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2020年6月3日水曜日

各プロダクト用ケース3Dデータ公開

今年になってから続いているCOVID-19蔓延で外出自粛が続く中、自主頒布キットの頒布依頼を多くいただきました。しかしながら頒布準備作業で手いっぱいになってしまったため今月から受付を停止させていただき、次期プロダクトの開発試作を進めることにしました。

とくにケースについては3Dプリンタ出力に頼っており、1セット分を出力するのに半日はかかるため各キットに同梱することがなかなかできていません。

そんなわけで停止期間中何もないのも申し訳ないので、今までのプロダクト用のケースの3Dデータを公開します。

STLファイルで提供しますので大抵のスライサーで読み込み可能だと思います。(ちなみに自分の環境ですが、スライサーにはUltimate Curaの最新版4.61を使いCR-10クローンのGeeetech社製A30プリンタで出力しています。)素材はPLAやABS、ほかのものでも多分問題ないでしょう。各素材の収縮率を加味して出力チャレンジしてみてください。


まずはVN-xx02シリーズ用サイドパネルです。以前のケースを一新して再設計しました。


 下に小型のスピーカー(秋月電子通商のマイクロスピーカー) 内蔵可能です。


ツマミも再設計しました。チューニング用のツマミはクルクル連続して回せるように指を入れるくぼみをつけました。

取り付け用に新たにM3x15mmほどのビス8本ご用意ください。

STLファイルはこちらです。


次はKeyer Mini-V2 Revision2用のケースです。
こちらも新設計です。


旧ケースのような箱タイプではなく、4側面をカバーするタイプです。


底面は、底面のアクリル板を横からスライドさせてはめ込むタイプでビス止めは必要ありません。なお左右側面のパネルにはM3のネジ穴が出力されますが、一度M3用のタップを通してください。

STLファイルはこちらです。

表面の取り付けにM3x15mm程度のビス4本ご用意ください。


次にQRPディジタルVSWRメーターQPM-01用のサイドパネルです。


 VN-xx02用と同様に4側面を覆うタイプのケースです。
 FUNCボタン延長用のボタンもついています。

STLファイルはこちらです。

追加のビスは不要です。8mm高のスペーサと8本の透明なプラスチックビスをそのまま使用します。なお左右側面のパネルにはM3のネジ穴が出力されますが、一度M3用のタップを通してください。


最後にnanoVNA用のサイドバンパーです。頒布したものと同じデータです。



 STLファイルはこちらです。


各々の圧縮ファイル内のexpand_rate.txtに各パーツの拡大率のサンプルを載せました。フィラメントやプリンターによって値が微妙に異なりますので、各自試行錯誤でお願いします。

【注意】
 なおブログ本文へのリンクはご自由にしていただいても問題ありませんが、ファイル自体への直接リンクやファイルそのものの無断転載、第三者への無断譲渡は固くお断りいたします。

2018年12月12日水曜日

最近までのまとめ

前の投稿からだいぶ空いてしまいました。

そんなわけで最近までのまとめということで。

今嵌まっているものと言えばこちら。


Snapmakerという3Dプリンタ、CNC、レーザー加工機の複合機を購入済みでしたが、出力可能な大きさが125mm立方と比較的小さいためもっと大きなものを造形できる3Dプリンタを探したところ、Geeetech社のA30というのを見つけ早速購入しました。最大造形サイズは320x320x420mmと非常に大きいです。パッケージはZ軸の枠を取り付けて各配線を施せばOKという半完成タイプで、開梱して30分ほどでセットアップが出来ました。

この手のプリンタはCR-10というプリンタと同じような構成で、各パーツ流用できるものがありeBayなどでも容易に手に入るようです。Snapmakerと違いX軸Y軸がベルト駆動だったり囲いがなかったり少々不安な面もありましたが、結果的に購入して正解でした。

FaceBookのユーザーグループに参加してこのプリンタのまつわるものなどいろいろな情報を仕入れ少々改造や設定の調整など行うことによってやっと安定して出力できるようになりました。


