去る2月4日尼崎市で開催されました関西ハムシンポジウム2018に参加いたしました。
例年前日車で現地まで向かいましたが、今回は当日電車で行くことにしました。
丁度開場の9:30に到着しましたが、すでにたくさんの方が入場されていました。
人ごみをすり抜けて『リトルガンくらぶ』ブースに向かいそそくさと展示頒布物を広げ準備。
今回初めてVNシリーズ全モデルを頒布しましたが、各2セットずつ捌けました。やはり表面実装部品を全て取り付けるというキットはなかなか手が出しにくいようでしたね。完成品やVHF、SSB版のリクエストもいただきました。
また先日組立てたCentSDRの完成実働機を展示したところ皆さん大変興味お持ちのようでした。ほかにもまあべるさん作のμBitXやmcHFV0.6コンパチ機の痛いバージョンの展示、ジャンク販売などにぎやかなブースとなりました。
それからVN-4002の様々な改善やテストなどでお世話になりましたJE3QDZ 吉村さんと、JI3IVL 森さんがブースにおいでただきアイボールと相成りました。
VN-4002が乗っかっていますが、吉村さんご持参の小型アンテナチューナーです。コンパクトにきれいにまとまっています。80m~20m対応だそうでこれでアンテナ、バッテリー、イヤホン、パドルを用意して手軽に移動運用できそうです。
こちらは森さん作の小型アンテナチューナーです。迷彩柄の缶にポリバリコンと手巻きの空芯コイルで構成されていますが、注目はダイヤルです。正面から撮っていなかったので若干わかりにくいですが、味気のない皿ねじ頭がかわいい猫さん顔になっています。ダイヤル全面でなく中央にポチッと小さくさりげない感じがまた良いですね。
良いものを見せていただきましてありがとうございました。
ほかにもVNシリーズを作っていただいた方などなど、ブースにお寄りいただきお話することができました。あっという間に充実した時間を過ごさせていただきました。
午後になって終わりも近づき人も少なくなったころに北神電子サービスさんのブースにCentSDRを持って出向き、PUPさんと橋本さんにお会いしてCentSDRなどで情報交換いたしました(橋本さんには午前中にもブースにいらしていただきました)。
上がPUPさん作、下が私作のCentSDRです。目についたのはLCDの輝度の違いでした。PUPさんはバックライト用のLEDの電流制限抵抗をオリジナルより大きくしたそうですが、それでも私のLCDよりも明るくて画像もくっきりしています。同系統のLCDではありますが、私がaitendoから調達したLCDとPUPさんがeBayから調達したものとは表示具合がだいぶ違うようです。LCD自体の消費電流は測定していませんが、eBayのLCDは若干ノイジーだそうで似ているようでいろいろと違うのかもしれません。
というわけで本当にあっという間に時間が過ぎてしまいました。お会いできました皆様ありがとうございました。また夏の関ハムにも時間が合えば参加したいと思います。
で、最後にゲットしたものを披露。
PUPさんから、CentSDRのパネル(レーザー刻印された本格的なパネルです)、ノイズキャンセラー基板、橋本さんからはHDS-SDR-1生基板(RTL-SDRを組み込んだコンバーター、BPF基板)BCL-LOOP13基板を、JF1DIR広瀬さんからSTM32F103激安ボードを分けていただきました。ありがとうございました。
VNシリーズはぼちぼち捌けましたが、各バンドいくつか残っていますので頒布ご希望の方はメールをお送りくださいませ。
2018年2月5日月曜日
2018年2月2日金曜日
CentSDRにバッテリーを内蔵させる
CentCDRキットのPCBには充電回路とUSBーバッテリー電源切り替え回路のパターンがありますが、デフォルトではバイパスするように組み立てます。
しかしせっかくなのでバッテリーを内蔵させようと、まず薄型のLiPoバッテリーを購入しました。
本体後ろにセットできる程度の大きさでなるべく大容量のものを選びましたが、充電用IC MCP73831の充電電流設定抵抗が15kΩで、この時の充電電流は80mAと小さめなので2000mAhではちょっと大きかったかな^^;
PchMOSFETとTRは手持ちのDMG3415と2SC3325を使い、MCP73831はaitendoから取り寄せ回路図を参照してパーツを実装しました。
バッテリー用のコネクタはPCBの裏に取り付けます。
この状態でバッテリーをつなぐとUSB接続なしで問題なく立ち上がります。
ただし組み立て説明書によると、電源切り替え回路に問題があってバッテリーを繋げた状態でUSBに接続してからUSBを切り離すとバッテリー側のPchMOSFETスイッチがONにならず、電圧降下が生じてしまうということでした。
実際テストすると、バッテリーのみの場合LDO前との電圧差は数十ミリV程度でしたが、USBを接続してから外した時には0.4~0.5V程度の電圧降下が見られました。
