ラベル PA0RDT Mini-whip の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル PA0RDT Mini-whip の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年6月29日金曜日

Radioberry2製作記 その3(復活編)

完成にたどり着いたかのように見えたRadioberry2でしたが、まともに受信できずFPGAとAD9866のピンの追いハンダとブリッジチェックを繰り返しました。しかし一向に改善の兆しもないまま虚しく時間が過ぎていきました。

あれこれ悩んでLeoさんにもう一セットキットを送ってもらおうかとメールを送ったところ、重要なヒントをいただきました。

FPGAのhermes-emulatorの受信時の実行時間が1秒前後かどうかまずチェックを、ということで実行時間が表示されるバージョンのhermes-emulatorに差し替えて実行してみると、実行時間が2倍の2秒前後とでました。

改めてLeoさんの報告するとAD9866の不良ではないかという事でした。前例がありまず間違いないだろうということで、再びAD9866を外して新しいAD9866に交換することにしました。

AD9866はあらかじめ別の試作用に取り寄せていたものがあったので、そのうちの一つに交換しました。

AD9866の周りをふたたびカプトンテープで覆います
サーマルパッドにハンダを流したので外しにくく、周りのパーツが少しずれてしまいました
ネットで取り寄せておいたAD9866 このうちの1つを使いました
慎重にピンとランドを合わせて手ハンダで装着 もうこれ以上は基板がやばそうです
というわけで何とか新しいAD9866に換装完了しました。基板が落ち着いたところで、システムを起動させhermes-emulatorで実行時間を確認すると、


1秒前後になり正常動作しているようです。早速アンテナをつなぎPIHPSDRを起動させました。
 

NHK第1(594kHz)が受信できました。やっと正常に受信できるようになりました。

各バンドの受信の様子を動画をアップしてみます。

594kHz NHK第1

7MHz帯 アマチュアバンド

40kHz JJY

LF帯でも相応のアンテナ(PA0RDT mini-whip)を接続すれば良好に受信できます。ただし中波放送帯の強力な信号による飽和を回避するため以前製作した中波放送帯BEF(band elimination filter)を挿入します。

というわけでRadioberry2の受信動作が確認できました。送信部分はまた追々テストしていこうと思います。

2016年11月29日火曜日

中波放送帯帯域阻止フィルタの試作

KiwiSDRはdirect sampling SDRという性格上、ADCが飽和しないように気をつけないといけません。いきなりPA0RDT mini-whipアンテナを接続すると、中波放送帯の強力な放送波で簡単に飽和してバンド中相互変調の嵐になり、必要とする肝心な信号が埋もれてしまいます。

手っ取り早く20dB程度のアッテネータをmini-whipとSDRの間に挿入することで回避することは出来ますが、すべての信号を減衰してしまうので弱い信号などはノイズレベル以下になってしまいます。

アッテネータなしで0-30MHzスキャン もう何がなんだか(汗
そこで、中波放送帯だけを減衰するための帯域阻止フィルタ(BEF;Band Elimination Filter)を設計・試作してみました。

設計と言っても、フィルタ設計用のソフトFilter Designをつかって必要な条件を入力して各パラメータを計算しました。中波放送帯の下限は531kHzであり475kHz帯に非常に近いことから急峻な特性が必要なため、7次チェビシェフタイプの帯域阻止フィルタとしました。


実に7個のコイルが必要で、T50-2コア7つコイル巻きしました。FCZ基板を小さく切り出して実装しました。コンデンサは何も考えずにマイラコンデンサにしましたが、フィルムコンデンサなどが良いかもしれません。

まずはおじさん工房APB-3ネットワークアナライザで特性をチェックします。


475kHz付近で約3dB弱のロスになっていますが、阻止領域は設計条件に近い結果となりました。(NHKラジオ第1(594kHz)は30dB程度ですがまぁ十分でしょう)

でもって、今度はKiwiSDRとmini-whipの間にいれて同じWFゲインでスキャンしてみました。

中波放送帯だけすっぽり抜けた感じになりました
 594kHzのNHK第1がやや強いですが、測定どおりに30dB以上、またあれだけ強かった810kHzのAFNもやっとS8,9程度に減衰しています。

 ただし、どうもフィルタ前で相互変調波が通過しているようでLF帯では中波放送局同士の差の周波数にならって変調波が聞こえてきます。mini-whipの内部の問題、もしくはフィルタの入り口付近で相互変調波が生成されているのか、原因はまだ今のところはっきりしませんが、ためしにフィルタの前に3dBパッドを挿入すると相互変調波はかなり抑えられた(極わずかに聞こえるか聞こえないかという程度)ので当座はこれで良しということにしました。

LF,VLF帯では20dBアッテネータ装着時よりも体感的にS/Nが上がり、信号強度自体も上がっています。

あとはシールドケースにいれて仕上げて行こうと思います。

2016年11月14日月曜日

WebSDRサーバ KiwiSDRを試す

つい先月25日より香港Seeed Studioから頒布開始されたKiwiSDRボードを購入して試運転させてみました。

頒布形式は、KiwiSDRボード本体とサーバソフトウエア入りのマイクロSDカードのバージョン、BeagleBoneGreen本体とGPSアンテナ、アクリル製のガワが付属したバージョンがあり、前者を選択して後日秋月でBeagleBoneGreenと5V2AのACアダプタを、千石でアルミケース(リード製P-104)、aitendoでGPSアンテナを調達しました。

