Radioberry2の受信動作は特に問題なく、VLFからHF帯までカバーしているようです。
またRaspberryPi3に渡す信号のサンプリング周波数は一番下の48kHzを選択していますが、このサンプリング周波数ではほぼ途切れることなく受信することが出来ます。しかし96kHz以上は処理が追い付かないのか途切れが頻出するのであまり実用的とは言えません。
一方送信機としてはどんな按配なのか、今回Radioberry2の送信波についておなじみAPB-3スペアナで簡単に検証してみました。
Radioberry2の送信出力からスペアナの間に30dBのアッテネータ挿入して、まず7MHz帯でキャリアを出してみました。のですが・・・
一見なんじゃこりゃ、みたいな結果です。基本波の高調波でないスプリアスが乱立していて1MHz以下にも高いレベルの信号が観察されました。これをただ眺めていても埒が明かないので、送信周波数をいろいろと変えて観察していると低い周波数で気がついたことがありました。
まず、160mバンド。
基本波の高調波はきわめて低いレベルに抑えられています。が、高調波に関係の無い柱が2本見えています。12bitDACから出力される信号波形はもともとはきれいなはずですが、この高調波に関係の無い不要信号は一体何なのでしょう。
次は136kHzで送信した信号のスペクトルです。
1MHzスパンでは、高調波レベルが2次高調波が最大で-52.23dBcとても優秀です。
ではもう少しスパンを拡げてみるとどうでしょう・・・
APB-3最大の50MHzフルスパンで観察すると、7.5MHzと15MHz付近に各々2本の不要信号が見えます。
では475kHzではどうかというと・・・
まず3MHzスパンでは3次高調波が最大で-52.57dBcとこれまた良い結果でした。
で、フルスパンはどうでしょう。
と、136kHzでの結果に良く似ています。ただし、2本の不要信号の間隔は136kHzの結果よりやや広いです。
これを見てもしやと思い、今度は160mバンドと500kHzで出力を測定して各々のスペクトラムを重ねてみました。
やや見えにくいと思いますが、それぞれ10MHzスパンでスキャンしたものを重ねています。すると右のオレンジ色の縦線を中心に出力周波数分だけ上下に不要信号が見えています。
AD/DA変換を司るAD9866のデータシートやソフトウエアのコードをまだ良く見ていませんが、どうやらこの不要信号はオレンジ色の縦線の周波数7.68MHz付近をサンプリング周波数としたときのaliasing signalではなかろうかと勝手に想像しています(違っていましたらぜひご教示くださいっ!)。そうすると最初7MHzのときに見た1MHz以下の不要信号に説明つけられそうです。
もしそうならこのADC出力がまともに扱える対象の周波数は3MHz以下ということになります。
逆に現状のファームウエア、ソフトウエアでは160m(1.8/1.9MHz)バンド以下が実用に耐えうるのではかいかと考えられました。
このRadioberry2のファームウエアの開発が進めばもっと高い周波数でも使えるようになるかもしれませんが、現状は136kHz、475kHz、1.8/1.9MHzが限界かもしれません。 これらのバンドであれば出力に簡単なLPFを挿入すればOKでしょう。
送信波スプリアスについてはある条件下で使える可能性がでてきましたが、それとは別の問題としてRaspberryPi3の処理が追いつかないのか信号が断続してしまい、結局そのままではまだまだ実用レベルとはいえません。
Radioberry2は今後も開発は随時進んでいるようなので、どこかでまた追試でもしようかと思います。
2018年7月12日木曜日
2018年6月29日金曜日
Radioberry2製作記 その3(復活編)
完成にたどり着いたかのように見えたRadioberry2でしたが、まともに受信できずFPGAとAD9866のピンの追いハンダとブリッジチェックを繰り返しました。しかし一向に改善の兆しもないまま虚しく時間が過ぎていきました。
あれこれ悩んでLeoさんにもう一セットキットを送ってもらおうかとメールを送ったところ、重要なヒントをいただきました。
FPGAのhermes-emulatorの受信時の実行時間が1秒前後かどうかまずチェックを、ということで実行時間が表示されるバージョンのhermes-emulatorに差し替えて実行してみると、実行時間が2倍の2秒前後とでました。
改めてLeoさんの報告するとAD9866の不良ではないかという事でした。前例がありまず間違いないだろうということで、再びAD9866を外して新しいAD9866に交換することにしました。
AD9866はあらかじめ別の試作用に取り寄せていたものがあったので、そのうちの一つに交換しました。
というわけで何とか新しいAD9866に換装完了しました。基板が落ち着いたところで、システムを起動させhermes-emulatorで実行時間を確認すると、
1秒前後になり正常動作しているようです。早速アンテナをつなぎPIHPSDRを起動させました。
NHK第1(594kHz)が受信できました。やっと正常に受信できるようになりました。
