2014年11月25日火曜日

ワンチャンス~JD1交信チャレンジ@136kHzの顛末記~

小笠原まで約950km!
前記事のようにJD1AHC局による小笠原からの136kHzCW QRVにあわせて先週土曜日の夜に移動場所を視察し、時間があったらアンテナの設営等々チェックしてそのまま日曜日の早朝から午前中QSOにトライしようと目論んでいましたが、その週末の土曜日午後に別なところで予想もしなかった緊急事態が起きたため予定したチャレンジを一旦断念せざるを得ませんでした。

緊急事態はなんとか収まる方向になりましたが、もうすでにチャンスはあと翌日の月曜日しか残っていません。しかもその日は朝から仕事です。しかし最後のチャンスなんとかしたいと思って一念発起し、急遽始業の午前8時までに帰りが間に合うように早朝6時からのQRVにあわせて千葉県木更津市のとある海辺を目標にぶっつけ本番移動敢行しました。

午前4時半まだ真っ暗な中車でアクアラインを通過して5時10分ごろ現地に到着。休む間もなく暗闇の中設営開始しました。いつもは1時間くらいかかる設営も半分の30分で12m傘型2条アンテナシステムが立ち上がりました。

今回設営時間が短縮したポイントはアースマットを使わずにアースを海中に落とすという作戦でした。また、今までの経験から当局が作成したアースマットではアンテナ入力抵抗は50Ωあたりが限界だろうと予測しており、アースを海中に落とし入力抵抗がさらにもっと低くなることによってアンテナ放射効率が上がることを期待しました。

20x40cm程度のステンレスパンチングボード1枚をアース板として使用
後ろの低い防波堤越しにボードを海中へ
 VNA(miniVNA pro BT)で測定した結果共振点(135.6kHz)でのRは33.3Ωを示しており、今までの運用の中でもっとも最小でした。その分同調操作はクリチカルで回すか回さないかくらいの力加減で136.6kHzまで同調点を移動。ただしインピーダンス変換トランスは33Ωポイントがないので25ΩポイントにつなぎVSWRは1.2から1.4となりました。

何もいじらないでそのまま測定した結果 Rカーブが同調点で33Ω付近を指している
バリオメーターを回すか回さないで徐々に1kHz上まで同調点を移動 減速機構がほしくなる
 ようやく辺りが明るくなってき始めた6時10分ほど前より136.6kHzワッチ開始。前回移動の勝浦市と異なりプリアンプをOFFにしてもS9くらいは常時振りっぱなしの強いノイズの隙間から聞こえる弱いCWトーンを確認。感覚的にRSTは329といったところでしょうかトーンはしっかり聞こえもののなかなか符合が取れません。やっとのことでJD1AHCのIDがわかったのでトーンが途切れたところでコールを何回か送ったもののコールバックなのかがなかなかわからず、結局6時25分ごろタイムアップ。急いで撤収と相成りました。連休の早朝が幸いして帰りはいたってスムーズで40分ほどで仕事場に到着することができました。

 JD1AHC@小笠原父島からの信号(YouTubeより52sec.)
撤収中 急いだのであまり写真が撮れませんでした
QSOこそかないませんでしたが、またこちらの信号のかけらがJD1AHC局に捕らえられていたのかわかりませんが、今回JD1からの136kHzのCW信号が受信できたことはひとつの大きな収穫でした。それから海中アースの実現によって車に頼らない(重くて大きなアースマットを運ばなくて済む)移動運用スタイルの確立に一歩前進しました。次の課題としては、コイル損を少なくするためリッツ線によるHiQローディングコイルの作成といったところでしょうか。

2014年11月15日土曜日

JD1交信チャレンジ@136kHz

今年2回目のJD1AHC/JA1BVA局の小笠原136kHzバンド運用計画が発表されました。

前回2月の運用では四街道市のJA1CNM局との2way CW交信が成立しています(0900JSTごろ)。当局も雪の残る中南房総市の海辺に出かけ、小雪と強風に悪戦苦闘しながらJD1からの信号を待ち構えていましたが、残念ながらまったく受信すらできませんでした。

さて今回の運用予定表を見てみると、注目すべきは早朝(0600JST~)と夜間(~2000JST)運用が加わっていることです。

当局の現行アンテナシステムでは昼間の地表波伝播のみでは1000km近く離れたところまで到達させるのはかなり厳しいとみているので、電離層反射が期待できる時間帯でチャレンジしようと考えています。

また接地抵抗を極力下げてERPを稼ぎたいので、いままでのようなアースマットを敷くのではなく海ぽっちゃん(笑)できる場所での運用が望ましいかと思っています。

ローディングコイルもリッツ線を使ったhi-Qコイルにしてみたかったのですが、今回は間に合わないので次のステップに。

 ともあれ、いろいろと工夫しないとJD1との2way CWは成立しないようです。

一度136kHz帯を運用するメンバー有志が集まって本土での運用場所の選定やアンテナシステムの吟味を行ってJD1からの信号に備える、なんてのが出来れば交信の可能性も高まるんじゃないだろかとふと思いました。もしもその次があるのなら...

2014年11月6日木曜日

気になるプロジェクト

ここのところ仕事場の移転作業でゆっくりPCを弄っている時間がありませんでした。

とりあえず無事移転が済み、新たなところで心機一転となりました。

ところで普段はネット徘徊といってもtwitterよりもGoogle+のストリームを眺めることが多いです。

G+にはさまざまなコミュニティがありますが、アマチュア無線や自作関連のコミュニティも結構あります(FaceBookにはまったく登録していないので多いか少ないかわかりませんが)。それらコミュニティに入っているとストリーム上にいろんな情報が入ってきます。

でもって今日何気なく眺めてハタと気になったプロジェクトがこれ。


小型液晶にwaterfall表示まで搭載して、なおかつこの筐体デザイン。

ハードウエアもCortexM4のSTM32をMCUに、オッシレータには低消費電力DDS AD9834を採用するなど、やってみたいなーとおぼろげに思っていたことが洗練されたケースデザインとともにプロジェクトが進行していることに興奮しています。

しかも、GPSやVNAモジュールまでも内蔵しているという。

持ち上げすぎかもしれませんけど、なんとなく未来の無線シーンを感じさせるプロジェクトです。たぶん近いうちにキットとして頒布されると思われますが、特殊な部品は使っていないようなので(ケースはアルミの削りだし?のようですが)それほど高くはないだろうと予想しています。

FlexRadioやApache Labsなどから販売されているSDRとは性能的にとうに及ばないものの小型で扱いやすい、何しろPCが不要というところが自分的には良いです。

このプロジェクトより少し前に同じCortexM4のSTM32をつかったSTM32-SDRはすでにキットが販売されています。(実は初期バージョンを購入したまままだ組み立ててない^^;;)このキットもwaterfall表示が可能です。局発アナログ部分にEnsemble RXTXを流用するものでSi570だったかな。twitterのフォロワーさんが製作して(ケースは『痛仕様』ですhi)実働しているところを拝見しましたが、ややレイテンシが大きくてCW運用はちと厳しいとのことでした。PortableSDRでは、YouTubeの動画を見る限りレイテンシが少なそうな印象で実用になるかもしれないです。

とりあえずはPortableSDRがキット化するまでにSTM32-SDRを組まねば...