USB側のPchMOSFETをダイオードに置き換えるなどの対策法も記載されていました。自分もUSBの電源ラインにダイオードを挿入して、USB側のFETを駆動させるTRのベースからダイオード前に抵抗を挿入してみました。
というわけで、裏のアクリルパネルにLiPoバッテリーを張り付けてすっきりと収まりました。
あとはスピーカーや、バーアンテナ内蔵などまた少しずつ進めていきたいと思います。
しかしせっかくなのでバッテリーを内蔵させようと、まず薄型のLiPoバッテリーを購入しました。
本体後ろにセットできる程度の大きさでなるべく大容量のものを選びましたが、充電用IC MCP73831の充電電流設定抵抗が15kΩで、この時の充電電流は80mAと小さめなので2000mAhではちょっと大きかったかな^^;
PchMOSFETとTRは手持ちのDMG3415と2SC3325を使い、MCP73831はaitendoから取り寄せ回路図を参照してパーツを実装しました。
バッテリー用のコネクタはPCBの裏に取り付けます。
この状態でバッテリーをつなぐとUSB接続なしで問題なく立ち上がります。
ただし組み立て説明書によると、電源切り替え回路に問題があってバッテリーを繋げた状態でUSBに接続してからUSBを切り離すとバッテリー側のPchMOSFETスイッチがONにならず、電圧降下が生じてしまうということでした。
実際テストすると、バッテリーのみの場合LDO前との電圧差は数十ミリV程度でしたが、USBを接続してから外した時には0.4~0.5V程度の電圧降下が見られました。
USB側のPchMOSFETをダイオードに置き換えるなどの対策法も記載されていました。自分もUSBの電源ラインにダイオードを挿入して、USB側のFETを駆動させるTRのベースからダイオード前に抵抗を挿入してみました。
というわけで、裏のアクリルパネルにLiPoバッテリーを張り付けてすっきりと収まりました。
あとはスピーカーや、バーアンテナ内蔵などまた少しずつ進めていきたいと思います。
2018年1月24日水曜日
CentSDRキット製作しました(その3、番外編^^;)
というわけで無事に動作したCentSDRですが、組み立て最初のほうでやらかしてしまったマイクロUSBコネクタの本格的補修を行いました。
ファームウエアインストールを含め完成するまでは暫定的にコネクタの上をスズメッキ線を這わして基板に縛り付け、各端子を極細UEWや配線リードの切れ端でつないでいました。
これで剥がれるリスクはかなり減りますが、線1本で固定しているためコネクタの着脱などでコネクタがずれて端子の接触不良が生じてしまいやはりよろしくありません。もう一本縛り付けるとより安定すると思いますが、それでも完全には安定せず細いパターンがこれ以上剥がれてしまう恐れから根本的に実装しなおすことにしました。
コネクタにスルーホール用の足がついているものを探してみると、aitendoに目的のものが見つかったので充電用のICなどのパーツを合わせて取り寄せてみました。
ピント合っていませんが^^;手前にあるコネクタが足付きのマイクロUSBコネクタです。ひっくり返すと前後2本ずつ計4本の足が見えます。これでしっかり安定して取り付けられそうです。
そこで、オリジナルのコネクタを除去してPCBのコネクタ部分をフラックス洗浄液できれいにして状況を確認します。
USBの5本のピンのパッドはすべて剥がれていて、1から3ピンから延びるパターンも剥がれ、特に3ピンのパターンが短くなってしまっているという結構悲惨な状況でした。
まず1~3ピンから延びるパターンの端を一番短い3ピンに合わせてカッターの刃先を使って切り揃えます。
大体揃ったところでレジストを刃先で削り銅箔をあらわにします。元のコネクタの位置に新しいコネクタを装着するとコネクタのピンとパターンが離れてしまい細いUEWでピンと対応するパターンを繋げなくてはならなくなり、不安定要素が残ってしまいます。そのためコネクタのピンとパターンがしっかり重なるような位置までコネクタの装着位置をずらします。
その位置にコネクタを合わせて、4つの足をはめ込む1mm径の穴をピンバイスで開けます。
幸いコネクタ周辺は裏面もベタアースだったので他のパターンに干渉しませんでした。
穴をあけてコネクタを装着しずれがないことを確認したら、穴の周りのレジスタをはがしてハンダ揚げをし、内側にコネクタが移動した分鑢で大胆にPCBを削ります。
下準備が整ったところで、新しいコネクタを差し込みまずは外側からハンダ付けして固定してからピンとパターンをはんだ付けします。先にピンとパターンをハンダ付けしてしまうともしもの拍子でコネクタが外れてパターンがまた剥がれてしまっては目も当てられないので^^;
はい。これでばっちりコネクタが装着できました!
