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2019年10月21日月曜日

久しぶりの135kHz運用・初めての自宅からのQRV

先日10月20日恒例のオール千葉コンテストが行われたのですけれども、当初千葉県内に移動して運用するつもりでしたが、今月初めに痛めた左肩がまだ完治していなかったため大事をとって断念しました。

このオール千葉コンテスト(略称:千葉コン)は135kHz部門が存在するほぼ唯一のコンテスト(四国のローカルコンテストであったような記憶がありましたが、詳細不明)であり、いまだ数少ないLFerがQRVする機会なのです。

135kHzはいつも車での移動運用だけでしたが、せっかくの機会ですし当時の気候も穏やかでほとんど風もない良いコンディションだったことから、以前から試してみたかった自宅からのQRVにチャレンジしてみました。

エレメントは従来のアルミ線がボロボロになってしまったので、以前購入した超軽量のアンテナ線を使用しました。銅線の撚り線ですが被覆が軽いので全体的に軽量です。
42mほどあるので、垂直エレメントとして12m、容量冠エレメント10m2本を切り出して両端をそれぞれ加工しいつもの135kHz用傘型超短縮エレメントとしました。

ウエダ無線で購入できます。22mタイプもあります。
エレメントをいつものSpiderBeam製12mグラファイトポールの最先端に括り付け、ポールは屋上の手すりにワイヤでしっかり固定し12m完全に伸ばします。容量冠の2条のエレメントを傘状に展開し固定。垂直エレメントの下端にリニューアルしたヴァリオメータ内蔵のローディングコイルのホット側に接続します。

雲は多かったですがひさびさの気持ち良い天気

手すりにポールを固定 いい感じに展開できました

ローディングコイルは数年前雨に濡れ壊れましたが見事復活させました
問題はアースですが、移動運用では90x60cmのガルバリウム鋼板を10枚地面に敷き詰めて大地と容量結合します。しかし屋上に重たい鋼板を持ち上げるのが難しかったため、だめもとで手すりの根元の接続ボルトにワニ口クリップをかませアースとしてみました。

アースはこのように手すりの取り付けボルトに引っ掛けただけ
こんなアースでしたが測定してみると・・・アンテナ抵抗75Ωと予想より低く、インピーダンス変換トランスですんなりと整合してしまいました。

インピーダンス変換トランスでマッチングOK コイルのQが高いのできわめて狭帯域
セッティング完了して早速CWの周波数である136.5kHzを受信してみると、強いインバータノイズの中からCW信号が聞こえてきました。


千葉コンに県外局として参加されている7L1RLL局のCQです。50Wでコールしてみましたが応答なくしばらく呼び続けていると、JA1NQI局(茨城県)とJA1HQG/1局(神奈川県)の2局からコールいただきレポート交換しQSOが成立しました!

FT991の直接受信でしたが、インバータノイズが低くなると結構よく受信できるようです。ノイズレベルは高くても受信帯域を絞りDSPをうまく調整すれば多少弱くても何とか取れるレベルでした。

今回は初めての自宅からの135kHzQSOでひさびさにテンションが上がりました。思いのほかアンテナ入力抵抗が低くいつもの移動運用並みに運用ができることが分かり今回のチャレンジは大きな収穫でした。

1.8/1.9MHzもローディングコイルを作製して12mバーチカルアンテナで運用しようと考えています。おそらくSRA以上に飛ぶのではないかと期待していますがはたしてどうなることやら。

2017年10月17日火曜日

オール千葉コンテスト2017移動運用記~失敗は前に進む一歩なのか?~

先日15日オール千葉コンテストが行われました。

このコンテストは136kHz部門が存在する数少ないコンテストで、(136kHz部門が存在するコンテストは、このオール千葉と5エリアのコンテストだけです)136kHzデビューした思い入れのあるコンテストでもあります。

