2020年12月31日木曜日

年末のお買い物

いよいよ2020年大晦日です。

今年はCOVID-19尽くしで生活や仕事、趣味のあらゆるジャンルに影響を及ぼされました。

そんな中新しいVN-L5シリーズがようやく正式に頒布、30台用意し24台頒布することが出来ました。早速製作完成レポートいただいたりしてホッとしたところです。

また海外通販でいくつか機器を購入して楽しませていただきました。

で、本日大晦日に届いたものはこれ。

AliExpressのストアから購入しましたが、55USDくらいだったかですが、注文してからおよそ1か月かかって大晦日の今日到着しました。

nanoVNAをベースにしているようで、端子などのレイアウトはnanoVNAにそっくりです。ただし基板むき出しでなくABSのケースに覆われています。

SNS上では粗悪クローンも出回っているようで、セルフテストで失敗するとのことです。

到着した個体は開発元の指定ストアからのもので多分クローンではなさそうでしたが、念のため早速セルフテストを実行し、その結果すべてパスしたのでクローンではないだろうと思われました。

ホッと一安心ということで、付属品の中にロッドアンテナがあったので測定入力に繋げ、ダミーロードに繋げたVN-4002で送信した波形を観察してみました。

自動マーカーが便利ですね。RBWは3kHzが限界でスキャンも遅いですが、HF帯の送信機の高調波スプリアスチェックなどにも使えそうです。

またほかにハンドヘルドオシロスコープもtinySAの前に到着しました。

VNシリーズとほぼ同じ大きさですが、アナログ帯域が120MHzをうたっています。


そこでSi5351Aで120MHzの信号を生成し観察してみました。

さすがに何とか波形は確認できる程度でしたが、30MHz程度であれば使えそうです。

これら小さな測定器を駆使して来年もモノづくり続けようと思います。

 

皆さん良いお年をお迎えくださいませ。

2020年12月18日金曜日

簡易SG購入してみた

 ひさびさのブログ更新です.

 QPM-01と新VNシリーズのVN-L5キットの頒布を開始,現在QPM-01は完売しVN-L5も30セット用意して残り13セット(12/18現在)になりました.ご購入いただきました皆様ありがとうございます.

年明けにはもう少しQPM-01キットを用意しようと思っています.

ところでnanoVNAに始まる小型で安価な測定器がブームになっているようで,最近ではtinySAというハンドヘルドなスペクトラムアナライザまで登場し,SNS上で話題になっています.

私も先日遅まきながらtinySAとアナログ帯域120MHzをうたっている小型携帯オシロスコープをAliexpressで購入して到着を待つばかりです.

それらとは別に今回紹介するのは,V/Uハンディ機の受信調整用という名目でAliexpressやeBayで出品されている小型のSG(信号発生器)です.

大きさはFT817の奥行きを3分の2くらいにした小さなもので異様に軽いです(100gくらい?).電源ケーブルはもちろん説明書すら入っていません.モデル名もなくて一見自作物のようです.

商品説明に簡単な操作法やスペックが示してあります.

出力周波数は0.5MHz~470MHzで出力レベルは-70dBmから132dBmまで1dBステップで調整できて,内蔵の低周波発振器によるアナログFM変調やディジタルFM変調をかけられますが,AM変調や変調レベル調整はできないようです.この辺はあくまでもV/UのFMハンディ機用と銘打っているところからこういった仕様なのでしょう. しかし0.5MHzから出力が可能であることからHF帯の受信機などの調整に重宝しそうです.

電源端子はセンタープラスの2.1mmのごく標準的なDCジャックなのでいくらでも流用ができます.

とりあえず電源を入れてVN-160L5試作機のアンテナに接続して感度をチェックしてみます.

 出力レベルを下げていくと表示で-110dBm以下の信号が聞こえなくなります.

こんな感度悪かったかなー?と思い近くにあるIC-9100というメーカー製のトランシーバーにつないでみるとやはり同様にレベルを下げて-120dBm表示になるまでには信号が聞こえなくなります.