あとはコネクタにケーブルを差し込んでみて左右のPCBをもう少し削って形を整えます。
数ミリ内側にオフセットしてしまいましたが、先の暫定的な処置に比べれば安心感が格段に違います。
でも、コネクタの抜き差しの際はほんと気を付けましょう。
というわけで、たぶんまだ続く。
ファームウエアインストールを含め完成するまでは暫定的にコネクタの上をスズメッキ線を這わして基板に縛り付け、各端子を極細UEWや配線リードの切れ端でつないでいました。
これで剥がれるリスクはかなり減りますが、線1本で固定しているためコネクタの着脱などでコネクタがずれて端子の接触不良が生じてしまいやはりよろしくありません。もう一本縛り付けるとより安定すると思いますが、それでも完全には安定せず細いパターンがこれ以上剥がれてしまう恐れから根本的に実装しなおすことにしました。
コネクタにスルーホール用の足がついているものを探してみると、aitendoに目的のものが見つかったので充電用のICなどのパーツを合わせて取り寄せてみました。
ピント合っていませんが^^;手前にあるコネクタが足付きのマイクロUSBコネクタです。ひっくり返すと前後2本ずつ計4本の足が見えます。これでしっかり安定して取り付けられそうです。
そこで、オリジナルのコネクタを除去してPCBのコネクタ部分をフラックス洗浄液できれいにして状況を確認します。
USBの5本のピンのパッドはすべて剥がれていて、1から3ピンから延びるパターンも剥がれ、特に3ピンのパターンが短くなってしまっているという結構悲惨な状況でした。
まず1~3ピンから延びるパターンの端を一番短い3ピンに合わせてカッターの刃先を使って切り揃えます。
大体揃ったところでレジストを刃先で削り銅箔をあらわにします。元のコネクタの位置に新しいコネクタを装着するとコネクタのピンとパターンが離れてしまい細いUEWでピンと対応するパターンを繋げなくてはならなくなり、不安定要素が残ってしまいます。そのためコネクタのピンとパターンがしっかり重なるような位置までコネクタの装着位置をずらします。
その位置にコネクタを合わせて、4つの足をはめ込む1mm径の穴をピンバイスで開けます。
幸いコネクタ周辺は裏面もベタアースだったので他のパターンに干渉しませんでした。
コネクタのピンとパターンが合うことを確認します。ほぼほぼぴったりでしょ? |
穴をあけてコネクタを装着しずれがないことを確認したら、穴の周りのレジスタをはがしてハンダ揚げをし、内側にコネクタが移動した分鑢で大胆にPCBを削ります。
下準備が整ったところで、新しいコネクタを差し込みまずは外側からハンダ付けして固定してからピンとパターンをはんだ付けします。先にピンとパターンをハンダ付けしてしまうともしもの拍子でコネクタが外れてパターンがまた剥がれてしまっては目も当てられないので^^;
はい。これでばっちりコネクタが装着できました!