ボードの幅がケースの間口ぎりぎり1ミリほど大きかったのですが、頻繁に出し入れするわけではないので加工せずにそのまま中に入れてスペーサで数ミリ浮かせてケース内に収めました。

このあと加工したアクリル板を蓋にして中が見えるようにしました

アンテナをMini-Whipに繋げ、GPSアンテナも接続、イーサネット端子をルーターに繋げて
ACアダプタを接続しKiwiSDRサーバを立ち上げます。(事前にソフトウエアはBeagleBoneGreenのフラッシュメモリへ転送)

ローカルネットワークに繋げているPC(Windows)でブラウザ(Firefoxが基本。IEではうまく動作しないようです)を立ち上げてKiwiSDRサーバへアクセスするとSDR画面が転送されます。

最初バンド内で中波放送の混信が著しくしばらく悩んでいましたが、どうやら過大入力によるADC飽和と考え20dBのアッテネータを挿入することで混信は解消しました。Mini-whipアンテナを接続する場合は適切なアッテネータかもしくは中波放送帯の帯域阻止フィルタが必要でしょう。

少しいろんなバンドをブラウズしてみました。

VLF帯のAlpha Navigation(11kHz~)
中波放送帯 9kHzステップでキャリアのラインが並んでいます
7MHz アマチュアバンド
KiwiSDRサーバにはextensionsとしてWSPRデコーダが入っています。試験中のネットワークはインターネットに繋がっていないので内部時計がシンクロしておらずそのままWSPR信号を受信できないため、音声出力をVirtual CableでピックアップしてWSPR-Xソフトウエアへ繋げて受信してみると136kHz帯でJA1NQIのWSPR2信号をデコードできました。

意外とSNR高かったです
extensionsの中にあるWSPRデコーダも試しました。TX-136をダミーロードに繋げて内部時計に同期させてWSPR2を送信してみたらちゃんとデコード出来たので一安心です。

本家WSPR-Xよりも手軽 136kHz帯と475kHz帯同時受信可能かも
他にもJT65,PSKなども追加する予定(あくまでも予定ですが^^;)なのだそうで、期待しています。

前投稿でも書きましたが、このシステムはOpenSourceでDocument類も充実しています。 FPGAはまだまだ手のつけようがありませんが、少しずつ中身を勉強していきたいところです。

2015年12月8日火曜日

475.5kHz WSPR2 DX初受信

現在の475.5kHz帯を自宅で受信する設備は、地上高9mのPA0RDT mini-whip アンテナにIC-7200MかNRD-535の直接受信です。先日JA1PKG局のWSPR2信号のSNRをすでにDX受信されている局と比較すると数dB低い値であったので、何かシステムの改善が必要と考えていました。

もともとアンテナ線を引き込む前に手すりアースを施していましたが、グラウンドループによる人工ノイズ低減目的に、ガルバニック・アイソレーショントランスの挿入を試してみました。

そのトランスですが、受信する周波数帯域から#77材のフェライトトロイダルコアを選択し、このコアに細めのUEW(0.32mm径)を1次2次20回ずつ巻いて自作してみました。

やっつけ感バリバリな(笑)ガルバニック・アイソレーショントランス
インダクタンスはおよそ750μH、475kHzでの挿入損失はおよそ0.5dBでした。受信した感じではVLF領域で多少良いかなという印象で、HF帯まで上がると逆にノイジーになるというなんだかいまひとつでしたが、とりあえずアンテナと受信機の間に挿入してみました。

その後このトランスの効果なのかどうか定かではありませんが、先日1回だけDX局(ハワイのWH2XCR局)を捕捉出来ました。


WSPRnetでも


もうすでにJA数局にSPOTされているのでいまさらですが、当日コンディションが良かったとはいえ住宅街の中比較的簡易なシステムで受信できた意義は大きいのではなかろうかと自画自賛(笑)

今後の改善点としては、アンテナの高さをもう少し上げてみることと、それに伴いLPFを挿入して強力な中波放送からの抑圧を少しでも低減させる、といったところでしょうか。

2015年11月23日月曜日

475.5kHz帯WSPR2受信状況

 秋も深まってきて475.5lHz帯でもWSPR2でDX受信がSPOTされるようになりました。

当局も自宅でWSPR受信を行うべく、受信システムを仮構築しました。

受信機は現在IC-7200M、アンテナはPA0RDT mini-whipアンテナを地上高およそ9mに設置しました。

音声入力はIC-7200MのUSB経由でPCに入力してWSPR-Xソフトウエアでデコードするというシステムです。

数日間連続稼動させましたが、DXはまだ受信できていません。

本日JA1PKG局のWSPR2信号をはじめて捕捉したので、他局のSPOTと比較してみました。

DX受信されたJA1NQI局とJH3XCU/1局と比較すると、JA1NQI局とは約6dB、JH3XCU/1局とでは約3dB差があり、距離を差し引いても両局から数~10dBほどの差があると思われます。

さらに、同時刻100Hz上で受信スプリアスと思われるSPOTが見られます。

DX受信時のSNRはいずれも-25dB以下のため現状の設備ではDX受信はちょっと難しいのかもしれません。

また受信スプリアスについては自局のSG信号を観察すると基準波の100Hz前後で見られており、電源系の問題と考えます。

改善点すべきとしては、アンテナの位置や高さ、電源系のアースの取り方を再検討することでしょうか。

2015年4月30日木曜日

4月の雑記

ここのところ気候も落ち着いてきて暖かくなってきたので、136kHz移動運用を考えています。新ローディングコイルとどこでも2本の傘エレメントが張れるように重石つきのアンカーを新たに用意。アースは相変わらずのアースマットですが、昨年海辺で運用したときに使用した海ポチャ用のパンチングメタルボードも装備していろいろな運用場所に対応できるように少しずつ工夫を重ねています。