各バンドの受信の様子を動画をアップしてみます。
LF帯でも相応のアンテナ(PA0RDT mini-whip)を接続すれば良好に受信できます。ただし中波放送帯の強力な信号による飽和を回避するため以前製作した中波放送帯BEF(band elimination filter)を挿入します。
というわけでRadioberry2の受信動作が確認できました。送信部分はまた追々テストしていこうと思います。
あれこれ悩んでLeoさんにもう一セットキットを送ってもらおうかとメールを送ったところ、重要なヒントをいただきました。
FPGAのhermes-emulatorの受信時の実行時間が1秒前後かどうかまずチェックを、ということで実行時間が表示されるバージョンのhermes-emulatorに差し替えて実行してみると、実行時間が2倍の2秒前後とでました。
改めてLeoさんの報告するとAD9866の不良ではないかという事でした。前例がありまず間違いないだろうということで、再びAD9866を外して新しいAD9866に交換することにしました。
AD9866はあらかじめ別の試作用に取り寄せていたものがあったので、そのうちの一つに交換しました。
AD9866の周りをふたたびカプトンテープで覆います |
サーマルパッドにハンダを流したので外しにくく、周りのパーツが少しずれてしまいました |
ネットで取り寄せておいたAD9866 このうちの1つを使いました |
慎重にピンとランドを合わせて手ハンダで装着 もうこれ以上は基板がやばそうです |
1秒前後になり正常動作しているようです。早速アンテナをつなぎPIHPSDRを起動させました。
NHK第1(594kHz)が受信できました。やっと正常に受信できるようになりました。
各バンドの受信の様子を動画をアップしてみます。
594kHz NHK第1
7MHz帯 アマチュアバンド
40kHz JJY
LF帯でも相応のアンテナ(PA0RDT mini-whip)を接続すれば良好に受信できます。ただし中波放送帯の強力な信号による飽和を回避するため以前製作した中波放送帯BEF(band elimination filter)を挿入します。
というわけでRadioberry2の受信動作が確認できました。送信部分はまた追々テストしていこうと思います。
2018年6月28日木曜日
Radioberry2製作記 その2(苦悩編)
さてようやく全パーツを装着したRadioberry2ですが、Raspberry Pi3につなげる前にOSのセットアップと必要なソフトウエアのインストールを行います。
だいぶ前に秋月で購入したElement14版のRaspberry Pi3 model Bと、専用の7インチカラー・タッチスクリーン付きLCDディスプレイを接続してmicroSDカードに最新NoobsをPCからコピーしてPi3本体のmicroSDカードスロットに挿入して電源を差し込み起動します。そうすると自動的にRaspbianがセットアップされます。
OSセットアップ後は最新アップデート、アップグレードを施してFPGAのファームウエア設定プログラムとSDRプログラムHPSDRをインストールします。詳細はGitHubのwikiページを参考にしていただきますが、まずRaspberry Pi3の設定とFTPサーバのインストールと設定を行い、Radioberry2のFPGAクロック設定、ファームウエア転送ソフトをインストールし、FFT演算ライブラリなどいくつかのライブラリの導入とPIHPSDRのインストールを行います。
・・・ってありゃりゃ!?なにも表示されません。当然音も聞こえません。
あれこれ調べていくと、コンソールに記録されているFPGAのプログラムのログに、prepareLoading failedってでています。つまりFPGAにファームウエアが正しく転送されていないようでした。
一旦Radioberry2を外してFPGAのピンの装着状態を確認します。ブリッジが1,2か所疑われたため追いハンダなどで解消して起動しなおしましたがやはり同じ・・・ちょっと困ってしまいましたが、PUPさんのブログにチップ底面のサーマルパッドに基板の裏からハンダを送り込むと動作が安定したという記事を見付けました。
そういえばFPGAとAD9866の裏側にハンダを流し込む穴があったけれど、まだハンダを流し込んでいなかったので両方とも基板の裏側の穴からハンダを流し込み各チップの底面もしっかりハンダ付けしました。
一息入れてから、起動してソフトを動かすと・・・
適当なアンテナを繋げるとノイズフロアが上昇して、何かしら受信はしているようですがまともの音になっていません。しかもどこを受信しているのかが全く分かりませんでした。
設定をいろいろと変えても全く改善しないので、OSからソフトを入れなおしてみましたがやはりダメで、電源の容量不足かもと思って推奨電源を取り寄せてみました。
この電源アダプタは途中に電源スイッチがついていて便利です。
付け替えると電力不足の雷アイコン表示がかなり少なくなりましたが、症状は一向に変わらず・・・
はてさてどうしたものか、出口がふさがれた気分になってしまいました。
それではまた次回!