前回は某クラブ局コールで参加しましたが、今回はまた個人の参加に戻りました。

初回の初参加を除き好天に恵まれたコンテストでしたが、今回は秋雨前線が停滞し雨天の中での移動となりました。

前日は雨も止んでいる時間が多く期待しましたが、当日はしっかり降り続けていました。

ちょうど11時現地(館山市某所)に到着して合羽姿で設営開始。アースは雨天のためガルバリウム鋼板敷きでなく、雨水にメッシュ版を浸したものをアース端子につなぐという方法にしました。コイルはリッツ線巻きのいつものVARIOMETER 3+を取り出し、雨に濡れないように傘を上にさした状態にしたのですが、これが十分ではありませんでした。

アンテナエレメントはバッチリ張れたのですが・・・
最初アンテナ入力抵抗を測定し、136.5kHz同調時に約80Ωでまぁこんなものかと思ってインピーダンス変換トランスの75Ωタップに接続しTX-136につないで送信テストしました。(先日の自作送信機は雨天で時間も余裕がなかったので出番はありませんでした^^;)

送信機内蔵のVSWR表示をモニターしていたところ、最初1.5がじわじわと上昇傾向となってきたのでもしやと思い、コイルを確認したところすでに半分以上雨水が浸みこんだ状態になっていました。

写真では分かりにくいですが、半分以上雨水で浸みています・・・
 その後もVSWRは悪化をたどり、アンテナ入力を再測定すると300Ω以上まで上昇し仮に接地抵抗を70Ωとするとコイル抵抗は概算で230Ωと乾燥時11Ωにくらべてきわめて高い抵抗値になってしまっていました。これでは到底使い物になりません。実際JA1NQI局が136.5kHzで入感しコールしてみましたが、まったく応答ありませんでした。

いまさら乾かす手段もなく、代わりのコイルもないので(初期のUEW単線で巻いたローディングコイルは一昨年のハムフェアで5エリアのOMさんにお譲りしました)この時点で運用を断念しました。

このコイルはリッツ線で巻いたコイルです。リッツ線は何百本もの細いUEWを細い幅の薄い布で束ねて巻いた線材で、表皮抵抗が下がることで高周波抵抗を抑え高いQを実現しています。しかし一旦雨水に曝されてしまうと、この束ねる布と極細のUEW同士の間に水がたまり一気に高周波抵抗が上がりその結果Qが一気に下がってしまったのでしょう。しかし実際、これほどまでコイル抵抗が上昇するとは思いませんでした。もしかしたらリッツ線の弱点なのかもしれません。一度単線UEWを新たに製作し、リッツ線巻きコイルとともに霧吹きなどで濡らしたときの各々のコイル抵抗を測定比較実験してみたいです。

何はともあれ、副題のように今回の失敗はいい経験になったと思うようにしますHi

しかしこんなこともあろうかと(笑)VN-4002も持参してきたので、7MHzでQSOくらいはしないと割に合いませんよね。せっかく遠くまでやってきたのだから。

というわけで、車に常備している移動用のRadix製短縮Vダイポールをそそくさと立ち上げました。
このVDPは設置も調整も楽チン 給電部直下の自作CMCでケーブルの影響も無問題
短縮アンテナなので実用周波数範囲は30~40kHzと狭いですが、CWのみの運用ならバンド内QSYでも再調整は必要ないでしょう。

で、VN-4002に接続しワッチを開始するとバンド内信号がよく聞こえてきます。なおかつノイズレベルも非常に低くて弱い局の信号もよく聞こえます。

12Vの鉛バッテリーから電源を得ていますが、余裕ありすぎ(笑)
 当日は中遠距離のコンディションが良く、QRP機でも拾ってもらえてなかなか楽しかったです。懸念されていた大陸系の強力な放送波による混信も感じることなく受信は至極快適でした。

18時まで粘っても良かったのですが、その時間帯はあたりがすっかり暗くなって作業が大変になるため明るいうちに切りの良い所で完全撤収し移動地をあとにしました。

 帰宅後コイルを確認すると、バリオメーターの回転機構の軸がねじり切れていました。軸と回転機構のつくりが華奢で、無理に回転させようとしてスプロケットと軸の接続部分のネジ部分が根元でねじれたようです。

 泣きっ面に蜂というわけではありませんが、防水を含めて全面的に一度作り直しが必要です。また他にも初代のような単線で巻いたコイルも復活させてどの条件でも運用できる状態にしておきたいものですね。

