2017年1月30日月曜日

関西ハムシンポジウム2017に行ってきました

恒例の関西イベント遠征に行ってきました。

今回は136kHzに関してとくにアンテナ改良など目新しいことをしなかったので、移動運用はなしにして余裕を持って出かけました。

車で東京から大阪まで運転しましたが、第2東名も延伸され運転しやすくなりました。四日市あたりの渋滞が緩和されればもっと楽になるでしょう。

前日会場に近い宿に到着して英気を養った後、当日朝会場に到着しました。

定番の会場
やや曇っていましたが、寒さはさほど厳しくありませんでした。
 
ジャンク会場入り口にメーカー展示が移ったのはよかったです
ところどころブースが空いていて窮屈さはありませんんでしたが、少々さびしい感が^^;

中央の氷漬けのリグ誰も気がつかないだろうと思ったのに^^;
はい。今回のブースに掲げたポスターです。冬ですしこんな感じで。

お隣が空いていたのでスペース余裕でした
 今回は会場周りはほとんどしないでブースに詰めていました。

 キーヤーキットとジャンクが少々売れました。あと参考展示したポケットサイズCWトランシーバが思いのほか関心を示してくださったようで何よりでした。

もう少し煮詰めて春ごろに頒布できるかもしれませんのでもうしばらくお待ちを。

てなわけであっという間に時間が過ぎ15時で撤収しその脚で帰郷の途につきました。

途中足柄SAにある湯に浸かり無事帰宅と相成りました。

SAごとに温泉設置して欲しいです><
今回も3エリアの各局アイボールありがとうございました。今度は7月ですね(笑)

2017年1月21日土曜日

7MHz ポケットサイズ QRP CW トランシーバ人柱版の完成

改修を重ねてきたQRPトランシーバですが、人柱版として頒布可能な条件が整いました。

最後にネックになっていたのは、送信波のスプリアスでした。帯域外近接スプリアスはとくに大きな問題はなかったものの2次高調波が基本波の-40dB強といまひとつ抑えきれていませんでした。新スプリアス基準では空中線電力1Wを超え5W以下の場合、スプリアス領域における不要発射の強度の許容値が50μW(-13.0dBm)と定められており、出力3W(+34.8dBm)とすると-47.8dBの減衰量が必要になり、このままでは3W(電源電圧13.8V時)出力の場合アウトです。

 もともと設計上終段はE級の要素を取り入れていましたが、部品省略のためフライホイールの共振回路のQを低くせざるを得ず、その結果LPF手前の波形がかなり歪んでいました。こんな感じです。

黄色がLPF通過前 赤がアンテナ出力波形

フライホイールネットワークはFETがOFFの状態で共振させているので、ONになるとドレインーソース間の容量が消えて共振周波数が高くなり出力波形のマイナスの振れの部分のピークが早くなった結果上のように大きく波形が歪みます。

そこで基本に立ち返り、標準のQ=5としてフライホイールの出力側のキャパシタと電源供給用のRFCを追加しごく普通のE級増幅回路にしました(最初からそうすべきだった(汗))


 フライホイールのコイルは巻き数を増やし実装しなおし、インピーダンス変換トランスの接続ポイントを変更。裏面にはフライホイール用コンデンサ(電圧が高いので(←パラにしても耐圧は変わらないので間違いです)50V耐圧の積層セラミックコンデンサをパラに)、RFCを装着。

 でもって早速測定を。

60dBのアッテネータを介しておじさん工房APB-3に接続
 スペアナで観察する前に、まずオシロで波形をみてみましょう。

黄色がゲート電圧、赤がドレイン電圧曲線 スイッチポイントはOK
出力曲線 まだわずかに歪んでますがかなりましな波形に
 波形を観察する限り改修の効果はあったようで、出力も上昇しています。

次にAPB-3で送信波を観察しました。


 普通に観察すると2次高調波は基本波に対して54dB程度抑えられています。


 もう少し詳しく見るために、200トレース平均をかけて基本波レベルをリファレンスとして表示させてみました。こうするとノイズフロアの変動が抑えられて小さな信号が判別できるようになります。3次以降はほぼ-70dB前後で抑制されていました。

 次に、基本波帯域外不要輻射を観察してみます。

サイドトーンOFF時
サイドトーンON時(ボリウム最小)
サイドトーンON時(ボリウムほぼ最大)
 と、まぁこんな感じでPWM出力とAFパワーアンプ出力で変調がかかっているような波形になってしまいます。いずれも60dB以上は抑えられていますが、ちょっとすっきりしませんね。電源系から入り込んでいるのか今のところ経路は不明ですが、今後何とか対策したいところです。

 課題はまだまだ残っていますが、一通り実運用に支障ない程度のものが出来たようです。

最新のRFパートの回路図を載せちゃいます(禁無断転載)


 人柱版お待ちの方はもうしばらくお待ちください。

 今度の関西ハムシンポが終わってから用意進めます。

2017年1月10日火曜日

秋葉原QRP懇親会とCWトランシーバ『一応』完成

正月まだ松の取れない先週末に、入会したてのQRP Clubメンバーによる定時懇親会が秋葉原で行われました。


開始時間前にいつもの場所までちょっとお買い物して・・・


 某会議室で大きなテーブルを囲み、自作品の披露やハードウエアや流行のJT65の話などいろいろなお話を聞くことが出来てとても有意義な時間を過ごしました。その後も近くの居酒屋でアルコールを補給しながら話が続きました。

オフラインでのやり取りは非常に刺激になります。月に一回開催されるようですが、1ヶ月というのはすぐに過ぎてしまうので、常に何か自分も進めていかないと取り残されてしまいます。参加を続けていくということは研鑽を積んでいくという姿勢も必要だと認識しています。大げさかな?(笑)