タッチパネル付きLCDディスプレイの背面にRaspberry Pi3を装着しています |
再起動後デスクトップが表示されます。某有名OSよりも簡単です。すごい。 |
pihpsdrコンパイル中 |
必要なソフト類をインストールしてようやくPi3のGPIOヘッダにRadioberry2を差し込みPi3を起動、FPGAのセットアッププログラムを起動してPIHPSDRを起動します。しばらくすると、SDRでお馴染みのバンドスコープとウオーターフォール表示が出てきます・・・
何も表示されていないむなしさよ・・・ |
あれこれ調べていくと、コンソールに記録されているFPGAのプログラムのログに、prepareLoading failedってでています。つまりFPGAにファームウエアが正しく転送されていないようでした。
一旦Radioberry2を外してFPGAのピンの装着状態を確認します。ブリッジが1,2か所疑われたため追いハンダなどで解消して起動しなおしましたがやはり同じ・・・ちょっと困ってしまいましたが、PUPさんのブログにチップ底面のサーマルパッドに基板の裏からハンダを送り込むと動作が安定したという記事を見付けました。
そういえばFPGAとAD9866の裏側にハンダを流し込む穴があったけれど、まだハンダを流し込んでいなかったので両方とも基板の裏側の穴からハンダを流し込み各チップの底面もしっかりハンダ付けしました。
一息入れてから、起動してソフトを動かすと・・・
一見まともに見えるバンドスコープ表示 |
おお!やっとちゃんと表示された!と思ったのも束の間、常にぶつぶつ途切れたような受信音でサンプリングレートを変えても改善しません。
何かを受信しているのですが、どこの周波数かも全く不明 |
↑実際の受信音はこんな感じ
設定をいろいろと変えても全く改善しないので、OSからソフトを入れなおしてみましたがやはりダメで、電源の容量不足かもと思って推奨電源を取り寄せてみました。
5V3Aのスイッチング電源 コードの途中にスイッチが付いています |
付け替えると電力不足の雷アイコン表示がかなり少なくなりましたが、症状は一向に変わらず・・・
はてさてどうしたものか、出口がふさがれた気分になってしまいました。
それではまた次回!
2018年6月27日水曜日
Radioberry2製作記 その1
うっかりしているうちに、先の投稿から1か月以上経過してしまいました。
twitterやGoogle+,FacebookなどSNSは電子工作に関する情報の宝庫です。いつものようになんとなく眺めていると、次の製作ターゲットが現れてきました。
PA3GSB JohanさんのRadioberry2という、Raspberry Pi3のGPIOピンヘッダに装着するHF帯のDDC, DUC方式のSDRトランシーバです。回路図やソフトウエアなどはこちらに。
Analog devices製12bitの高速ADC/DACチップのAD9866と、Intel製 Cyclone 10LP FPGAで構成するDDC(Direct down conversion), DUC (direct up conversion)ユニットで、システムの制御をRaspbery Pi3で行います。ベースバンドの変復調はPi3自身にインストールしたSDRソフトウエア HPSDR、もしくはネットワークに接続したPC上のSDRソフトウエアで行うというスタイルです。受信だけであればkiwiSDRの構成に似ていますが、このRadioberry2は送信も可能としている点が一歩進んだところです。
このRadioberry2は旅の途中Reoさんが基板と部品セットを頒布されており、早速頒布をお願いしました。
送っていただいた部品は丁寧に仕分けされています。
もはや慣れた表面実装部品たちですが、唯一TCXOユニットは電極が底面のみ露出しており、側面には出てきていません。これではハンダごてによる手ハンダは不可能です。
