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2017年3月22日水曜日

mcHFというQRPトランシーバキット

VN4002正式版の基板発注が済んだところで、以前入手したmcHFというHFオールバンド、マルチモードなQRP SDRトランシーバキットを組み立て、ソフトウエアをインストールし受信動作を確認しました。

mcHFは英国のM0NKA Chrisさんが主導するHFオールバンドのSDRトランシーバプロジェクトです。IC7300のようなダイレクトサンプリングではなく、KX2やKX3に似たシングルコンバージョン後のベースバンド信号をサンプリングしてSTM32F4プロセッサで処理するタイプのSDRトランシーバです。

詳細については、こちらのページをご覧いただきたいですが(英文) 、キットとして頒布を行っています。表面実装部品装着済みのものと、完全バラキット(但しファイナルのMOSFETとスピーカー、ケースなし)の2種類ありますが、当然完全バラキットのほうを選びました(笑)

paypalで支払いましたが送料込みで219.99GBP、日本円で3万ちょっとでした。

重量がかさむのでスピーカは同梱しないのだそうです
1,2週間ほどで到着。中を開けてみると、UI(コントロール部)、RF部の基板と各パートの表面実装部品を収めた袋とそれ以外のパーツを入れた袋が入っていました。当然のことながらマニュアルはなく各袋にパーツリストは入っているのみでした。

パーツの値ごとにひとつずつ収められた袋がたくさん入っていてつくりごたえあります
丁寧な組み立て手順を示した製作マニュアルがありませんので、袋に入っているパーツリストと基板のシルク印刷されたパーツナンバーを照らし合わせて地道に装着していきます。




難関はやはりMPUのSTM32F4とaudio codecのICでしょうか。ランドはハンダレベラー処理を施されているので、フラックス塗布作戦で装着しました。(なかなか起動しなかったので不完全装着かもしれないと思い、念のためハンダ盛り吸い取り線除去してしまいましたが(汗)

UI部にすべてのパーツを装着するまで延べ約8時間ほどかかりました。

日を改めて、RF部に進みました。


整然と並んだBPFのチップパーツとLPFのトロイダルコアが圧巻です
RF部はコイル巻きに手間がかかりますがこちらも地道な作業です。こちらは2日ほどかかりました。

一番失敗したところは基板上の30ピンヘッダ装着方向です。確認を怠りうっかり逆方向に取り付けてしまって1ピンずつ引き抜きモールドに戻して再装着しましたが、パターンが細いためランドが半田ごての熱で取れやすくなってしまいました。そういうわけでここの部分のリペアには時間がかかりました。当時は泣きながら作業していました(笑)。

なんだかんだで組み立てはかなり手ごたえがあり、すべての部品装着にはだいたい1,2週間ほどかかりましたが、ここではまだまだ終わりませんでした。MCUにはソフトウエアが全く入っていないので、自力でインストールしなくてはいけません。

また最初にすべてのパーツを装着してしまいましたが、いろいろバージョンがあったりオプションがあったりで、いくつか部品を外す必要が出てきました。その後はMCUにブートローダとファームウエアをインストールします。

備忘録として具体的に、現在の最新バージョンv0.6では

1.UI基板のR43a R43b (USB関係)、R42 R43(TCXO関連)、R47b R47c R47d(Wifi関連) の0Ωシャントをすべて取り外す。
LCD関係はそのまま(ファームウエアによっては画面が真っ白になったままになるので、DF8OEのファームウエア1.60を導入することが前提(新しい2.0は肝心のDSP関連が作動しないので不可)。)

2.必要なソフトをダウンロードする。
・ブートローダインストール用のDFU UtilityアプリケーションDFuSE 3.0.5(STMicroから WindowsOS用のDFUデバイスドライバも同梱されています)
・ブートローダ mcHF_boot_0.0.0.14のダウンロード
・mcHF firmware upgrade utility mcHFManager v0.1のダウンロード
・mcHF firmware 1.60 のダウンロード

3.ブートローダのインストール
ドキュメントに手順が示されているので詳細は割愛しますが簡単な手順としては、まずもともとROMに内蔵されているDFUモードのブートローダを起動します。P6ジャンパをショートしてUSB経由でPCに接続。BAND+を押しながらPOWERを押し、POWERはそのまま押し続けながらPC側のデバイスドライバがインストールされたことを認識したらBAND+を離します(POWERはインストール済むまで押し続ける)。
ダウンロードしたDfuseDemoを起動させてmcHF_boot_0.0.0.14.dfuファイルを選択して書き込み、完了したらPOWERを離します。これでブートローダインストール完了です。