今後はエレメント垂直部をポールとやや離れた距離で、ある程度の風にも安定して張れるようなエレメントの張り方の工夫、アースマットの片面絶縁化(壁紙シートのようなものを片面に貼るなど)、ヒンジをつかって何枚かのアースマットをまとめる、エレメントを伸ばしたり収納しやすくするなど徐々に改良する予定です。

また、専用の受信機を何とかしたいと考えています。現在車にあるFT-857で受信していますがいちいち外したりするのも時間がかかってしまうので、小型のLF帯受信機がないものかと探していますが市販のものが見つからないので、自作SDRフロントエンドにPCの組み合わせにしようかと思っています。

とりあえず、来月中旬開催のJARLかながわ主催第3回かながわアマチュア無線フィールドミーティングin 宮ヶ瀬での136kHz運用実演にあわせて移動します。場所はまだ未定ですが^^;

閑話休題。

475.5kHz帯の免許は現在申請中です。軽微な変更によるものではなく改造TX-500の50Wで臨局検査を受けるつもりです。電子申請で提出しましたが3週間近く音沙汰なしのため、直接関東総通に問い合わせをしてみました。200mルールは問題なく、TX-500についても担当の方はご存知のようで(すでに7L1RLL局が35Wで検査を受け免許がおりています)、こちらに関しても書類上は特に問題なしでした。ただ空中線について、申請には12m垂直型でコイル抵抗15Ω、接地抵抗20Ωで計算上の放射抵抗が140mΩ、送信機50W出力でEIRP0.6Wと1W以下であることを示したファイルを添付しましたが、この場合書類は通るけれど検査当日EIRPを独自に測定して証明することが求められるそうです。

アンテナアナライザなどで実測したコイル抵抗とアンテナ入力抵抗から割り出した接地抵抗をもって検査当日EIRPを計算することも考えましたが、それで検査官が納得するかどうかはわかりません。また一応担当の方にも尋ねてみましたが明確には答えられないとのことで、ここはまず免許をおろすことを第一に考え今回は総務省のアンテナの条件に合う形にしました。というわけで50WでEIRPが1W以下になる条件のアンテナ高7mに修正することにしました。

ちなみに、EIRP1W以下となるアンテナの条件について示されている資料がこれです。

装荷コイルによる高周波抵抗が考慮されておらず、なおかつ接地抵抗が10Ωという少々現実離れした条件下での計算がなされています。これをより現実に近い形にして接地抵抗20Ω、コイル抵抗30Ωのロス抵抗50Ωとして計算すると50W入力でもEIRPは150mW以下になります。

さらに閑話休題。

去る29日に移動運用の告知が136kHz掲示板にあったので、外出前にmini-whipアンテナにIC-7200M、NRD-535をつなぎ各々136kHz帯、475.5kHz帯に合わせ、ひとつのPCに音声を入力(IC-7200MはUSBで直接つなぐとサウンドドライバがインストールされ、NRD-535はRECORD出力をUSBサウンドアダプタのライン入力に接続することで別々に入力)してWSPR-Xを二重立ち上げして2バンドWSPRグラバーを立ちあげてみました。両バンドとも何局かデコードされていましたが、136kHzの分しかWSPRnetに反映されませんでした。どうもreporterをどちらも"JL1VNQ"と同じにしていたのが原因だったのでしょうか、帰宅して475.5kHzのほうのreporterを"JL1VNQ/4"に変えてTX-500で送信したところWSPRnetに反映されていました。立ち上げの際に、saveフォルダの指定とreporterを変えないとうまくいかないようでした。以後の備忘録として。

一番下はノイズでしょう
最後に妄想(笑)

mini-whipアンテナの動作は増幅器によるアクティブなインピーダンス変換(Hi-Z → Lo-Z)と考えていますが、送信に応用できないかなと思っていたらすでに実験された方がいらっしゃいました^^;こちらの4/12の記事ですが、インピーダンス変換トランスの二次側200Ωをローディングコイルなしで直接エレメントに接続して1Wで送信したそうです。

目から鱗というか非常に興味深い実験ですね。

10m高垂直型エレメントの475kHzにおけるインピーダンスは約5kΩですので、インピーダンス比100:1、巻き数にして10:1の変換トランスを使えば...なんて。

2015年4月17日金曜日

475.5kHz帯仮設グラバー

昨日、7L1RLL局による475.5kHz帯運用アナウンスがあったので、朝WSPRグラバーを稼動させて仕事に出かけました。

構成は、ベランダの手すりに仮設したPA0RDT mini-whip アンテナにJRCのNRD-535受信機、USB接続のオーディオアダプタ、Windows7のNUC上のWSPR-Xでした。

帰宅して結果を見ると7L1RLL局とJH1GVY局のWSPR2信号がデコードされ、WSPRnetにもアップロードされていました。


JH1GVY局は送信ごとに出力を変化させており、受信SNRは出力表示に比例して変化しています。当たり前といえば当たり前ですが、なかなか興味深いです。7L1RLL局は、GVY局よりも近距離ですがSNRは平均-2~3dBとやや低めでした。出力は掲示板によると17Wから21Wとのことでした。