そこで手持ちのスペアナでこのSGの信号レベルをチェックしました.RIGOLのDSA815-TGにはプリアンプが付いていてRBWを30Hz以下にすることによってノイズフロアを-130dBm程度に下げることができますが,ノイズすれすれの-130dBmでは測定ごとにレベル値が変動してしまうためおじさん工房のAPB-3で測定することにしました.APB-3はRBWを10Hzに落とすことによってノイズレベルは-140dBm程度まで抑えられるため-130dBmの信号も捉えることができます.

下は0.5MHzから45MHzまでいくつかのスポットで-70dBm表示出力レベルを測定した結果を合成した図です.

 この結果を見てみると0.5MHzでは-100dBm程度,2MHzでは-90dBmと-70dBmの表示からかけ離れたレベルでした.5MHzあたりからようやく表示に近いレベルになりほぼ一定になります(測定誤差もありますが,表示より1dB程度大きいです).

この個体だけということかはわかりませんが,少なくとも5MHz以上でないと表示通りの出力レベルは得られないようです.

ではレベル調整のほうはどうでしょうか。

 これは10MHz出力信号レベルを-70dBmから10dBずつ下げていった時の出力レベル測定結果を合成した図です.

レベルを下げていくと表示より徐々に表示出力レベルより大きくなる傾向で,-130dBm表示では約3dB程度の誤差が見られました.

このSGを出品しているところも出力レベルが低いところで表示よりやや強いレベル,と書いてあるそうです.(未確認ですが)

 もう一つ気になるところがあります.

 上図はDSA817TGのフルスパン(0~1.5GHz)でSGの出力を観察すると497.5MHz付近で-50dBm程度の比較的レベルの高い信号が見られました.出力周波数を変化させると290MHzあたりまでこの波は変化しません.ところが190MHzあたり以上になると,497.5MHzの柱は消えて今度は260MHzあたりに-50dBm程度の同じ信号強度をもつシグナルが観察されました. 

内部のVCOの漏れ信号なのかは定かではありませんが,-50dBmはどの出力レベルよりも大きく,出力信号との混合波まで観察されます.

出力に適切なLPFを挿入すると実用域は5MHzあたりから290MHzくらいでしょうか.5MHz以下ではレベル補正を加えれば使えないことはなさそうです.

あまりにも軽いので中を開けてみるとやはり中はかなりスカスカな状態でした.右側にはSG本体部と思われる基板が見られますが裏返しで取り付けてあって,なおかつホットボンドで固定されているため本体基板を外せずどのようなデバイスが使用されているかはわかりませんでした.いずれホットボンドを外して本体基板の実装されているデバイスを確認してみたいところです.

SGといえばかなり大型で重いものがほとんどで,最近は比較的小型のものも見かけますが中古市場では見かけず新品はかなり高価でアマチュアが手を出せるものではありません.しかしこのような簡易的なものでもその特性を把握すれば受信機の感度測定や調整など結構重宝しそうです.

2020年11月7日土曜日

VN-L5シリーズのマニュアルができました

 VN-L5シリーズの組み立て操作マニュアルができました。キット頒布に先行して公開します。

マニュアルのpdfファイルはここに置いてありますのでダウンロード、閲覧はご自由にどうぞ。

ただし無断2次配布や他所へのアップロードは禁止です。

実際のキットの頒布はまだもうしばらくお待ちください。

2020年10月19日月曜日

キットの頒布しばらくお休みします

 久しぶりの投稿で何ですが、諸般の事情によりすべてのキット(Keyer Mini-V2 Revision2, VN-xx02シリーズ, QPM-01, VN-L5)頒布を11月末までお休みさせていただきます。

この記事投稿時点まで受け付けた分は準備出来次第発送します。

頒布再開時にアナウンスします。


Due to various reasons, I will be taking a break from distribution of all kits (Keyer Mini-V2 Revision2, VN-xx02 series, QPM-01, VN-L5) until the end of November.
I will send out the kits which were received until the end of this article as soon as they are ready.
I will announce when the distribution will resume.


