2021年9月17日金曜日

FT-857DMメインダイヤルのロータリーエンコーダ交換記

 しばらく投稿サボっていました。すみません。

今もってCOVID-19蔓延が続いていますが、とりあえず元気に過ごしています。

さて、アマチュアキットクリエイターズ AKCのまとめ役であるJQ1SRN武村OM発案のおかもちGoBox(またはGoKit)に触発され、自分もおかもちを入手して少しずつおかもちGoBoxを作成中なのですが(そのうちまとめて記事にする予定)、おかもちに内蔵するFT-857DMのメインダイヤルの動作がいつの間にかおかしくなってチューニングしにくくなっていました。

製作中のおかもちGoBox 単体でQSO可能 災害時に有用か?

通常ダイヤルをまわすと1ステップずつ周波数が上下するはずですが、ある範囲で1ステップ上下を繰り返してしまったりでもどかしいです。

 


 この手の動作不良の原因はたいていダイヤルのロータリーエンコーダなので、この際自分で交換を試みようと考えました。まず857シリーズに使用されているロータリーエンコーダを検索すると、COPAL製のRES20D50-201-1Gという型番の光学式ロータリーエンコーダが使わていることが分かりました。

FT-857DMはずいぶん以前に購入して今やディスコンの機種ですが、幸いなことにエンコーダ自体はまだ入手可能のようでした。

Amazonでも交換用のコネクタ付きのものが検索でヒットしたのですが、現在取り扱いがないようで代わりにコネクタなしのRES20D50-201-1が2000円以下で入手する事が出来ました。

でもって早速コントロール部を分解してロータリーエンコーダにアクセスします。

 

 分解は比較的容易でした。各ダイヤルのツマミを外し、裏側のネジを外して裏蓋をとりはずし基板を固定するねじを外します。あとはエンコーダーのコネクタとフラットケーブルを外して基板を写真のように前面パネルから離すとロータリーエンコーダにアクセスできます。

左が新品のエンコーダ 社名がNidecに変わっていますね

 購入したエンコーダはコネクタが付いていないので、オリジナルのエンコーダの配線を切って新しいエンコーダの配線につなげました。
エンコーダの裏蓋を外すと中の基板に配線がハンダ付けしてあったのでここで換えればよかったなーとちょっと後悔しました


制御用にH8マイコンが使われていますね

 そんなわけで各パーツを戻してコントロール部を組みなおし、早速動作確認。


 当たり前ですが、1ステップずつ変化するようになりました。快適快適(笑)

ちなみにこのロータリーエンコーダは、データシートを見ると光学式で、コンパレータICを内蔵しており確実に5Vのパルスが出力するような設計になっています。

交換した動作不良のエンコーダの動作を確認すべく5V電源に繋ぎA,B各相の出力波形をオシロスコープで観察しました。


 本当は定回転モーターがあると分かりやすいかなと思ったのですが、手持ちにはないので857DMのダイヤルをつけて手で回してみました。

その結果回転速度に依らず、ある範囲の角度でA,B相ともにパルスが抜ける箇所が見られました。パルスの抜けている範囲はA,B相で異なっており、このことがエンコーダの挙動がおかしくなった原因でしょう。

しかし光学式でこのような故障が普通に起こりうるのかは分かりません。またそもそもの原因がコンパレータICか光源LEDの不良によるものかはさらに分解してみないと何とも言えないのですが、これ以上は面倒なので追及しません。

ともあれ動作不良が解消されたのでおかもちGoBoxの作りこみを進めていこうと思います。