2016年10月24日月曜日

千葉コンとカレーとE級アンプと

なんだか意味不明のタイトルなのですが、まずは一発目。

ちょっと報告が遅くなりましたが、10月16日に開催されました第31回オール千葉コンテストに参加しました。

いままでどよよん無線技士さんと一緒に千葉県を移動して個人で参加していましたが、今回某DX & コンテストバリバリクラブ局(笑)のお誘いを受け、136kHzと1.9MHz、14MHz担当として四街道の設置場所まで訪れました。

コンテストは昼の12時からスタートなのですが、通常の移動運用のように設置場所までアンテナの設置を行ったりしなくてはいけなかったので朝8時過ぎと早めに現地入りしました。

もうすでにメンバー数名が準備を始めておりました。実に気合が入っています。メンバーは自分以外コンテストに積極的に参加し入賞しまくりな精鋭ぞろいで、普段ほとんど参加していない(千葉コンの136kHzと1.9MHz以外は)自分がどこまで貢献できるか運用面がかなり心配でした^^;

ともあれ今まで実績のあるバンドでがんばるというわけで、早速いつものように136kHz兼1.9MHzの短縮バーチカルを立ち上げました。

四方を電灯線に囲われていて、先端数メートルだけちょこっと顔出している
タイヤベースに12m長のグラスファイバーポールを差し込んで12m垂直部と頂点から斜めに下ろす10m長の容量冠2条をアンテナエレメントに、0.6x0.9mのガルバリウム鋼板10枚を下に並べてアース板としました。ローディングコイルは先日設置テストのときにインダクタンスを調整した『VARIOMETER3改』を136kHz用に、60mm径のプラスチック円筒に園芸用アルミ線を巻き、同調用タップとマッチング用タップを設けた1.9MHz用の小さなローディングコイルを用意しました。

1.9MHzは実質最後の1時間前後からのスタートですが、136kHzは最初の1,2時間で大体運用局との交信が終わるため、そのあとバンドチェンジの際ローディングコイル交換だけで済ますため1.9MHzのコイルもあらかじめ調整しておきます。


左はおなじみ136kHz用ローディングコイル『VARIOMETER3改』に絶縁型インピーダンス変換トランスと高周波電流計を接続したもの。右は1.9MHz用のローディングコイル・マッチングセクションつき(コイルから同軸に接続した直後にCMCを挿入)。

こんな感じで、すぐにバンドチェンジが可能な状況にして12時のスタートを待ちます。とそのまえに、メンバーみんなでお弁当食し、燃料も補充(謎)

スタートは136kHzから。県内局とお隣の茨城県の局計3局とQSOできました。しかし、おもに西側の神奈川県など数局移動されていてこちらのCQに応答されていたそうですが、残念ながら信号を捕らえることは出来ませんでした。受信ノイズはそれほど酷くないと思ったのですが、ここは住宅地のど真ん中でやはり周辺ノイズで信号が埋もれてしまったようです。1.9MHzもこちらからの信号は結構届いていても受信が厳しくて、しかもQSBが深いため何度も再コールやNR AGN?繰り返してしまいました。

いずれのバンドもしっかりと同調したアンテナを使ったことで飛びそのものは悪くなかったようですが、垂直系はノイズが多く受信環境をどうするかが次回への課題となった運用となりました。

18時終了時にはすっかりあたりは暗くなっていつものように暗闇の中撤収作業を行い、いよいよお楽しみの打ち上げカレー食事会へ移動しました(こっちがメインとかいわないように)。

検見川のシタール インドカレーNo1です^^v
こちらは知る人ぞ知るインドカレーの名店で、いつも順番待ちになります。カレーはもちろんのこと、サイドメニューのタンドリーチキンやシシカバブなど全部美味しいのです。今回は3種類のカレーを戴きましたが、やっぱり美味しくてコンテストの疲れも吹き飛んで幸せになります。

そんなわけで市街地で136kHzがどこまで出来るか心配でしたが、なんとかQSOも出来たのでホッとしています。課題も出来たので、また次回挑戦できるといいなと思っています。