19 Oct. 2020

Kuniharu Ono

2020年8月5日水曜日

VN-L5シリーズ正式リリース版ほぼ完成

VN-L5シリーズ(VN-160L5, VN-80L5)は人柱版頒布から約半年かけて正式リリース版がほぼ完成しました。


サイズ的には従来のVN-xx02シリーズと比較して5mmほど厚くなる程度に抑えました。

ハードウエア的には基本構成こそVN-xx02シリーズを基にしていますが、いろいろと手を加えています。

まず送信部ですが、終段をE級プッシュプル増幅回路とし電源用の大きなMOSFETに変更するなど強化した結果、電源電圧14.5V前後で20W出力可能になりました。QRPで運用する場合は7.4V(リチウムイオン電池2セル直列)に下げるとちょうど5Wとなり余裕をもって運用できます。また高効率のおかげでヒートシンクなしでも通常CW運用に耐えられます。一方出力が20Wクラスと比較的高出力のため保安機能(フューズやSWRが著しく上昇(アンテナトラブルなど)した場合の保護機能(高SWR検出し終段への電源を遮断)を付加しました。さらにプッシュプル増幅のおかげで偶数次の高調波レベルが比較的低く、LPFは定K型2段の最低限の構成でも新スプリアス基準を十分クリアしています。

アンテナ側の送受切り替えは小型リレーを使っています
右下の端子はバッテリー電源用のT型コネクタです
Si5351Aからの送信用信号の矩形波からトランスで180°位相差信号を作り、3ステートバッファロジックICの各々3つのバッファを並列接続したものに接続して、バッファ出力から終段の各NchMOSFETのゲートを駆動
受信部はVN-xx02の構成(高1中2)を継承していますが、ミクサーにはNJM2594というバランスドモジュレータICを、検波にはショットキーダイオードを使ったオーソドックスなリング検波に変更しAFアンプとAGCアンプの定数を見直して部品点数も幾らか減らしました。

複同調回路で使用するLをトロイダルコイルからチップインダクタに変更 中間周波数への周波数変換回路にはDBMモジュールからNJM2594Vに、ショットキーダイオードなどディスクリートで構成した検波回路に変更
送信部の基板に重ねたときに送信部のパーツと干渉してしまうため、検波回路のトランスは裏に装着
AFとAGC増幅には4回路入りの単電源オペアンプICを使い、回路も少し簡略化しました
コントロール部はVN-xx02シリーズと同じPIC24FV32KA302を使っていますが(パッケージはSOICからSSOPに変更しています)、表示部を従来の8x2から16x2タイプに変更し表示を充実させています。また電源スイッチについては比較的大きな電流が流れることからVRのスイッチでは余裕がないため、TX部の基板に装着したPch-MOSFET(μPA2815T1S)をVRのスイッチで制御して電源をオンオフするというスタイルにしました。

VRのスイッチはTX基板上のPchMOSFETのゲートに接続して電源オンオフの制御をしています
PICはSSOPパッケージに変更 基板上の部品密集度はそれほど高くありません
送信時のAFミュート回路やSi5351AのVDDとVDDO間にデカップリングなど追加しました。
裏側のTコネクタは同じコネクタを持つラジコンなどでよく使われているリチウムイオンやニッケル水素2次電池が接続できるように増設しました
というわけでハード的には思い描いていた機能などはすべて実装できました。

ソフト的にもいろいろと機能追加など行いました、LCDは16x2に変更したことから表示領域が広くなったため Sメーター表示の変更、XIT機能、VFO B、電源電圧表示、送信パワー、SWR表示、高SWR(10以上の極端な高SWR)時終段への電源供給をストップしてMOSFETへの長時間のドレイン電圧上昇による焼損を回避する機能を追加しました。

SWR表示

送信パワー表示
高SWR表示(SWR>10)


3Dプリンタでサイドパネルを作成してスピーカーも内蔵できるようにしました。
また本体に装着する小型のパドルも後ほど追加できるようにしたいところです。

80m版 VN-80L5(左後ろ側)160m版 VN-160L5(右下の前)
これでほぼ正式頒布版は完成しましたが、部品調達やマニュアル作成など作業はまだ残っています。

引き続き進めていきます。