2017年10月17日火曜日

オール千葉コンテスト2017移動運用記~失敗は前に進む一歩なのか?~

先日15日オール千葉コンテストが行われました。

このコンテストは136kHz部門が存在する数少ないコンテストで、(136kHz部門が存在するコンテストは、このオール千葉と5エリアのコンテストだけです)136kHzデビューした思い入れのあるコンテストでもあります。

前回は某クラブ局コールで参加しましたが、今回はまた個人の参加に戻りました。

初回の初参加を除き好天に恵まれたコンテストでしたが、今回は秋雨前線が停滞し雨天の中での移動となりました。

前日は雨も止んでいる時間が多く期待しましたが、当日はしっかり降り続けていました。

ちょうど11時現地(館山市某所)に到着して合羽姿で設営開始。アースは雨天のためガルバリウム鋼板敷きでなく、雨水にメッシュ版を浸したものをアース端子につなぐという方法にしました。コイルはリッツ線巻きのいつものVARIOMETER 3+を取り出し、雨に濡れないように傘を上にさした状態にしたのですが、これが十分ではありませんでした。

アンテナエレメントはバッチリ張れたのですが・・・
最初アンテナ入力抵抗を測定し、136.5kHz同調時に約80Ωでまぁこんなものかと思ってインピーダンス変換トランスの75Ωタップに接続しTX-136につないで送信テストしました。(先日の自作送信機は雨天で時間も余裕がなかったので出番はありませんでした^^;)

送信機内蔵のVSWR表示をモニターしていたところ、最初1.5がじわじわと上昇傾向となってきたのでもしやと思い、コイルを確認したところすでに半分以上雨水が浸みこんだ状態になっていました。

写真では分かりにくいですが、半分以上雨水で浸みています・・・
 その後もVSWRは悪化をたどり、アンテナ入力を再測定すると300Ω以上まで上昇し仮に接地抵抗を70Ωとするとコイル抵抗は概算で230Ωと乾燥時11Ωにくらべてきわめて高い抵抗値になってしまっていました。これでは到底使い物になりません。実際JA1NQI局が136.5kHzで入感しコールしてみましたが、まったく応答ありませんでした。

いまさら乾かす手段もなく、代わりのコイルもないので(初期のUEW単線で巻いたローディングコイルは一昨年のハムフェアで5エリアのOMさんにお譲りしました)この時点で運用を断念しました。

このコイルはリッツ線で巻いたコイルです。リッツ線は何百本もの細いUEWを細い幅の薄い布で束ねて巻いた線材で、表皮抵抗が下がることで高周波抵抗を抑え高いQを実現しています。しかし一旦雨水に曝されてしまうと、この束ねる布と極細のUEW同士の間に水がたまり一気に高周波抵抗が上がりその結果Qが一気に下がってしまったのでしょう。しかし実際、これほどまでコイル抵抗が上昇するとは思いませんでした。もしかしたらリッツ線の弱点なのかもしれません。一度単線UEWを新たに製作し、リッツ線巻きコイルとともに霧吹きなどで濡らしたときの各々のコイル抵抗を測定比較実験してみたいです。

何はともあれ、副題のように今回の失敗はいい経験になったと思うようにしますHi

しかしこんなこともあろうかと(笑)VN-4002も持参してきたので、7MHzでQSOくらいはしないと割に合いませんよね。せっかく遠くまでやってきたのだから。

というわけで、車に常備している移動用のRadix製短縮Vダイポールをそそくさと立ち上げました。
このVDPは設置も調整も楽チン 給電部直下の自作CMCでケーブルの影響も無問題
短縮アンテナなので実用周波数範囲は30~40kHzと狭いですが、CWのみの運用ならバンド内QSYでも再調整は必要ないでしょう。

で、VN-4002に接続しワッチを開始するとバンド内信号がよく聞こえてきます。なおかつノイズレベルも非常に低くて弱い局の信号もよく聞こえます。

12Vの鉛バッテリーから電源を得ていますが、余裕ありすぎ(笑)
 当日は中遠距離のコンディションが良く、QRP機でも拾ってもらえてなかなか楽しかったです。懸念されていた大陸系の強力な放送波による混信も感じることなく受信は至極快適でした。