今後も運用計画にあわせて稼動させようと思います。

2015年2月9日月曜日

475.5kHz帯のNDB信号

仮設置した475.5kHzグラバーを監視していると、夕方から夜間にかけて474kHzである符号が見えてきます。


アッテネータ入りでも音声で符号が取れるほどの強さで、"HI"とその影でやや弱めの"JR"の繰り返しが映っています。

いずれもNDBの信号で、"HI"はロシアのハバロフスク(469kHz)、"JR"は中国の良郷(475kHz)のものと思われます。信号は1kHzトーンのA2A形式で、"JR"は下側のサイドバンドを見ていますが、"HI"は上側サイドバンドのイメージ混信でしょう(472 + (472 - (469 + 1))。距離はおのおの約1500km、2000kmほどになります。

昼間は受信できていないのでD層反射によるものでしょうか。良郷のNDBは475kHzともろにバンド内にありますが、ハバロフスクのNDBとあわせてバンドの電波伝搬状況の参考になりそうです。

それにしてもアッテネータを入れてもこの強さ。

2015年2月8日日曜日

475.5kHz帯試験電波受信と仮グラバー立ち上げ

昨日475.5kHz帯の変更許可を受けた局が試験電波を出すということで、PA0RDT mini-whipにFT-850直接受信という設備で音声とArgoでワッチしておりました。
CWはうまく聞こえませんでしたが、472.5kHzで断続するキャリアを受信しQRSSかDFCW信号と考えArgoで追ってみました。

DFCW30信号 IDの後半が映っています
受信ダイアル周波数を472.00kHzにセットしUSBモードにしたつもりでしたが、CWモードになっていたため700Hzほど表示が上にずれています。差し引くとほぼ472.5kHzのシフト幅1HzのDFCW30信号が記録されました。7L1RLL局のIDです。

今回は関東での中波放送で954kHzと1422kHzが各々2倍高調波、3倍高調波によるビート障害を生ずる可能性を考え、辛うじて両方回避できそうな472.0kHzから472.5kHzを選ばれたのだろうと思われました。

 それにしても475.5kHz帯は意外ににバンドが広い(9kHzもある)ので、通常の受信機ではUSBモードでも帯域フィルタの幅が2.4kHzに制限されかつArgoもウインドウ幅が最大5kHzなので136kHz帯(バンド幅2.1kHz)と違ってバンド全体を同時にワッチすることが難しいです。ここは専用のSDRが欲しいところです。Spectrum labならIQ入力対応なので、IQ出力なコンバーターを自作しようかな...

とりあえず今週も11日が祭日だし試験運用もあるらしいので、今週いっぱいくらいを目処に仮グラバーを構築してみました。

受信はNRD535無印 472.000kHz固定 USBモード バンド幅wide AGCオフ
安く手に入れたCorei3のIntel製小型NUCにArgo, Apectrum labをインストール
ArgoはCWモード Spectrum labはQRSS/DFCWモードでそれぞれ定時capture
 TX-500にダミーロードをつなげて3WでDFCW10送信しちゃんと映るか確認しました。アクティブアンテナを使用していますが、強力な中波放送の信号により受信機のフロントエンドが飽和していたので内蔵のアッテネータを効かせています。送信機とアンテナの間に外付けLPFを製作予定ですが、受信用にももう一台製作必要そうです。

2015年1月2日金曜日

明けました!

年が変わりました。明けましておめでとうございます。

昨年末最後の投稿に続き今年の目標というか予定のようなものを。

1.136kHz用の新型ローディングコイル作成
 主コイルとバリオメーター用の副コイルの線材にリッツ線を採用してコイルの高周波抵抗を出来るだけ低減した可変ローディングコイルを作成して無負荷Q600以上を目標にする。先に完成した475.5kHz用のバリオメータで採用した方法で減速機構と端子を除いた金属フリーも実現する。絶縁インピーダンス変換トランスと高周波電流計が内蔵できるようなスペースも確保したい。

2.JUMA TX-136/500の本体ファームウエア 独自改造
 1Hzステップチューニングと表示がわりと簡単に実現できたので、引き続きQRSS/DFCWモードの追加、ビーコンメッセージの本体単体での入力登録を可能にする。そして先にプログラムしたWSPRシンボルエンコードソフトを組み込みWSPRの単体送信の実現とGPSの内蔵、GPS同期による送出タイミング制御、GLの自動計算を。もちろんいままでのRS232Cでつないだ外部コントローラも使えるようにする。

 1.2.についてはできれば関西ハムシンポジウムにあわせた移動運用の日程までに実現を。

3.PICを使った機器の自作
 昨年はキーヤーを作ってキットを頒布したが、DDSVFOやQRPトランシーバーをまとめてできればキット化もしてみたい。

4.移動運用
 主に136kHzが運用できそうな場所を探していろいろなところで移動運用したい。昨年の千葉コンでは実験的に160m用のローディングコイルを136kHzのそれと交換してQRVしたところ使えそうなので、7MHzから136kHzまでマルチバンドのサービスをしたい。

5.475.5kHz帯免許
 半径200mルールという厳しい条件を満たす運用場所を選定して免許をおろしたい。TX-500の本体改造は済ませているが(バンド外送信禁止処理と出力制限)追加LPFの製作は必要と思われる。