3DCADはいつものFreeCADを使いSTLでエクスポートしたデータファイルをCURAというスライサーソフトに読み込ませ、Gコードファイルを生成し、そのファイルをA30用のプリントソフトに読み込ませてUSB経由で出力しています。SDカードによるスタンドアロン出力も可能で便利そうなレジューム機能も付いていますがなぜか出力の途中で軸の制御がおかしくなって失敗してしまいます。まだ原因が分かりませんが今後解消してスタンドアロンで出力としたいところです。

というわけで、このプリンタを使っていろいろと作ってみました。


まずはVNシリーズのエンクロージャ。

SnapMakerでも作りましたが、A30は造形エリアが広いので構成パーツをすべて1回で出力可能です。時間はかかりますが余熱待機時間分早くなるし、CURA上の設定でプリント速度を速めたりさまざまなパラメータを調整することで時間短縮する事が出来ます。(もちろんSnapMakerでもCURAで作成したGコードファイルで出力は可能です。)

つぎに、135kHz帯運用で必要な大型ローディングコイルに内蔵するバリオメーターコイルの回転機構を製作。


コイルの回転軸の両側に見える大型のギアですが、3DCADでデザインして3Dプリンタで出力したものをそのまま使っています。

ギアを収める透明の枠はアクリル板を加工したもので、6mm径のベークライト棒を加工してギアの軸穴に挿入してコイルの回転軸と操作ツマミ用の軸としています。取り付けビス・ナット類もプラスチックねじを使うことによってコイルと端子以外は金属フリーになっています。


また、ローディングコイル機構を組み込んだ本コイルの外側に回転操作用の軸を通すガイド、バーニヤダイヤルを着脱可能にするためのアタッチメントも3Dプリンタで作成しました。

最後に、Keyer Mini-V2 Revision2用のエンクロージャも作ってみました。


 形状をいろいろ考えましたが素材のABSの強度を考えると、前面のアクリルパネルは残したほうが良いと考え前面のアクリルパネルを残す形にしてみたら、意外としっくりしました。


これまたうまくいったものは、電池アクセス用の蓋です。底面と蓋の厚さを3mmと厚くして 強度を持たせるようにしました。重なる部分を少し削る必要がありますが、案外ぴったりとはまってくれるのでFBな仕上がりになりました。

だいぶ自分なりにノウハウが蓄積されてきたので、またいろいろと製作しようと目論んでいます。

それから、久しぶりに小笠原の135kHzと475kHz運用が11月の下旬に行われるということで、久しぶりに135kHz移動運用を敢行しました。

移動場所は千葉県の勝浦ダム。3年ほど前に千葉コンで移動した場所です。ノイズが非常に少なくJA7NIの信号が強力に受信できたので、受信だけでもできないだろうかと早朝移動しました。ところが途中最後のところで路肩のがけ崩れで通行止めを食らってしまいました。もう一つのルートで向かおうと思いましたが時間がないため仕方なく広めで誰もいない駐車場に停めてアンテナ設営しました。

広めとはいえ周りが林に囲まれておりロケーションとしては良くないです。ともあれせっかく来たのでいつもの12m高2条傘型アンテナと、先日完成したローディングコイル、10枚のガルバリウム鋼板によるアースマットを設置。アンテナ入力抵抗は約100Ωとやはり周りの林の影響が大きいと思われました。

そうして136.5kHz付近をワッチしてみるとJA1HQG移動局がCQを出していたためコールし579-559でQSOできましたが、JD1の信号は聞こえずでした。その後137.5kHz付近でWSPR2を送信し数局捕捉してもらったのを確認して撤収しました。

設営時エレメントのアルミ線が切れ切れになってしまったため、ローディングコイル以外もそろそろリニューアルの必要性を感じました。

あとはVNシリーズの製作代行もぼちぼち依頼が来ており製作を進めていますがそろそろ次のものを考えようとパーツなど集めて試作をしようと考えています。何になるかはまた後日。