18時まで粘っても良かったのですが、その時間帯はあたりがすっかり暗くなって作業が大変になるため明るいうちに切りの良い所で完全撤収し移動地をあとにしました。

 帰宅後コイルを確認すると、バリオメーターの回転機構の軸がねじり切れていました。軸と回転機構のつくりが華奢で、無理に回転させようとしてスプロケットと軸の接続部分のネジ部分が根元でねじれたようです。

 泣きっ面に蜂というわけではありませんが、防水を含めて全面的に一度作り直しが必要です。また他にも初代のような単線で巻いたコイルも復活させてどの条件でも運用できる状態にしておきたいものですね。

6 件のコメント:

  1. おはようございます。
    QSOいただき、ありがとうございます。きっと、自作機で運用してるんだよなぁ、と想像していました。
    雨降りだと、想像もしないことが起きますよね、ホントいい経験です。私は泥んこになりながらの運用でした。長靴を持って行って大正解でした。

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    1. LSEさん、おはようございます。

      こちらこそ先日はQSOいただきましてありがとうございました。2時間ほど自作機(VN-4002 出力3W)で運用しました。LSEさんの信号はリアル599で強かったです。天候がよければ136kHzも自作機で運用したかったのですが、デビューはまたあとのお楽しみにしておきますHi

      移動運用は仰るように良いことも悪いことも何が起きるかわからないですね。

      家の事情で来年明けまではなかなか移動運用の時間が取れませんが、落ち着いたらまた自作機で移動運用続けていこうと思います。

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  2. こんばんは、大変な移動でしたね!
    コンテストは残念でしたがVN-4002の様子が判ったのは収穫ですね

    頒布いただいたキットはケースに入れ増設の申請中です
    自作は楽しいですが事務処理は面倒ですが仕方ありません

    製作の都合ケースが1個余ってます。ご入用でしいたら連絡ください

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    1. QJSさん、こんばんは。コメントありがとうございます!

      こんどはVN-4002に軽量のリチウムイオンバッテリーと、フルサイズDPのセットで移動してみたいですね。あとは派生版も揃えてマルチバンド自作機移動運用を目指します。

      先日QJSさんのブログ拝見いたしました。アルマイト加工のケースとてもかっこいいですね!スピーカーの選定などもご苦労があったかと思います。形が小さいためなのか私も内蔵スピーカーの音量音質などがいまひとつでキットには組み入れませんでした。スマホのスピーカーのように小さくても綺麗に音が出ないか現在も模索中です。

      それは置いておいて、次に頒布予定のVN-3002は基板の色が青いのでもしお作りになるのなら青いケースにすると良いかもしれませんHi

      余剰分よろしかったらお譲りいただけると嬉しいです。後ほどご連絡させていただきます。

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  3. 千葉コン参戦記、読ませて頂きました。

    最初の写真を見て、初回お誘い頂いた時の猛烈な雨を思い出しました。そこまででは無かったかと思いますが、やはり雨の中の野外運用は大変ですね。

    レースの編み込みのようなコイルは、流石に濡れるとそう簡単には乾かない…という部分、やはり経験してみないと解らない部分だと思います。単線のコイルなら、振ったり拭いたりで何とかなると思いますが、リッツ線コイルの防水は難しいかも知れませんね。

    VNシリーズのお試し運用は怪我の功名…今回の参戦での収穫だったのではないでしょうか?

    次回作になるであろうコイル製作、楽しみにしています。

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    1. どよよんさん、コメントありがとうございます。

      初回参加の時は大変でしたよね^^;風も強くて、あのような状況でQSOできたのが不思議なくらいです。自分も含めてですが、今回は初回に比べて136kHzのアクティビティが下がっていて、おそらく自分以外県内局は出ていなかったと思われいささかさびしい状況です。

      リッツ線コイルの弱点がこれほど深刻なものとは予想していませんでした。今回は良い経験になったと思います。コイルはもうひとつ単線巻きを用意すべきで、移動時の気候などの状況に応じて使い分けが必要だなと感じました。コイルを整備できたらとりあえず気候の良い時に自作送信機のテストも兼ねて移動運用したいところです。

      VN-4002の移動運用テストは今回初めてですが、単体で十分実用的だったので今度は本格的に徒歩で出かけたいなと考えています。

      次回の千葉コンはどよよんさんの自作TRXでの参戦拝ませてくださいね。

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