6.CWオペレートの向上
 特に受信。iPhoneのCWヒアリング練習ソフトで随時練習中であるが、符号にもよるがコールを一発で取るのがまだまだ怪しい。和文の練習もしたい。

7.そのほか
 PA0RDT mini-whipの応用で、JA1DI局が過去MJ誌で発表されたJFET1石を使ったノイズキャンセラーを組み合わせLF帯での受信ノイズ対策が出来ないものか、mini-whip自身もアイソレーショントランスをうまく使ってノイズ低減したり、2台のmini-whipを地上高に差をつけて設置してノイズキャンセラーを使ってノイズ低減が出来ないか...などなどいろいろ思い描いているところを実験に移す。
 あと、いままでブログでは扱わなかったけれどSRAの検証を。小型アンテナとして注目して各バンドを自作したが、実際に使っているのは1.9MHzバンド用でそれ以上の短波帯にはセンターローディングモービルホイップというのが現状で、性能と設置のしやすさのバランスからそのような使い分けになっている。以前自作CMCをアンテナ本体直下に近い位置に挿入したところアンテナとしての役割をなさなくなってしまったが、アンテナアナライザのインピーダンス、リアクタンス曲線を見ると共振点での振れ幅が非常に小さくなっていたので同相電流カット以外にもCMC挿入自体の本体への影響が大きいかもしれないと考えていた。なのでCMC挿入ポイントをある程度いくつか設定してデータを取ることと、シリンダがワンターンコイルとみなすのであれば、シリンダを縦にひと筋切断したらどうかとかシリンダに底板をつけたらどうなるのかなどやってみたい。

そんな感じで行ってみましょうか。

2014年7月26日土曜日

Mini-Whip復活とRaspberry Piグラバーテスト

 5月くらいから突然激しい連続ノイズが中波帯から長波帯にかけて受信されるようになり、さらにいつの間にかMini-Whipの感度が極端に低下してしまったためしばらくやる気を失っておりました。ノイズは近隣からのようで、PLCか何かかと思えばそうでもないらしくラジオを片手にノイズ源を探していましたが特定には至りませんでした。しかしそうこうしているうちに7月に入りパタッと激しいノイズが途絶えました。

 何かACアダプタなどの機器からのノイズだったのでしょうか?

 さぁこれでまたMini-Whipを使って...と思いきや低下した感度はそのままでした。

 当初非常に強力だったJA1RWI局のDFCW信号はノイズレベルすれすれ(SNRの比較では40dB以上の低下)、同調回路をはずして40kHzのJJYを受信しても、S7~9くらい振れていたはずなのにほとんどカスカス状態。60kHzのJJYや11kHz付近のAlphaはまったく聞こえずというあり様。そんなわけで関ハムの準備もあってしばらく放置していました。

 先週の関ハムも無事終わったところでハムフェアまでにはちゃんと直そうと今回一念発起してみました。

 まず、2SK125と2SC1815を新たに取替えてみましたがまったく変化なし。ただ、電源を入れると増幅はしている様子。快調だったときと違うのは、部屋の中でTX136にダミーロードを接続して送信したときになぜか受信レベルが高いことでした。

 最初にここで気がつくべきでした。

 原因はPFU(電源供給ユニット)にありました。

PFUの中身
コンデンサとインダクタで信号と電源を分離している
 PFUの中で、アンテナに電源を重畳するために取り付けた2mHのマイクロインダクタが犯人でした。

 インダクタを取り出して早速検証してみると...
テスターでは導通あり
LCメーターではインダクタンスがほとんどゼロ!
 つまり、ショートモードで故障していたわけです。

 何回か電源を入れたままMini-Whipをつけはずしていたこともあったので、そういうときに一瞬ショートしてインダクタに過電流が流れ、内部のコイル線の絶縁が破壊されてショートしてしまったのかもしれません。そのため、DC電源ラインもアンテナになってしまい室内送信の信号レベルが強くなったのでしょう。後日問題のインダクタの外皮を剥がしてルーペで確認してみようと思います。

 でもって不良のインダクタを交換したところ、バッチリ直りました。

 両周波数のJJYもAlphaもよく聞こえるようになりました。もちろん136kHzの信号もです。Mini-Whipはもう一台分の基板も起こしているので、これに前段にはLPFを、出力側に中波放送帯のトラップもしくはLPFを装着してVLF/LF対応にしようと考えています。

 あとグラバーを構築するためのPCですが、流行の?小型マシンRaspberry Piを試してみました。Windows OSは走らないのでLinux(Raspbian)をインストールして、Linuxに対応するArgoのようなソフトを探したところLOPORAというPython上で動くQRSSビューワを見つけました。

 Raspberry Piでは音声入力端子がないため、700円くらいで購入したUSBサウンドアダプタを装着しました。

アキバで購入した安価なUSBサウンドアダプタ
中はほとんどがC-Mediaのチップみたいです
Raspberry Piと接続
 設定がいろいろと面倒でソフト自体もLF帯を想定しているわけではなさそうで試行錯誤していましたが先日やっとこさ受信できるようになりました。
(詳細は後日改めて報告を)

LOPORAで受信中 上がJA1QUM局 下がJA1RWI局

 Windowsマシンのような軽快さはなく、常にCPU利用率が100%ということで常用が果たして可能かどうかは疑問が残りますが24時間グラバー実現に一歩近づいた感じです。