あとはコネクタにケーブルを差し込んでみて左右のPCBをもう少し削って形を整えます。
数ミリ内側にオフセットしてしまいましたが、先の暫定的な処置に比べれば安心感が格段に違います。
でも、コネクタの抜き差しの際はほんと気を付けましょう。
というわけで、たぶんまだ続く。
2018年1月23日火曜日
CentSDRキット製作しました(その2)
CentSDR製作の続きです。
前回3.3V電源部とVCTCXO装着を行いました。VCTCXOはメーカーがわからずデータシートを探せませんでしたが、4つのランドの中心からなるべくずれないようにしてランドの縁から少しずつハンダを流し込み、裏のパッドにハンダ付けします。一気に流し込むとランドからハンダがあふれて上蓋にショートしてしまいます。
ルーペでよく観察して問題なければ電源を入れて右上の出力端子にオシロスコープのプローブをあてて波形を観察します。
26MHz,1Vp-p前後の矩形波が観察されればOKです。
次にSi5351AとSTM32F303CBT、CodecチップのTLV320AIC3204を装着します。
パッケージの外にピンが出ているSi5351AとSTM32F303CBTについては、ピンピッチは狭いですがヘッドルーペをうまく使うとそれほど苦も無く装着することができます。装着方法はネット上でもしばしば見かけますが、私のやり方はランドがハンダレベラー処理されていればフラックスを多めにランドとデバイスのピンに塗り付け、デバイスのピンとランドの位置を合わせデバイスの上から片方の手の指で押さえて固定し、コテ先をピンの上にあてレベラーのハンダで装着していきます。レベラーのハンダが不足気味の場合は一旦すべてのピンを装着してから、追加のハンダをピンの一列ごとに盛りハンダ吸い取り線で余分なハンダを除去すると確実にきれいに装着することができます。最後にフラックス洗浄剤で余分なフラックスを除去してきれいにします。
次はTI製のオーディオCodecチップTLV320AIC3204の装着です。このチップはVQFNというパッケージで表面実装XTALなどと同じようにピンは外に出ておらず、すべてデバイス底面のパッドになっていて側面にわずかに顔を出しているというものです。
VQFNパッケージの装着は初めてなのでCentSDRの組み立て資料に記された手順で装着しました。下準備としてチップのパッドすべてにハンダ揚げを行い一旦ハンダ吸い取り線できれいに拭き取ります。フラックス除去剤できれいにしてからボードの装着部位とデバイスのパッドにフラックスを塗りデバイスを装着部位に正確に合わせます。この時シルク印刷の白丸とマーカーをわせるわけですが、パッケージのマーカーがフラックスや除去剤の影響でわかりにくくなります。そこでまずデバイスをひっくり返して下の画像のようにデバイス底面中央の大きな四角いパッドの1角が欠けているのを確認します。
データシートを見ると、これがマーカーと一致するので欠けた角をPCBの白丸マーカーに合わせます。
四辺ずれがないように確認してデバイスを上から指などで押さえて固定し、わずかに見えるランドにコテ先をあててパッドと対応するランドをハンダ付けします。
ここでもレベラーのハンダ量が少なめの場合、ルーペでパッドとランドのずれがないことを確認してから1辺ずつ追加ハンダを盛ってハンダ吸い取り線で拭き取るという作戦を行います。再度ルーペでショートなどないかどうか確認します。
基板の裏の穴からもハンダを流し込み装着完了です。
ここで、いよいよファームウエアをインストールする作業に入ります。
ファームウエアのソースコードはGitHubで公開されています。ただ自分の環境ではまだうまくビルドできないため、追加公開されたバイナリをダウンロードしNucleoに付属するST-LINK V2機能を利用してインストールしました。
インストールした後は、確認のためまずSi5351Aの出力をオシロスコープで確認します。
上に局発出力、下にシステムクロック8MHzが見えます。
そのほかCentSDRに接続したUSBケーブルを稼働中のPCにつなげるとシリアル通信ポートとして認識されます。
これで山を越えたので、あとは残りのパーツを一気に装着し改めて電源を入れます。
というわけで無事完成です。
ヘッドホン出力にスピーカをつないでも音量は十分で、SSBも手持ちのTECSUNのラジオよりずっと安定して受信できます。
