Ωとなり、マッチングトランスにて同調周波数でVSWRは1.4でした。

立ち木から離れたところになかなか立てられません
ブルーシート挟んでも入力抵抗は変わらず やはり立ち木の影響が大きいのかも
 写真のとおり周りに立ち木が立ちはだかっていて遠ざけることはできませんでした。せいぜい約2,3メートルくらいしか離すことができません。JH1GVYさんの独り言で立ち木の影響について検証された記事が載せてられておりましたが、立ち木の影響は深刻そうでアンテナ入力では立ち木なしに比べて最大5倍ほどの上昇、アンテナ利得も8dB程度低下し送信機の出力も下がるということでこれほどまで下がるとは驚きです。しかし、その状況の中137.775kHzでTX-136のMAXモードでかろうじて35W程度、VSWR1.9でとりあえずQRSS30でID送信しました。四街道市のJA5FP局のグラバーと東京葛飾区のグラバーに信号捕捉されました。

しかし問題は受信です。

 あらためて周りを見渡すと、立ち木のほかに電灯線が四方に張り巡らされていたためなのか外来ノイズが思いのほか酷くてこれでは都市部とほとんど変わらないレベルです。かろうじてJP1ODJ局の135.8kHz CWビーコンは受信できましたが、USBモードの2~3kHz帯域ではプリアンプを切ってもノイズでS9+と厳しい状況でした。

136.5kHzのCWでCQを出しても応答はなくこちらのQRSSをM~Oで受信していたJH3XCU/1局のQRSS30もArgoには写ってくれませんでした。

グラバーに写っただけでもよしとし、その後のQRPスプリントコンテストに40mCWで出て30QSOにて今回は撤収しました。

残念ながら今回JH3XCU/1局のQRSSは受信できませんでした

で、もうひとつ気になることが。インピーダンス変換トランスですが、VSWR2前後でQRSSで連続送信していると、あるとき突然VSWRが急上昇して送信が中断してしまいました。トランスに使っているフェライトトロイダルコアFT-240-43を触れるとかなり熱くなっていました。コアが冷めるのをまちながら同調を取り直してVSWR1.5に下げたところなんとか最後まで送信することができました。

同調取り直しを怠らないことは大事ですが、過去に南房総市の移動でアンテナ入力が50Ωの時1:1で接続しても送信途中でトランスのコアが発熱してVSWRが急上昇したため、トランスをはずして直接給電でしのいだを思い出しました。トランスの線材の巻き数は他所を参考にしましたが、発熱の原因が線材の径が0.8mmと細いためなのかコア自体の問題なのかよくわかっていません。しかしいまのままではちょっと不安なので、場合によってはコアを2枚重ねするなどして改良を加えようと思いました。そのときに200Ω以上の高いインピーダンスにも対応したいと考えています。

前回の富士市の移動でも感じましたが、TPOでアンテナもいく種類か備える必要がありそうです。傘型ばかりに拘るのではなくアース要らずで周りの影響を受けにくいループアンテナなど試作したいところですね。途中で放ってあるSRAも何とかしたいですし。

2014年5月10日土曜日

Mini-Whip改造計画その2(実装編)

実験がほどなくうまくいったところで、早速実装に取り掛かりました。

同調回路は別のユニバーサル基板に組みICソケットを利用してプラグインで追加する形にしました。同調回路モジュールを外してプローブとFET入力部を直結して非同調型に戻したり他の同調回路モジュールに交換したりなど手軽に試せるようにしました。

アクティブ・アンテナコンテストで頂いたシールドコイル2つで複同調モジュールに
ICソケットを使って簡単に取り外しが出来るようにしてみました
Mini-whipに取り付ける前に同調回路単体での特性を調べました。

1MHz幅でスイープ 500kHz以降は40dB以上減衰
136kHz帯全域をカバーさせるようにコイルのコアを調整
回路図的にも複同調というよりBPF的でしょうか。

単独の特性が取れたところでアンテナを屋外に出し-20dBのアッテネーターを介してAPB-3の入力に接続し、同調回路有り無しで比較してみました。

こちら非同調版 中波放送帯のレベルは相変わらず高いです
同調版 中波放送帯は約-40dB以上は抑えられています




周辺のノイズレベルがもともと高いからなのでしょうか、全体のノイズレベルはあまり変わっていないように見えますが中波放送帯の信号レベルは良く抑えられています。

受信機のSメーター上でも非同調型では軒並みプラス50から60dBと強力に入感する放送局も辛うじてS9に届く程度に下がっていました。

同調範囲の136kHz帯ではノイズレベルが下がっており(S6からほとんど振れない程度に低下)、初めて自宅でJP1ODJのCWビーコンを受信することができました。

Sは振れませんがノイズが少ないのでしっかり聞こえています

フロントの同調回路付加でこれだけ結果が違うと、さらに受信機手前にLPFを付加する意味がどれだけあるのかどうかはなんともいえませんが、いずれ実験しようと思います。


2014年5月8日木曜日

Mini-Whip改造計画その1(実験編)

