2018年9月25日火曜日

3Dプリンタ導入しました

2年ほど前にKick Starterに出されていた、Snapmakerという3Dプリンタ、レーザー加工、CNCがひとつのセットにおさまるマルチ工作機械にBackerとなって、今年春ごろ手元にセットが届いたきりになっていましたが、8月の終わりにいろいろなイベントが一息ついたところでようやく組み上げました。

コンパクトにまとまっています
本体以外にPLAフィラメントや必要なものがすべて入っています。
マニュアルどおりに組み立てると約30分ほどで組みあがります。エンクロージャーも追加注文しておいたのでこちらも組み上げて、本体をエンクロージャーに収めれば出来上がりです。

イラスト見ながら簡単に組みあがります。わくわくしますね
調整はZ軸の高さ調整のみで、ベースにコピー紙の切れ端を置いてキャリブレーションモードにして四隅のポイントごとにノズルの先端とベースの間隔を調整します(厚さ0.1mmの紙を挟んで調整するのが良いのですが、普通のコピー紙(0.064mm)でもノズル先端が少し引っかかるくらいでも良さそうです)。

調整が済んだら次に素材のフィラメントをプリンターモジュールにセットします。

Filament Changeモードにするとノズルがデフォルトで200℃まで加熱(必要に応じて温度上げ下げが出来ます)するので、フィラメントの先端をプリンタモジュールの挿入孔に差込み、ノズルの先から溶けた材料が細い線となって出てくるのを確認して出てきた余分な材料を除去して準備完了です。

CADで生成した3Dオブジェクトファイルを、Snapmakerのサイトからダウンロードしたソフトで読み込みます。ソフトはGコード生成するスライサーとプリンタへデータを転送してプリント動作を制御します。

Snapmaker本体のUSB端子からPCのUSB端子に接続し、ソフトでプリンタが接続されたCOMポートを選択して読み込んだ3DデータをPreviewボタンをクリックすることでGコードが生成されます。

印刷品質はデフォルトでFast, Normal, Bestが選択できますが、各パラメータをカスタマイズすることも出来ます。通常はNormalで十分です。他にフィラメントの種類(PLAかABS)、Adheision、Surpoortの種類、拡大縮小、印刷位置の調整など一通り細かく設定することが出来ます。

フィラメントはPALとABSという素材が良く使われているようです。加熱して溶かした素材を積み重ねて形を形成する仕組みのため、材料が冷めるとどうしても収縮してしまいますが、PLAは収縮率が少なくABSはやや高いためABSではプリント中に形成物に亀裂が生じたりして扱いが難しいです。またPLAは後加工がやや困難なことと、温度や衝撃に弱くお湯でも柔らなって変形してしまうという欠点があります。

ほかにはナイロンやPETなどいくつかの素材が選択できますが、それぞれの特徴があるため用途に応じて選択する必要があります。

お試し印刷。Makerfairのキャラでしょうか
それからオリジナルの3Dデータを生成するには3D用のCADが必要になります。フリーのソフトやプロフェショナルにも使える本格的な3D CADなどいろいろありますが、最初から複雑なものを作るというわけではないので、FreeCADというオープンソースなフリーソフトを導入してみました。


Windows, MacOS, Linux上で動作するマルチプラットフォームなソフトです。


詳しい操作法については割愛しますが、基本図形を組み合わせることによってこのような部品の3D図を作成する事が出来ます。

出力ファイルもSTL、OBJ形式などにエクスポート可能で、3Dプリンタソフトに読み込ませてGコード生成が可能です。

で、早速VNシリーズのケースを設計試作してみました。

穴の大きさや位置など当然のことながら正確です
念願の内蔵スピーカーもうまく配置できました
基板の色に合わせてみました
材料の収縮や、プリント時の剥がれによる変形など失敗しながらひとつづつコツをつかんでいます。

電子工作と同様に3Dプリンタによる造形も奥が深いです。

楽しみながら上達していきたいですね。