ついでに、VNシリーズのように透明アクリル板を上下に挟んでみました。
これでひとまず完成ですが、USBコネクタ部分の改修とLiPoバッテリー充電回路の実装も必要なパーツが揃い次第予定しています。
ファームウエアのビルドができるようになったらソフトウエアもいじってみたいと思います。
というわけでまだ続く。
前回3.3V電源部とVCTCXO装着を行いました。VCTCXOはメーカーがわからずデータシートを探せませんでしたが、4つのランドの中心からなるべくずれないようにしてランドの縁から少しずつハンダを流し込み、裏のパッドにハンダ付けします。一気に流し込むとランドからハンダがあふれて上蓋にショートしてしまいます。
ルーペでよく観察して問題なければ電源を入れて右上の出力端子にオシロスコープのプローブをあてて波形を観察します。
26MHz,1Vp-p前後の矩形波が観察されればOKです。
次にSi5351AとSTM32F303CBT、CodecチップのTLV320AIC3204を装着します。
パッケージの外にピンが出ているSi5351AとSTM32F303CBTについては、ピンピッチは狭いですがヘッドルーペをうまく使うとそれほど苦も無く装着することができます。装着方法はネット上でもしばしば見かけますが、私のやり方はランドがハンダレベラー処理されていればフラックスを多めにランドとデバイスのピンに塗り付け、デバイスのピンとランドの位置を合わせデバイスの上から片方の手の指で押さえて固定し、コテ先をピンの上にあてレベラーのハンダで装着していきます。レベラーのハンダが不足気味の場合は一旦すべてのピンを装着してから、追加のハンダをピンの一列ごとに盛りハンダ吸い取り線で余分なハンダを除去すると確実にきれいに装着することができます。最後にフラックス洗浄剤で余分なフラックスを除去してきれいにします。
次はTI製のオーディオCodecチップTLV320AIC3204の装着です。このチップはVQFNというパッケージで表面実装XTALなどと同じようにピンは外に出ておらず、すべてデバイス底面のパッドになっていて側面にわずかに顔を出しているというものです。
VQFNパッケージの装着は初めてなのでCentSDRの組み立て資料に記された手順で装着しました。下準備としてチップのパッドすべてにハンダ揚げを行い一旦ハンダ吸い取り線できれいに拭き取ります。フラックス除去剤できれいにしてからボードの装着部位とデバイスのパッドにフラックスを塗りデバイスを装着部位に正確に合わせます。この時シルク印刷の白丸とマーカーをわせるわけですが、パッケージのマーカーがフラックスや除去剤の影響でわかりにくくなります。そこでまずデバイスをひっくり返して下の画像のようにデバイス底面中央の大きな四角いパッドの1角が欠けているのを確認します。
データシートを見ると、これがマーカーと一致するので欠けた角をPCBの白丸マーカーに合わせます。
四辺ずれがないように確認してデバイスを上から指などで押さえて固定し、わずかに見えるランドにコテ先をあててパッドと対応するランドをハンダ付けします。
ここでもレベラーのハンダ量が少なめの場合、ルーペでパッドとランドのずれがないことを確認してから1辺ずつ追加ハンダを盛ってハンダ吸い取り線で拭き取るという作戦を行います。再度ルーペでショートなどないかどうか確認します。
基板の裏の穴からもハンダを流し込み装着完了です。
ここで、いよいよファームウエアをインストールする作業に入ります。
ファームウエアのソースコードはGitHubで公開されています。ただ自分の環境ではまだうまくビルドできないため、追加公開されたバイナリをダウンロードしNucleoに付属するST-LINK V2機能を利用してインストールしました。
インストールした後は、確認のためまずSi5351Aの出力をオシロスコープで確認します。
上に局発出力、下にシステムクロック8MHzが見えます。
そのほかCentSDRに接続したUSBケーブルを稼働中のPCにつなげるとシリアル通信ポートとして認識されます。
これで山を越えたので、あとは残りのパーツを一気に装着し改めて電源を入れます。
というわけで無事完成です。
ヘッドホン出力にスピーカをつないでも音量は十分で、SSBも手持ちのTECSUNのラジオよりずっと安定して受信できます。