そこで新兵器を導入しました。
ヒートガンです。
中国製で数千円程度で入手できるものですが、ハンダごてを二回り大きくしたような感じで、柄の部分がデジタル温度計兼温度設定表示になっておりコンパクトでFBです。選択したノズルをヒートガン先端に取り付けて電源プラグをコンセントにつなげて電源スイッチをオンにします。温度設定ボタンを押し、好みの温度に設定すると数秒後に作動開始し設定温度まで表示温度が上昇します。
さて設定温度はどうすれば良いのか、調べてもこれといったのが見つかりません。そこでTCXOのデータシートを眺めて見ると、reflow profileという図を見つけました。
この図を見るとピーク温度260℃が20秒から40秒と読めます。この図を参考にして温度を270℃に設定し10秒程度当てることにしました。他の部品は手ハンダが可能なので一番最初にTCXOを装着します。まずクリームハンダを爪楊枝の先にちょっとだけ盛ってランドに少量擦り付けます。ステンシルがないのでなかなか難しいですが何とか薄く盛ったところでTCXOをクリームハンダをのせたランド上に置きます。ズレがないか拡大鏡で確認し、ヒートガンの電源を入れて温度を270℃に設定し、表示温度が270℃になるまで待ちます。270℃になったらヒートガンの先をTCXO上約1センチほどに近づけて10秒程度そのままにします。TCXOから少しはみ出たハンダがいい感じに解けたのを確認し、ヒートガンを基板から遠ざけます。
基板自体も熱くなっているのでしばらく放置して冷ましてから拡大鏡で装着具合を確認します。
今回から同時期に購入した拡大カメラを装着部位にセットして観察します。
この拡大カメラは倍率自体は適当ですが、観察対象の細部が良く観察できます。PCに接続したりmicro SDカードに画像を保存できるので便利です。これも中国製で数千円で購入できます。
で、装着したてのTCXO周りを観察すると余分なクリームハンダがTCXO周りの基板に溶けて細かいハンダ屑になっています。拡大カメラで見ながら周りのハンダ屑を爪楊枝の先で除去しておきます。改めて観察してきちんと装着されているのを見届けます。
次は他の部品をすべて手ハンダで装着していきます。
取り付ける順番は特に根拠もないのですが、CRL、半導体、端子類の順番にしています。部品の装着間違いを避けるもしくは早く見つけるため、CならCだけすべて取り付けたら次はRだけという形にしていますが、それでも付け間違いは起こりえるので常に部品表と実物の照らし合わせ、装着部位の確認は一個一個欠かさず行います。
というわけで一通り装着できましたが、なんとなくAD9866(基板中央左側のチップ)がずれており、拡大カメラで確認すると・・・
ICのピンと基板のランドがかなりずれていてちゃんとピンと対応するランドがハンダ付けできていません。
これでは動作しないので、いったんAD9866を外して装着しなおさなければなりません。
というわけで、またヒートガンの登場です。
AD9866の周りをカプトンテープで覆い、上からヒートガンをあてますが270℃ではなかなか外れず300℃まであげてようやく基板から外れました(これが後になって響いたのでした)。
外した基板のランドの余分なハンダをハンダ吸い取り線で拭い改めてフラックスを塗って外したAD9866を再装着します。
肉眼ではずれがないように見えます。果たして拡大カメラでは・・・?
今度はランドとチップのピンはぴったり合っています。半田もしっかりのっています。(一部何も接続のないランドは熱ではがれていました)
あと残りはコネクタとピンソケットをハンダ付けして完成です。
次にRaspberry Pi3のセットアップと、Radioberry関連のファイルのインストールを経て完成したRadioberry2をつないで実働へ向かうわけですが・・・
続きはまた次回!