4.ファームウエアインストール
こんどはPCとUSBで繋いだ状態でBAND-を押しながらPOWERをし押しつづけると、LEDが緑と赤で点滅開始しますのでその時点ですべてのボタンを離します。PCがドライバを検索し始めますがネットからは検出できないので、検索停止するまでしばらく待機します。検索中止したところで、PCのデバイスマネージャを開きmcHFをダブルクリックし手動でドライバをインストールします。対象のディレクトリは、mcHFManager_0.1フォルダにあるdriverフォルダを指定すると自動的にファイルを見つけてインストールしてくれます。
インストールを確認したらmcHFManager.exeを起動して、あらかじめダウンロードしたbootloader.dfu (ver1.6.0)を選択してupdateボタンを押せばファームウエアがインストールされます。

とまぁここまで来るのに1,2日要しました。

で、早速アンテナ繋いで受信を試してみます。

ここまで来るのにかなり悩みました(汗)

実際に触れてみるまではSDR特有のレイテンシが気になっていましたが、なかなかどうして思ったよりレイテンシが少なくて違和感はかなり少ないです。まだ送信部のテストは行っていませんが、実用的な雰囲気を感じます。

確か三菱のMOSFETストックしていたので、送信部に進みたいと思います。

2015年6月22日月曜日

自作PCの修理というかハードウエア刷新

自作PCが故障した原因の多くが電源ユニットの故障で、何の前触れもなく電源が入らなくなるという事象がほとんどでしたが、今回の故障には悩まされました。(結局電源が原因だったわけですが)

このケース、ファンの音が五月蝿いけれどよく冷えます
とある朝、いつものように5年位前に組み立てたAMDシステム(PhenomII 955 BlackEdition+880FXチップセット)の電源をONしたところ、PCファンなど回り始めたのにいつまで経ってもいっこうに起動画面が出ません。POWERボタン長押しでもOFFにならず、よく見るとマザーボード上のPOSTコード表示がまったく点灯していません。

これはCPU周りの電源回路が故障したのだろうと最初に思ってしまったことが遠回りの始まりでした。

マザーボードも5年ほど経過し、時々CPUやGPUのオーバークロックしたりした付けが回ったかと思い込んで最初マザーボードを交換することにしました。

AM3+用のマザーボード 古いPhenomII955BlackEditionも使えるとのことで購入
マザーを入れ替えたのですが...
前のマザーボードのには搭載されていなかったBIOSに代わるUEFIを楽しみにしていたのですが、どういうわけか同じ症状に。

電源は入ってファンもまわるものの起動しません。いわゆる5Vラインは生きていてその表示LEDは点灯していましたが、その先うんともすんとも。

ネットで調べると、どうもCPU自体が壊れてしまいそれを挿したマザーボードが故障し、新しいCPUを壊れたマザーボードに挿すと今度は新しいCPUを壊してしまうという負のスパイラルがあるらしく、新しいマザーボードを壊してしまったかもしれないということで購入先に送って検証してもらうと同時にCPUを新しくすることにしました。

数日後送ったマザーボードは問題なしということで手元まで送り返されました。そしてCPUを購入(もはやAMDのCPUは秋葉原まで出向かないと希望するモデルが買えなくなってしまいました。悲しいことに)しました。

購入モデルはFX8000シリーズの最廉価FX8320Eで、8コアの3.2GHzとPhenomII955BEのクロックと同じですが、TDPが95Wと控えめです。

でもって戻ってきたマザーボードに新しいCPUを挿してみたところ、やはり起動しません。

ここまで来ると、ようやく電源が怪しいのでは?ということで替えることにしました。

使用していた電源ユニットはコルセア製のHX850という大容量の電源でしたが、まさかこれが故障?という感じで疑いを向けるのに回り道をしてしまいました。

まぁここまできたら、故障修理というよりもハードウエア刷新と割り切って新しい電源と同時にDVDドライブをBDドライブに替え、RAMとストレージ、ケースを除いて総取替えとしました。

やっと電源が入って起動するようになりました
OSはそのまま(Win7 64bit)にしましたが、大幅にハードウエアを変更したため通常のオンライン認証が不可となり久しぶりに電話で認証しました^^;

それにしてもやはりとはいえ電源だったとは...

コルセアの電源は耐久性もそれなりにあるだろうと勝手に思いこんでいたので、原因特定に時間と余計な?お金がかかってしまいました。(ハードを全面刷新したと思えば、それもまた良しということで)

たぶん交換した元のマザーボードやCPUは生きているでしょうから使えそうならどこかで再利用としましょうか。