ついでに、VNシリーズのように透明アクリル板を上下に挟んでみました。
これでひとまず完成ですが、USBコネクタ部分の改修とLiPoバッテリー充電回路の実装も必要なパーツが揃い次第予定しています。
ファームウエアのビルドができるようになったらソフトウエアもいじってみたいと思います。
というわけでまだ続く。
2018年1月22日月曜日
CentSDRキット製作しました(その1)
Elecraft社のKX3,KX2をはじめ、最近ではCortex-M4搭載のSTM32マイコンを搭載したSTM32-SDRやmcHFなどが手が出せる値段で手に入るようになり注目されています。
少し前では信号処理をPCに任せたタイプのSDRが主流でしたが、バンドスコープやウオーターフォール機能は大変魅力的であってもハイエンドタイプ以外ではレイテンシや安定性に少々問題があって実用性がいまひとつでした。
このリアルタイムな信号処理をCortex-M4搭載マイコンとオーディオCodecチップ、I/Qミクサ、もしくはFPGAを使ったDDCの組み合わせで済ませられるようになり、さらに小さく実用的で魅力的になっています。
いままでPICマイコンを使ってきましたが、そろそろSTM32マイコンも使えるようになりたいと思い立っていろいろと本やらネットを徘徊していたときにみつけたのが、タイトルにあるCenSDRキットでした。
前置きはこのくらいにして、CentSDRはTT@北海道さんが開発されたスタンドアロンSDRレシーバキットです。TT@北海道さんのサイトはこちら
回路構成はTT@北海道さんのサイトに詳しく解説されていますが、アナログI/Qミクサによるダイレクトコンバージョンで、オーディオCodecチップTLV320AIC3204によるADC/DACとSTM32F303CBT6によるディジタルフィルタ、復調、FFT、コントロールが行われています。ユニークなのは、局部発振とシステムクロックをSi5351Aの1チップでまかなっているところです。しかも基準発振にはVCTCXOを使用していて、STM32のDACで周波数の微調整が行われており、どのように調整が行われているのか非常に興味深いです。
というわけで、キット頒布開始のうわさを聞きつけて早速頒布をお願いしました。
冬の北海道からクリックポストで到着しました。クリックポストは安くて追跡付きで便利ですね。 VNシリーズでは箱の厚さがある程度ありポストに入らないケースがあるため、今のところ対面渡しの形式が安心かなと思いますが検討してみたいところですね。
キット内容です。表面実装部品がほぼすべてで台紙に丁寧に貼り付けてありました。回路図を見なくてもシルク印刷された部品番号にあわせて装着すればOKです。(2箇所番号の入れ違いあるので注意)キットに付属していないSi5351Aとロータリーエンコーダ、カラーTFT液晶モジュールを別途入手しておきます。
キットに同梱されている部品のパッケージはいずれもかなり小さく実装にはルーペ必須です(ROGANなので)。私はヘッドルーペを駆使して実装しました。
部品お確認後組み立て資料に書いてある組み立て手順に沿って部品を実装していきます。
実装で難しいだろうと思っていたのはVQFNパッケージのオーディオCodecチップです。しかし、実際に手間取ったのはマイクロUSBコネクタとVCTCXOの実装でした。
最初に電源周り(USBコネクタ、電源スイッチ、電圧レギュレータ)を行いましたが、装着後電圧確認のためテスタ棒をあてようとしてUSBコネクタを引っ掛けた拍子に基板のランドとともにコネクタがはがれてしまいました。端子を半田付けしたランドとパターンの一部まで・・・
コネクタを接続した状態では差し込んだプラグの柄を上下に動かしてしまうとてこの原理で 簡単にはがれてしまいます。コネクタの着脱も慎重に行うようにしなくてはいけません。
当座こんな感じでリペアしました。
これだけだとまた簡単に剥がれてしまうので、コネクタの両側にピンバイスで小さな穴を開けてスズメッキ線でコネクタを覆うようにしました。それでも微妙に動いてしまって接触不良となるので後ほどしっかり取り付けるような方法を考えます。
コネクタには余計な力を加えないようにすることと、装着するときには裏のホールにもしっかりハンダを流し込んでコネクタを固定することが肝要です。