あとは、受信機製作といったところでしょうか。

2014年5月10日土曜日

Mini-Whip改造計画その2(実装編)

実験がほどなくうまくいったところで、早速実装に取り掛かりました。

同調回路は別のユニバーサル基板に組みICソケットを利用してプラグインで追加する形にしました。同調回路モジュールを外してプローブとFET入力部を直結して非同調型に戻したり他の同調回路モジュールに交換したりなど手軽に試せるようにしました。

アクティブ・アンテナコンテストで頂いたシールドコイル2つで複同調モジュールに
ICソケットを使って簡単に取り外しが出来るようにしてみました
Mini-whipに取り付ける前に同調回路単体での特性を調べました。

1MHz幅でスイープ 500kHz以降は40dB以上減衰
136kHz帯全域をカバーさせるようにコイルのコアを調整
回路図的にも複同調というよりBPF的でしょうか。

単独の特性が取れたところでアンテナを屋外に出し-20dBのアッテネーターを介してAPB-3の入力に接続し、同調回路有り無しで比較してみました。

こちら非同調版 中波放送帯のレベルは相変わらず高いです
同調版 中波放送帯は約-40dB以上は抑えられています




周辺のノイズレベルがもともと高いからなのでしょうか、全体のノイズレベルはあまり変わっていないように見えますが中波放送帯の信号レベルは良く抑えられています。

受信機のSメーター上でも非同調型では軒並みプラス50から60dBと強力に入感する放送局も辛うじてS9に届く程度に下がっていました。

同調範囲の136kHz帯ではノイズレベルが下がっており(S6からほとんど振れない程度に低下)、初めて自宅でJP1ODJのCWビーコンを受信することができました。

Sは振れませんがノイズが少ないのでしっかり聞こえています

フロントの同調回路付加でこれだけ結果が違うと、さらに受信機手前にLPFを付加する意味がどれだけあるのかどうかはなんともいえませんが、いずれ実験しようと思います。


2014年5月8日木曜日

Mini-Whip改造計画その1(実験編)

 先月のアクティブ・アンテナコンテストのときに頂いた5mHの小型シールドコイルを使って、PA0RDT Mini-Whipのフロントに挿入する予定の同調回路の実験を行いました。

7mm角の小さなコイル コアをまわすと2mHから8mHと大きく変化する
 アンテナコンテストの談義ではみなさん単同調回路だと温度による同調ズレがあって再調整が必要などいささか苦労されているようで(JR1OAO局はバリキャップで遠隔同調操作を可能にしていました。すごい)、それならば複同調にして帯域をやや広げたBPFもどきにしてみようとコイル2つ使用した複同調回路としました。
IN側と段間はハイ・インピーダンスに応じて結合容量を低くしています
 コイルはコアの位置により大幅にインダクタンスが変化しますが、コアの関与が大きいと温度変化には不利なのでなるべくコアが浅い状態で共振するように330pFと大き目のキャパシタを抱かせました。段間は結合度の調整が容易になるようにC結合にしてコイルの2次側はフリーにしています。

おなじみブレッドボードでの実験 定数換えが容易で便利
ABP-3で測定中(1MΩ)
 おなじみおじさん工房APB-3のネットワークアナライザで測定しました。入力インピーダンスが1MΩと50Ωで切り替えられるのもAPB-3の良いところです。最初にAPB-3のイン・アウト直結でリファレンスを取ったのちに同調回路の定数を変えながらスイープを繰り返し、よさそうなところでスナップショットを撮りました 。

120~160kHzまでスイープ 136kHz帯がまるまる収まるように調整
1MHzまで伸ばしてみる 500kHz以降は40dB以上減衰
 バラックで組んだテストなのでシールドなどきっちり組み込めばもう少し帯域外の減衰が見込まれますが、なかなかいい感触です。中波放送帯も-50dBmくらいまで抑え込めれば受信機前は簡単なLPFで十分かもしれません。

 次は製作したMini-whipにプラグインモジュールのような感じで実装しようと考えています。同調型、非同調型が簡単に切り替えられるようにして、モジュールもいくつか別な形のものを作って試せるようにすると面白そうです。

2014年5月6日火曜日

アクティブ・アンテナコンテスト総括について

先日行われたアクティブ・アンテナコンテストの全測定結果と総括が公開されました。

こちらから当該リンクをたどってみてください。

過去記事に書いたJA1QUM局製作のツインプローブ型については当時シングルのものと比べて信号強度が上がってノイズフロアが若干下がったという印象でしたが実際の結果は中波帯で利得が上がっておりました。これは合成トランスの周波数特性の影響が大きいような気がします。トランスレスでどうなのか、またトランスで使われるコアの性状や巻き数などを変えるとどうなるのかさらなる追試が望まれます。

またJH1ARY局製作の同調形ロッドアンテナプローブホイップでは、136kHz近辺の盛り上がりが見られますが、解説のようにスプリアスと思われる柱が全体的にたくさん観察されました。プローブがある程度大きいとフロントに同調回路を付加しても利得が大きすぎて中波放送の強力な信号で飽和してしまったのでしょうか。ロッドアンテナを短くたたんだ状態での測定ができたらもう少し詳しく確かめられたかもしれません。

こちらの記事には後半にアクティブアンテナのプローブの大きさに関する検討結果が載せられています。プローブサイズを基準より小さくすると利得は下がるもののS/Nは変わらないようです。