コンテスト風景はぜんぜん撮らなかったので、見たい方はJO1YYP / わいわいぴークラブで検索してお楽しみください。

最後に、コンテストも落ち着いたので7MHzQRPトランシーバの続きです。

最終プロトタイプも無事動作まで漕ぎ着けましたが、ひとつ気になることが。

それは送信部のBS170の発熱が著しいことです。2パラの矩形波スイッチング動作で効率も60%程度のものですがスイッチング損失が意外と大きいようで、連続キャリア送信では触れないくらいに発熱してしまいます。メモリチップ用の小型ヒートシンクでは焼け石に水で、だんだんと出力レベルが低下して1分も持たなさそうな状況です。普通にCW符号の送信をしばらく行ってもかなり熱くなるため、このままでは実用に供しないと考えていました。

回路的にはKD1JVが好んで使用しているPA部も同様な構成ですが、Tribanderの3パラBS170で5W出力でもヒートシンクレスで問題ないところを見ているので、公開されている回路を眺めて考えていましたがなぜ高効率なのかどうにもわかりません。construction manualにはC級アンプで高効率と記してありさらに悩んでしまいましたが、ここはひとつ頭を切り替えてE級アンプに目を向け実験してみました。

参考にしたのはこちらの本。


規模の異なる4台ほどの高周波E級アンプの設計方針から実践まで詳しく解説している良本です。こちらに解説している計算方法などを参考に試作機1号のPA部にE級アンプ実装実験を行いました。

下がE級用のフライホイール組み込み後の回路 上は組み込み前のオリジナル


もはやユニバーサル基板の表側の余裕がないため、フライホイールのインダクタとコンデンサは裏に装着。ロジック出力とドレイン電圧にオシロスコープのプローブを繋ぎ波形を観察しました。

赤がBS170のドレイン電圧 黄色がドライブ段出力波形
 ドレイン電圧はFETオフ時正弦波の上半分のような綺麗な弧を描いており、計算に近い結果が出ているようです。ドライブ段出力は90MHz付近で振動していますが、実装環境に由ると思われるので最低限のRCスナバ回路を施すにとどめています。

赤はインピーダンス変換トランス前の出力波形
プローブをLPF前の出力に繋ぎ変えてみたところ、すでに正弦波に近い綺麗な波形になっていました。

また、連続キャリア送信でも出力もダレずにBS170も少し暖かくなる程度でした。

ドレイン電流の検討はまだ行っていませんがこの状況からE級に近いソフトスイッチングが実現でき、おおむね実験は成功したのかなと思っています。

ただ、最終プロトタイプに組み込もうとするとこのままではコイルが2つ追加となってしまう(最終プロトタイプではRFCとインピーダンス変換トランスをひとつのコイルで兼用しており、一旦分けた上でフライホイール用コイルも追加するため)という問題が残ります。スペース的にはなんとか組み込めないことはないのですが、せめて1つ追加に収めたいということで、次はその解決法を検討したいと思います。

うーむ、頒布開始にはまだ道のりが(謎汗

2015年12月31日木曜日

3度(年)目の正直と2015年最後の日

あれよあれよという間にもう2015年大晦日ですね。

第30回オール千葉コンテストの結果がつい先日発表されました。136kHzデビューで思い入れのあるコンテスト3回目にしてやっと1位になることができました。県内局はおそらく当局入れて2局しか参加されなかったようで、なんとなくタナボタ感がしますがうれしいものですね。

次回は某社団局で免許をおろして参加という話もありますがどうなることやら、どんな形にしろ参加は続けていきたいと思っています。

今年も他に色々とありました。

475.5kHz帯免許がおり始めましたが、最初に免許されたときから半年遅れてようやく当局も免許をおろしました。まだCWでは1局しか交信出来ていませんが、送信アンテナの条件があまりよくない可能性があり、改良を検討中です(もちろんEIRP1W制限内で)。

また、1回きりですがハワイの実験局のWSPR2信号をPA0RDT mini-whipでデコードできたことです。コンディションに左右されるのは当然ですが、常にデコードできている局と比べて何が違うのか、何を改善させるか考えさせらました。