twitterやGoogle+,FacebookなどSNSは電子工作に関する情報の宝庫です。いつものようになんとなく眺めていると、次の製作ターゲットが現れてきました。
PA3GSB JohanさんのRadioberry2という、Raspberry Pi3のGPIOピンヘッダに装着するHF帯のDDC, DUC方式のSDRトランシーバです。回路図やソフトウエアなどはこちらに。
Analog devices製12bitの高速ADC/DACチップのAD9866と、Intel製 Cyclone 10LP FPGAで構成するDDC(Direct down conversion), DUC (direct up conversion)ユニットで、システムの制御をRaspbery Pi3で行います。ベースバンドの変復調はPi3自身にインストールしたSDRソフトウエア HPSDR、もしくはネットワークに接続したPC上のSDRソフトウエアで行うというスタイルです。受信だけであればkiwiSDRの構成に似ていますが、このRadioberry2は送信も可能としている点が一歩進んだところです。
このRadioberry2は旅の途中Reoさんが基板と部品セットを頒布されており、早速頒布をお願いしました。
送っていただいた部品は丁寧に仕分けされています。
もはや慣れた表面実装部品たちですが、唯一TCXOユニットは電極が底面のみ露出しており、側面には出てきていません。これではハンダごてによる手ハンダは不可能です。
TCXOユニットは25x2.0x0.8mmと極小です |
ヒートガンです。
中国製で数千円程度で入手できるものですが、ハンダごてを二回り大きくしたような感じで、柄の部分がデジタル温度計兼温度設定表示になっておりコンパクトでFBです。選択したノズルをヒートガン先端に取り付けて電源プラグをコンセントにつなげて電源スイッチをオンにします。温度設定ボタンを押し、好みの温度に設定すると数秒後に作動開始し設定温度まで表示温度が上昇します。
さて設定温度はどうすれば良いのか、調べてもこれといったのが見つかりません。そこでTCXOのデータシートを眺めて見ると、reflow profileという図を見つけました。
この図を見るとピーク温度260℃が20秒から40秒と読めます。この図を参考にして温度を270℃に設定し10秒程度当てることにしました。他の部品は手ハンダが可能なので一番最初にTCXOを装着します。まずクリームハンダを爪楊枝の先にちょっとだけ盛ってランドに少量擦り付けます。ステンシルがないのでなかなか難しいですが何とか薄く盛ったところでTCXOをクリームハンダをのせたランド上に置きます。ズレがないか拡大鏡で確認し、ヒートガンの電源を入れて温度を270℃に設定し、表示温度が270℃になるまで待ちます。270℃になったらヒートガンの先をTCXO上約1センチほどに近づけて10秒程度そのままにします。TCXOから少しはみ出たハンダがいい感じに解けたのを確認し、ヒートガンを基板から遠ざけます。
基板自体も熱くなっているのでしばらく放置して冷ましてから拡大鏡で装着具合を確認します。
基板を逆さにしても外れないのでたぶん装着できているかも(笑) |
この拡大カメラは倍率自体は適当ですが、観察対象の細部が良く観察できます。PCに接続したりmicro SDカードに画像を保存できるので便利です。これも中国製で数千円で購入できます。
で、装着したてのTCXO周りを観察すると余分なクリームハンダがTCXO周りの基板に溶けて細かいハンダ屑になっています。拡大カメラで見ながら周りのハンダ屑を爪楊枝の先で除去しておきます。改めて観察してきちんと装着されているのを見届けます。
次は他の部品をすべて手ハンダで装着していきます。
取り付ける順番は特に根拠もないのですが、CRL、半導体、端子類の順番にしています。部品の装着間違いを避けるもしくは早く見つけるため、CならCだけすべて取り付けたら次はRだけという形にしていますが、それでも付け間違いは起こりえるので常に部品表と実物の照らし合わせ、装着部位の確認は一個一個欠かさず行います。
というわけで一通り装着できましたが、なんとなくAD9866(基板中央左側のチップ)がずれており、拡大カメラで確認すると・・・
ICのピンと基板のランドがかなりずれていてちゃんとピンと対応するランドがハンダ付けできていません。
これでは動作しないので、いったんAD9866を外して装着しなおさなければなりません。
というわけで、またヒートガンの登場です。
AD9866の周りをカプトンテープで覆い、上からヒートガンをあてますが270℃ではなかなか外れず300℃まであげてようやく基板から外れました(これが後になって響いたのでした)。
外した基板のランドの余分なハンダをハンダ吸い取り線で拭い改めてフラックスを塗って外したAD9866を再装着します。
肉眼ではずれがないように見えます。果たして拡大カメラでは・・・?
今度はランドとチップのピンはぴったり合っています。半田もしっかりのっています。(一部何も接続のないランドは熱ではがれていました)
あと残りはコネクタとピンソケットをハンダ付けして完成です。
次にRaspberry Pi3のセットアップと、Radioberry関連のファイルのインストールを経て完成したRadioberry2をつないで実働へ向かうわけですが・・・
続きはまた次回!
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