 先月のアクティブ・アンテナコンテストのときに頂いた5mHの小型シールドコイルを使って、PA0RDT Mini-Whipのフロントに挿入する予定の同調回路の実験を行いました。

7mm角の小さなコイル コアをまわすと2mHから8mHと大きく変化する
 アンテナコンテストの談義ではみなさん単同調回路だと温度による同調ズレがあって再調整が必要などいささか苦労されているようで(JR1OAO局はバリキャップで遠隔同調操作を可能にしていました。すごい)、それならば複同調にして帯域をやや広げたBPFもどきにしてみようとコイル2つ使用した複同調回路としました。
IN側と段間はハイ・インピーダンスに応じて結合容量を低くしています
 コイルはコアの位置により大幅にインダクタンスが変化しますが、コアの関与が大きいと温度変化には不利なのでなるべくコアが浅い状態で共振するように330pFと大き目のキャパシタを抱かせました。段間は結合度の調整が容易になるようにC結合にしてコイルの2次側はフリーにしています。

おなじみブレッドボードでの実験 定数換えが容易で便利
ABP-3で測定中(1MΩ)
 おなじみおじさん工房APB-3のネットワークアナライザで測定しました。入力インピーダンスが1MΩと50Ωで切り替えられるのもAPB-3の良いところです。最初にAPB-3のイン・アウト直結でリファレンスを取ったのちに同調回路の定数を変えながらスイープを繰り返し、よさそうなところでスナップショットを撮りました 。

120~160kHzまでスイープ 136kHz帯がまるまる収まるように調整
1MHzまで伸ばしてみる 500kHz以降は40dB以上減衰
 バラックで組んだテストなのでシールドなどきっちり組み込めばもう少し帯域外の減衰が見込まれますが、なかなかいい感触です。中波放送帯も-50dBmくらいまで抑え込めれば受信機前は簡単なLPFで十分かもしれません。

 次は製作したMini-whipにプラグインモジュールのような感じで実装しようと考えています。同調型、非同調型が簡単に切り替えられるようにして、モジュールもいくつか別な形のものを作って試せるようにすると面白そうです。

2014年5月6日火曜日

アクティブ・アンテナコンテスト総括について

先日行われたアクティブ・アンテナコンテストの全測定結果と総括が公開されました。

こちらから当該リンクをたどってみてください。

過去記事に書いたJA1QUM局製作のツインプローブ型については当時シングルのものと比べて信号強度が上がってノイズフロアが若干下がったという印象でしたが実際の結果は中波帯で利得が上がっておりました。これは合成トランスの周波数特性の影響が大きいような気がします。トランスレスでどうなのか、またトランスで使われるコアの性状や巻き数などを変えるとどうなるのかさらなる追試が望まれます。

またJH1ARY局製作の同調形ロッドアンテナプローブホイップでは、136kHz近辺の盛り上がりが見られますが、解説のようにスプリアスと思われる柱が全体的にたくさん観察されました。プローブがある程度大きいとフロントに同調回路を付加しても利得が大きすぎて中波放送の強力な信号で飽和してしまったのでしょうか。ロッドアンテナを短くたたんだ状態での測定ができたらもう少し詳しく確かめられたかもしれません。

こちらの記事には後半にアクティブアンテナのプローブの大きさに関する検討結果が載せられています。プローブサイズを基準より小さくすると利得は下がるもののS/Nは変わらないようです。

そんなわけで136kHz帯のグラバーアンテナについて素のPA0RDT Mini-whipを改造するには、フロントの同調回路(できれば複同調回路)と後段のLPF挿入のほかにもうひとつポイントが浮かんできました。それは プローブの示適サイズを探るということで、具体的には現在35mm x 55mmからどれだけ小さくするかということです。

 測定は例のAPB-3を活用しようと思います。アッテネーターかませないとね^^;

というわけで、急遽APB-3用に-20dBアッテネーター作りました。

秋月の10dBアッテネーター抵抗セット2セット分
APB-3につなげてチェック
 HF帯以下で使用するのでバラックで良しとしました。適当なユニバーサル基板にチップ抵抗をハンダ付けし、入出力用の基板用SMAコネクタを基板に挟みこむように置いてそのまま端子を基板のパターンにハンダ付けして固定しました。性能チェックするためAPB-3の入出力間に出来上がったアッテネーターを挿入しネットワークアナライザモードで測定しました。全域でリファレンスより-20dB減衰しているのを確認しました。早速Mini-whipにアッテネーターを介してAPB-3につなぎ、先日のアクティブ・アンテナコンテストと同じ条件で(2MHz span, RBW3kHz)測定してみました。

45MHzまではリファレンス-20dB
2MHzまでスキャン BC帯に柱がビッシリ
 ノイズレベルは見た目平均で-80dBmと、先日の結果とほぼ同じでAFN(810kHz)は約-12dBmと一番強力でした。

おまけ 200kHz spanでVLFからLF帯スキャン
22.4kHzのえびの送信所、40, 50kHzのJJY
68.5kHzのBPC, 100kHzのロランが観察されます

これでひとまずアンテナ改造結果の評価の土台が出来上がりました。今度はアンテナ改造へ着手始めようかなと思います。