136kHzでは、新ローディングコイルでの運用を開始したことです。旧コイルでは気がつきませんでしたが、海や湖など面積の広い水にアースをつけるとアンテナ入力抵抗が下がるとともに共振周波数も下がります。また傘のエレメント(キャパシティハットに相当する)の設置も工夫で初期のころよりもしやすくなり、運用可能場所も多少広がると思われます。さらに車を使わない移動も今後やってみたいと思います。

あとはPIC関係ですが、キーヤーも現状のハードではほぼ完成形といっていいところまで出来上がりました。C言語にもだいぶ慣れて調子に乗ってJUMAの送信機のファームをいじったりしました。まだ詰めが足りないところですがそれは来年の課題にしましょう。

というわけで今年もあとわずかとなりました。

皆様良いお年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2015年10月20日火曜日

第30回オール千葉コンテストに参加しました(館山市136kHz移動運用)

無線以外でばたばたしていてブログも1ヶ月ほど間が空いてしまいました。

さて、今回はキリのいい(笑)第30回オール千葉コンテストに今年も参加しました。もちろん136kHz部門で。このコンテストは136kHz部門が存在する数少ないコンテスト(後ひとつはたしか四国のほうで136kHz部門のあるコンテストがあったと記憶しています。現在136kHz部門があるのはこの2つのコンテストだけです。)で、かつ当局が136kHzデビューを果たした思い入れのあるコンテストでもあります。

今回も元ローカル局どよよんさんをお招きしたところ快くOKのお返事をいただきまして、当日内房線の駅前で合流しました。
待ち合わせた内房線那古船形駅の駅舎 いい雰囲気です^^
朝9時前にどよよんさんを乗せしばらく移動し目的地の海辺に到着。朝魚釣りの方々が散見される中、早速設営開始しました。

アンテナは今回もおなじみの12m高2条傘型を設置しましたが、数回にわたる移動経験から少し工夫をしてみました。ひとつは傘エレメントの端の固定方法で、従来エレメントの端に非金属製ワイヤーをつなげての木の枝などに引っ掛け結びつけるなどしていましたが、木の枝がない場合やエレメントの方向に自由度を持たせるため、フックつきの小さなコンクリートブロックをホームセンターで購入し、フックにエレメントをつないだワイヤーを引っ掛けてブロックの置く位置を変えて好きな位置にエレメントをセットできるようにしました。またカラビナをつかって着脱も容易になるようにしました。多少風が吹いてもズレなくてFBです。車の移動でなければ水を入れて重石にする容器があれば持ち運びには問題ないでしょう。

フック付きコンクリブロック 逆Vダイポールにも使えそう
さらに海辺というロケーションからある程度の風が予想されたので、垂直エレメント部分をグラスファイバーポールにおよそ1,2メートル程度の間隔でエレメントをポールから5,6センチ浮かせながら荷造りテープで固定することによって、風で大きくエレメントが揺さぶられないようにしました。

垂直部分はポールに付かず離れずに半固定
次はアースです。いつもは10枚のガルバリウム鋼板を地面に敷くアースマット方式ですが、ここは広い海のすぐそば。昨年の木更津JD1チャレンジに倣って、海水へ小さなステンレスメッシュ板を浸す通称海ポッチャンでアースを取りました。

ローディングコイルはリッツ線を巻いたVARIOMETER3号を用意してエレメントと接続し、わくわくしながら(笑)早速VNAをつないで測定しました。

調整しやすくするためオペレーションデスクに近いところにローディングコイルを設置
素の特性 共振点でのアンテナ入力抵抗25Ω
 この前の諏訪湖移動のときにも見られましたが、湖水や海水アースは共振点がかなり下がります。最初ローディングコイルのインダクタンス最小位置にしても共振点が136kHzより下がってしまったので、結局垂直部のエレメントの余剰分1メートルほどカットすることによってやっと同調が取れるようになりました。(余剰分は巻いていたりしたので輻射には寄与していないと考え切ることにしました。)
マッチングトランスで変換後の特性 かなりシャープ
測定結果を踏まえインピーダンス変換トランスの25Ωタップにつなぎ替えると、共振点でVSWR1.1以下までマッチングさせることが出来ました。しかし、ローディングコイルのQの高さも相まってVSWR3以内の幅は約600Hzしかありません。1.5以内にいたっては200Hzという非常にシャープな特性。