そんなわけで136kHz帯のグラバーアンテナについて素のPA0RDT Mini-whipを改造するには、フロントの同調回路(できれば複同調回路)と後段のLPF挿入のほかにもうひとつポイントが浮かんできました。それは プローブの示適サイズを探るということで、具体的には現在35mm x 55mmからどれだけ小さくするかということです。

 測定は例のAPB-3を活用しようと思います。アッテネーターかませないとね^^;

というわけで、急遽APB-3用に-20dBアッテネーター作りました。

秋月の10dBアッテネーター抵抗セット2セット分
APB-3につなげてチェック
 HF帯以下で使用するのでバラックで良しとしました。適当なユニバーサル基板にチップ抵抗をハンダ付けし、入出力用の基板用SMAコネクタを基板に挟みこむように置いてそのまま端子を基板のパターンにハンダ付けして固定しました。性能チェックするためAPB-3の入出力間に出来上がったアッテネーターを挿入しネットワークアナライザモードで測定しました。全域でリファレンスより-20dB減衰しているのを確認しました。早速Mini-whipにアッテネーターを介してAPB-3につなぎ、先日のアクティブ・アンテナコンテストと同じ条件で(2MHz span, RBW3kHz)測定してみました。

45MHzまではリファレンス-20dB
2MHzまでスキャン BC帯に柱がビッシリ
 ノイズレベルは見た目平均で-80dBmと、先日の結果とほぼ同じでAFN(810kHz)は約-12dBmと一番強力でした。

おまけ 200kHz spanでVLFからLF帯スキャン
22.4kHzのえびの送信所、40, 50kHzのJJY
68.5kHzのBPC, 100kHzのロランが観察されます

これでひとまずアンテナ改造結果の評価の土台が出来上がりました。今度はアンテナ改造へ着手始めようかなと思います。

2014年4月21日月曜日

アクティブ・アンテナコンテスト2014

20日の日曜日に都内葛飾区(JCC100122)の水元公園という江戸川、中川、大場川に囲まれた小合溜(こあいだめ)に沿って造られた公園内の集会場で、全日本長中波倶楽部主催のアクティブ・アンテナコンテストというイベントが行われ、先日急造したPA0RDT Mini-Whipもどきを持参して参加してみました。

常磐線金町駅

朝9時前に金町駅に着きましたが、朝食を摂らずに出てきたので駅前の立ち食い蕎麦屋さんで蕎麦をかき込んでから徒歩で水元公園に向かいました。約20分ほどで公園に到着。雨は降っていませんでしたが、この時期なのになぜか寒くて薄手の上着では体が動いていないと震えてしまうほどでした。

 水元公園
水元公園は初めて訪れましたが、小合溜は川のような流れもほとんどなく穏やかで高い木もなく気持ちのよいところです。家族連れなど寒い中結構にぎわっておりました。

甘酒が沁みる(笑)
それにしても寒すぎるので、集会場近くの売店で暖かい手作りの甘酒を一杯いただきました♪こんな時期に甘酒飲むとは思いませんでしたが温かくて美味しかったですよ。

集会場に入り10時定刻イベント開始。総勢20名ほどでしょうか会場内ほぼいっぱいの状態で各参加者の自己紹介から集合写真撮影を経て、次は各アクティブアンテナのプレゼンテーションという流れに。自分のはPA0RDTほぼそのまんまで素子を2SK125と2SC1815GRに換えただけのものなので詳細は置いといて(汗)、ほかの皆さんは大変工夫を凝らしておりました。同調型はプローブ直下にインダクタもしくは455kHz IFTにキャパシタを抱かせたものを付加させたり、フェライトバーコイルを使用したもの、また大きなハニカム巻き空芯コイルにパディングコンデンサをつなげMini-Whipの外側を覆うように被せたものなどなど。同調型ではなくLPFを各段に設けたもの(プローブ直下もきちんとインピーダンスを合わせて設計されたようです)、面白いのはプローブと初段のFET回路部分をツインにしてソースフォロワからフェライトコアトランスで信号合成して2段目のバッファアンプに流すもの、あるいはインピーダンス変換としてオペアンプを使ったもの、また小型多巻きループをトランスでインピーダンス変換するものなどで、非常にユニークなものばかりでした。


どこかで見たことがあるような人がちらほら…
ひととおりプレゼンテーションが終わり、集会場外の水辺の低い柵に2mほどのポールをくくりつけて各アンテナを設置して測定に入りました。

測定風景
PFU(電源供給ユニット)のあとに分配器を介してスペアナ
(アンリツ製MS8911B)とWSPR受信システムへ

 そそりたつアクティブアンテナ群(すべてではありません)

 測定はスペアナを使用。1MHzセンターの2MHzスパンで長波帯から中波放送帯を観察しました。各アンテナのスペアナ波形を出し、アクティブアンテナオフ状態のノイズレベルを基準に非同調型は500kHz前後のノイズレベルと放送波(今回は1422kHzラジオ日本)信号レベル値を、同調型は136kHz台のノイズレベルを測定。他にアース有無の比較やWSPRビーコン波(JG1JZL局)受信トライを行いました。

自分のMini-Whipの測定結果(MS8911B, RBW=3kHz)
 いただいた自分のMini-Whipの測定結果のハードコピーを出してみましたが、非同調なので放送波の柱が非常に高いです。1134kHz文化放送にいたっては-10dBmすら超えてきています。一方ノイズレベルは約-80dBm程度で、アンテナオフ時の-93dBmとの差13dBが利得になっているのでしょう。まだ自宅のAPB-3では測定していませんが、アッテネータを作って自分でも後日測定しようと思います。