皆さんの作品や考え方を見てみたい気持ちは前々から持っているので、非常に良い機会です。横浜の自作ミーティングにも参加してみたいなぁ(チラッ

今週末もLFerの新年会があるので楽しみです。

閑話休題。

さて、ようやく年末到着した赤い基板に実装完了して動作まで漕ぎ着けました。


 今回の赤い基板では送信部の出力回路をE級ネットワークの考え方を取り入れて、スイッチング損失による発熱を抑え放熱器を装着しないでも良いようにするレイアウトに変更しています。

調整ポイントは、フライホイールインダクタの巻き数加減でスイッチポイントをあわせるところです。

 まずは計算値を当てはめ、T37-2コアに11回巻きで測定。
(赤がドレイン電圧、黄色がゲート電圧曲線)


正弦波状のドレイン電圧が立ち下がり0Vに到達するポイントがややゲート電圧立ち上がり点より早いです。巻き数を減らすとさらに速くなりピーク電圧も高くなって出力が増えます。ただし、出力波形がひずみ高調波が多くなってきます。

計算値より巻き数を2回ほど増やして測定。


 今度はドレイン電圧が下がりきらないところでゲート電圧の立ち上がりが見られます。それとゲート電圧にリンギングが見られており、インダクタンスとしては多すぎと思われます。

そこで1回だけ増やしたときは・・・


 ドレイン電圧の0V着地点とゲート電圧立ち上がり開始点がほぼ一致しています。

ドレイン電流は確かめられませんが、出力波形を見ると今回の回路ではフライホイールインダクタに直列に接続するキャパシタを省略したため歪が残っており後段の3段LPFでも2次高調波が十分低減できていません(-50dB行くかいかないかの微妙なところ)。

実装面積が小さいためLPFの性能も十分設計どおりになっていないのでしょうか。もう少し突き詰めないと(省略したキャパシタとRFCの追加、もしくはE級プッシュプルにするなど)いけませんね。

それから、受信部のほうは感度は十分でAGCのかかり具合も無調整でOKでしたが、いかんせん受信音が歪んでしまってボリウムを絞ってもとりきれません。

AFパワーアンプはD級を見送りNJM2113MというICを採用して実装しましたが、素子自体のゲインがまだまだ高いと考えて、ゲイン設定を当初の5倍から1倍に下げたところ歪みはほぼ解消してだいぶ聞きやすくなりました。



ちょうど埼玉コンテストでにぎやかだったので、バンド内ワッチしてみました。
混変調の程度やフィルターの切れなど含め感覚的には大きな問題はなさそうでした。

無信号時の消費電流は80-90mAといったところで、LCDバックライトはこのまま常時点灯でOKにしました。

ソフトウエアもバグ修正など施し、人柱版完成としました。

パーツをまとめて志願者に配布準備をこれから始めます。

2017年1月4日水曜日

2017年始動しました

旧年中はいろいろと多方面でお世話になりました。
年末の別の行事で無線(というか電子工作)活動をほぼ停止していましたが、無事に終了し年が明けたのでぼちぼち再開となりました。

昨年末に調達したのは、まずこれ。


中国語で書かれたタイトルのなにやら難しそうな本に見えますが、開いてみると・・・


SMDチップ抵抗のサンプルキットでした。

これには0805(2012)サイズのE24系列値のチップ抵抗が揃っています。秋月や千石ではごく一部の抵抗値しか手に入らない(マルツでは少し種類が多いようです)のである程度個数のあるサンプルキットを探していました。eBayで検索するとかなり安く手に入るようですし、チップインダクタのキットもあるみたいなので機会があったら入手しようと思っています。

それからもうひとつ。


トロイダルコアをまとめて扱っているところがあったのでT68-1, T37-2, T25-2, FT23-43, FT37-43の5種類頼んでみました。

#1コアは日本では見かけませんが、高Qが得られる至適周波数が150kHz~3MHzと低く136kHzの機器に使えそうです。ALも11.5と同サイズの#2コア5.7の2倍で巻き数も少なくて済むと思うので、136kHz帯用のLPFなどに使ってみようと思います。

少々横道にそれましたがこれで発注した10セット分のパーツがほぼ揃ったので、まず1台最終試作を始めました。

最初はコントロール部を実装。


部品点数はそれほど多くなく、Si5351Aと基準Xtalの装着もだいぶ慣れました。
本当はこれらの極小パーツはリフローでの装着が確実で楽なのかもしれませんが・・・

1,2時間ほどで装着完了してPickit3でプログラムをPICに注入して動作確認です。


今回LCDをバックライト付きのものにしましたが、電流制限抵抗100Ωとして消費電流7mA弱に抑えました。無信号時で全体の消費電流は、電源電圧12Vで57mAでした。受信部を加えて80mA台でで収まるかなと。

というわけで、Si5351Aの出力もオシロスコープで確認し完成です。次はRF部を順追って組み上げようと思います。

閑話休題。

正月は終わってしまいましたが、今年初めの記事なので今年の目標を。

電子工作は、このQRPトランシーバを発展させてSSBモードの追加や他バンド版の製作、それから136kHz帯(475kHz帯)のスタンドアロンなトランシーバの製作、このあたりを進めていこうと考えています。

SDRはkiwiSDRをつかったWebSDRの構築(アンテナ、ネットワーク)を、またソフトウエア処理の勉強と実践あたりを。

運用では136kHz帯アンテナの改善(効率上げるためエレメントをもっと高くするなど)と昨年出来なかった車を使わない移動の実現。移動する局に475kHz帯を加えること。

と、こんな感じでしょうか。

そんなわけで、本年もよろしくお付き合いくださいませm(_ _)m