昼前でしたが風がやや強く、VNA連続測定モードで観察するとポールがゆれるに従い共振点は数100HzずれてすぐにVSWRが上昇してしまいます。MAXパワー(50W)ではこの状況だと運用中にSWRプロテクションが働いてしまうので、当面LOW(15W)かHI(34W)で運用することにしました。

送信機はいつものJUMA TX-136改 受信機はFT-817ND直接受信+JUMA内蔵プリアンプ

調整が終了し、運用開始までしばし海を眺める(笑)
11時ごろでしたか、136.5kHzでVVVを出すと早速JA1HQG/1局とJA1NQI局に呼んでいただきました。12時になりおなじみの各局の信号が聞こえてきました。FT-817の136kHz帯での受信感度はFT-857より感覚的に低い印象だったことからJUMA内蔵の10MHz受信コンバータで時々切り替え入感する信号を比べてみましたが、コンバータ経由だとかえって雑音で聞き取りにくいため136kHz直接受信で20dBプリアンプをオンにすることにしました。専用受信機ができるまではこのスタイルで行こう思います。ちなみにもちろんIPOはオンです。

ひとしきりQSOできたところでDFCWとWSPR2送信テストを行いました。CWとは周波数が異なるため(CW:136.5kHz, DFCW(QRSS):137.777kHz付近, WSPR2:137.5kHz付近) アンテナの再調整が必要になりますが一度VNAで調整できているので、あとはインピーダンス変換トランスに内蔵したアンテナ電流計をにらみながら、電流計の針がピークになるようにローディングコイルのバリオメータの角度を調整するだけでOKです。

稲敷市のJA1NQI局と台東区のJA8SCD/1局のグラバーにDFCWが映っていました。

137.774kHz:当局のDFCW30信号 137.779kHz:JH1ARY/1局のSlowHell信号 TNX 松浦OM
WSPRnet GL6桁設定しましたが相変わらず4digitしか表示されず 送信機側で6digit送る改良が必要

最初は風でエレメントが揺れ共振周波数が落ち着きませんでしたが、3時過ぎから穏やかになって安定したので50Wのフルパワーで送信、最後に山梨のJH1INM局のCWが聞こえたのでコールし無事QSOできました。

日が落ちるころローディングコイルを160m用の小型のものに換えました。ただ、海水アースだと傘型2条アンテナの装荷コイルなしでの共振周波数が1.5MHzと1.9MHzより下がってしまったためアースを車のボディアースに切り替え共振&マッチングを得ました。FT-817NDの5Wで160mを運用し午後6時コンテストを終えました。
サンセットがとても綺麗だったので一時無線を離れ眺めておりました
昨年は勝浦ダムの傍で運用し、夜の星がとても印象的でしたが今回は夕日が印象的。自然を直に楽しむのも移動運用の醍醐味だと思います。FB、G+、ツイッターつながりの各局には無線しろ!と喝入れられましたが(苦笑)

夕方も6時を過ぎると急に辺りが真っ暗になって冷えてきます。外にある機器に露がつき始めるので早々に撤収を開始し7時前後には現場を離れて帰路につきました。

そしてどよよんさんをお送りする途中恒例のがっつりタイム!

温泉は入りませんでしたが、空腹はしっかり満たしてきました
移動運用では近くにトイレがあるとは限りません。当日朝は軽く食事を摂り、現地に着いたら水分以外はお菓子程度にとどめて過ごします。しっかり食べてしまうと眠くなったり、大をもよおしたりする危険があるからです。ただ頭は働かせないといけないのでチョコレートとか甘めのものを用意します。(一応簡易トイレは装備してはいますがあくまで緊急用)

ともあれ今年も無事に楽しく移動運用できました。同行していただいたどよよんさんありがとうございました。また、QSOいただいた各局おつかれさま&ありがとうございました!