2018年9月25日火曜日

3Dプリンタ導入しました

2年ほど前にKick Starterに出されていた、Snapmakerという3Dプリンタ、レーザー加工、CNCがひとつのセットにおさまるマルチ工作機械にBackerとなって、今年春ごろ手元にセットが届いたきりになっていましたが、8月の終わりにいろいろなイベントが一息ついたところでようやく組み上げました。

コンパクトにまとまっています
本体以外にPLAフィラメントや必要なものがすべて入っています。
マニュアルどおりに組み立てると約30分ほどで組みあがります。エンクロージャーも追加注文しておいたのでこちらも組み上げて、本体をエンクロージャーに収めれば出来上がりです。

イラスト見ながら簡単に組みあがります。わくわくしますね
調整はZ軸の高さ調整のみで、ベースにコピー紙の切れ端を置いてキャリブレーションモードにして四隅のポイントごとにノズルの先端とベースの間隔を調整します(厚さ0.1mmの紙を挟んで調整するのが良いのですが、普通のコピー紙(0.064mm)でもノズル先端が少し引っかかるくらいでも良さそうです)。

調整が済んだら次に素材のフィラメントをプリンターモジュールにセットします。

Filament Changeモードにするとノズルがデフォルトで200℃まで加熱(必要に応じて温度上げ下げが出来ます)するので、フィラメントの先端をプリンタモジュールの挿入孔に差込み、ノズルの先から溶けた材料が細い線となって出てくるのを確認して出てきた余分な材料を除去して準備完了です。

CADで生成した3Dオブジェクトファイルを、Snapmakerのサイトからダウンロードしたソフトで読み込みます。ソフトはGコード生成するスライサーとプリンタへデータを転送してプリント動作を制御します。

Snapmaker本体のUSB端子からPCのUSB端子に接続し、ソフトでプリンタが接続されたCOMポートを選択して読み込んだ3DデータをPreviewボタンをクリックすることでGコードが生成されます。

印刷品質はデフォルトでFast, Normal, Bestが選択できますが、各パラメータをカスタマイズすることも出来ます。通常はNormalで十分です。他にフィラメントの種類(PLAかABS)、Adheision、Surpoortの種類、拡大縮小、印刷位置の調整など一通り細かく設定することが出来ます。

フィラメントはPALとABSという素材が良く使われているようです。加熱して溶かした素材を積み重ねて形を形成する仕組みのため、材料が冷めるとどうしても収縮してしまいますが、PLAは収縮率が少なくABSはやや高いためABSではプリント中に形成物に亀裂が生じたりして扱いが難しいです。またPLAは後加工がやや困難なことと、温度や衝撃に弱くお湯でも柔らなって変形してしまうという欠点があります。

ほかにはナイロンやPETなどいくつかの素材が選択できますが、それぞれの特徴があるため用途に応じて選択する必要があります。

お試し印刷。Makerfairのキャラでしょうか
それからオリジナルの3Dデータを生成するには3D用のCADが必要になります。フリーのソフトやプロフェショナルにも使える本格的な3D CADなどいろいろありますが、最初から複雑なものを作るというわけではないので、FreeCADというオープンソースなフリーソフトを導入してみました。


Windows, MacOS, Linux上で動作するマルチプラットフォームなソフトです。


詳しい操作法については割愛しますが、基本図形を組み合わせることによってこのような部品の3D図を作成する事が出来ます。

出力ファイルもSTL、OBJ形式などにエクスポート可能で、3Dプリンタソフトに読み込ませてGコード生成が可能です。

で、早速VNシリーズのケースを設計試作してみました。

穴の大きさや位置など当然のことながら正確です
念願の内蔵スピーカーもうまく配置できました
基板の色に合わせてみました
材料の収縮や、プリント時の剥がれによる変形など失敗しながらひとつづつコツをつかんでいます。

電子工作と同様に3Dプリンタによる造形も奥が深いです。

楽しみながら上達していきたいですね。