測定結果を基に自分なりにまとめてみました。

 1.非同調型と同調型とでは、同調回路の構成如何に関わらず同調型で受けた
   中波放送信号レベルは30dB程度抑制されていた。
 2.一方136kHz付近では不変もしくは数dBほど上昇を示した。
 3.LPF型(プローブ直後、段間、出力側すべてに挿入)は500kHzあたり以
   降でほとんど放送波の柱が見えなくなるほど高い減衰レベルだった。
 4.ツインプローブ型(非同調)はノイズレベルが数dB下がり、シングルと
   比較し放送波信号レベルが3dBほど上昇した。
 5.ハニカム巻きの大型同調コイルを付加したアンテナは、出力にプリセレ
   クタ(回路詳細不明)をはさむ構成で136kHz以外はほぼ素のノイズレベ
   ル(-90dB近く)まできれいに抑制されていた。
 6.アースのあるなしでは、アース接続でノイズ、信号レベルともに上昇。
 7.GPのようなラジアル(傘の骨状)付きは信号レベルが弱くなる。
 8.小型多巻アクティブループは、他の同調型と同じようなスペアナでの測
   定結果であったが一点異なるのは136kHzでのノイズレベルが低く、また
   唯一最初の環境においてWSPR波のデコードができた(-25dB)

ループアンテナ以外ではWSPR波を受信できなかったので、場所を数十メートルほど移動し再測定しました。


 アースは設けず、非同調型(自分のMini-Whip)、LPF型、同調型、ループ型で各々受信トライしました。いずれもデコードは成功しましたが、各々のレベルは非同調型でおよそ-13~-17dB、LPF型で-12dB、同調型-10dB、小型多巻ループ型は信号源へ向けて-4dB、サイドでは-10dBという結果でした。

 測定終了し集会場に戻って結果発表と討議が行われ16時前に無事閉会となりました。

まとめから今後の方向性が少し見えてきました。136kHzグラバー用のアンテナとしてはまず同調型にして、中波放送帯のレベルをある程度下げて能動素子の飽和をなるべく抑えておこうということです。というのは自宅で使用していてもTBSの放送波が周波数954kHzの2倍1.908kHzで聞こえてしまうことより、放送波が強力すぎて信号がMini-Whip内で歪んでいると考えられたからです。さらにフロントの同調回路を複同調回路にすると実用帯域も広げることが出来そうです。あとは出力側もしくは受信機の直前にLPFを置くことです。以前製作したGenesisRadio G11のLF用LPFをとりあえず製作し使ってみようかなと考えています。(LPFの仕様特性表

結果についての感想ですが、まずツインプローブ型がちょっと地味ながらおもしろいと思いました。利得が3dB上がるのはなんとなく想像つきますが、ノイズレベルは逆に若干下がっているというところが不思議でした。プローブ同士の間隔等いろいろなパラメータを変化させるとまた違った結果になるのでしょうか。それから、ハニカム空芯コイル同調器を装着したMini-Whipは受信機手前のプリセレクタの効果も手伝ってか、136kHz帯以外はスッパリ信号がカットされていました。外に受信機(FT-817)とプリセレクタ、鉛シールドバッテリ、PFUが一体になったセットとともに持ち出したところ、桶川市のCWビーコン波を耳RST539と明瞭に受信されました。他のアンテナでは受信できず、このアンテナの優秀さを物語っておりました。もうひとつは、小型の多巻ループアンテナでした。スペアナ測定では他の同調型アンテナに比べて136kHzでのノイズレベルが低く、唯一最初の環境でWSPR信号がデコードできており、その後移動した場所でも-4dBと高く指向性も認められました。やはり、アース不要で周りの環境からの影響が少なくS/Nが良いというループアンテナの特徴が良く分かる結果だなと思いました。

CWビーコン(135.8kHz)波を受信
アースの有無については、無しで信号とノイズレベルが両方上がったという結果でしたが、テスト環境では簡単な土中への打ち込みアースから数メートルの細い電線で引き込んであり、ちゃんとしたアースとして動作していたかどうかがちょっとアヤシイと思われました。もしかすると、エレメントと同様な動作になっていたのでは?という疑問も残っています。実際アース側を手で触れたりするとS/Nが上がったりする報告もあり 、この辺は改めて検討が必要に思いました。しかし、アクティブアンテナ本体と受信機を光ケーブルで接続して電気的に遮断してもちゃんとアンテナとして動作するという文献も紹介されており、本当のところMini-Whipをはじめとしたアクティブアンテナの動作ってどうなの?っていうことでまた謎が深まった印象となりました。

今回のイベントは自分にとってとても有意義な時間でした。また機会があったら参加してみたいです。主催である全日本長中波倶楽部の 幹事の皆様ならびに参加各局の皆様有り難うございました。


イベントが終わったその足で秋葉原に向かい夕食をとりました(左)。右の写真は参加賞(?)として参加各局に配られたシールド可変コイルです。LCメーターで測定すると1次側が220μH程度で2次側がなんと5.7mHという高インダクタンス。240pFを抱かせるとちょうど136kHz近辺に共振します。2個使って複同調回路にしようかな。しかし、このコイルって一体何につかわれたのでしょうか。