電源関係が問題なければ、次はVCTCXOの装着です。
U3(本来はU7)とシルク印刷されたところにVCTCXOを装着しますが、4つの四角いランドのちょうど中央になるように装着することが必要です。ややずれて装着してしまってためか、最初なかなか26MHzの信号が現れず焦りましたが、一度VCTCXOを外しランドをハンダ吸い取り線を使って切りに余分なハンダを拭き取り、フラックスを塗布してVCTCXOを再装着します。フラックスが乾かないうちにちょっとずつランドにハンダを送り確実にVCTCXOの端子を半田付けします。これで26MHzの信号を確認できて次の工程に進みます。
以後その2へ続く。
少し前では信号処理をPCに任せたタイプのSDRが主流でしたが、バンドスコープやウオーターフォール機能は大変魅力的であってもハイエンドタイプ以外ではレイテンシや安定性に少々問題があって実用性がいまひとつでした。
このリアルタイムな信号処理をCortex-M4搭載マイコンとオーディオCodecチップ、I/Qミクサ、もしくはFPGAを使ったDDCの組み合わせで済ませられるようになり、さらに小さく実用的で魅力的になっています。
いままでPICマイコンを使ってきましたが、そろそろSTM32マイコンも使えるようになりたいと思い立っていろいろと本やらネットを徘徊していたときにみつけたのが、タイトルにあるCenSDRキットでした。
前置きはこのくらいにして、CentSDRはTT@北海道さんが開発されたスタンドアロンSDRレシーバキットです。TT@北海道さんのサイトはこちら
回路構成はTT@北海道さんのサイトに詳しく解説されていますが、アナログI/Qミクサによるダイレクトコンバージョンで、オーディオCodecチップTLV320AIC3204によるADC/DACとSTM32F303CBT6によるディジタルフィルタ、復調、FFT、コントロールが行われています。ユニークなのは、局部発振とシステムクロックをSi5351Aの1チップでまかなっているところです。しかも基準発振にはVCTCXOを使用していて、STM32のDACで周波数の微調整が行われており、どのように調整が行われているのか非常に興味深いです。
というわけで、キット頒布開始のうわさを聞きつけて早速頒布をお願いしました。
冬の北海道からクリックポストで到着しました。クリックポストは安くて追跡付きで便利ですね。 VNシリーズでは箱の厚さがある程度ありポストに入らないケースがあるため、今のところ対面渡しの形式が安心かなと思いますが検討してみたいところですね。
キット内容です。表面実装部品がほぼすべてで台紙に丁寧に貼り付けてありました。回路図を見なくてもシルク印刷された部品番号にあわせて装着すればOKです。(2箇所番号の入れ違いあるので注意)キットに付属していないSi5351Aとロータリーエンコーダ、カラーTFT液晶モジュールを別途入手しておきます。
キットに同梱されている部品のパッケージはいずれもかなり小さく実装にはルーペ必須です(ROGANなので)。私はヘッドルーペを駆使して実装しました。
部品お確認後組み立て資料に書いてある組み立て手順に沿って部品を実装していきます。
実装で難しいだろうと思っていたのはVQFNパッケージのオーディオCodecチップです。しかし、実際に手間取ったのはマイクロUSBコネクタとVCTCXOの実装でした。
最初に電源周り(USBコネクタ、電源スイッチ、電圧レギュレータ)を行いましたが、装着後電圧確認のためテスタ棒をあてようとしてUSBコネクタを引っ掛けた拍子に基板のランドとともにコネクタがはがれてしまいました。端子を半田付けしたランドとパターンの一部まで・・・
コネクタを接続した状態では差し込んだプラグの柄を上下に動かしてしまうとてこの原理で 簡単にはがれてしまいます。コネクタの着脱も慎重に行うようにしなくてはいけません。
当座こんな感じでリペアしました。
これだけだとまた簡単に剥がれてしまうので、コネクタの両側にピンバイスで小さな穴を開けてスズメッキ線でコネクタを覆うようにしました。それでも微妙に動いてしまって接触不良となるので後ほどしっかり取り付けるような方法を考えます。
コネクタには余計な力を加えないようにすることと、装着するときには裏のホールにもしっかりハンダを流し込んでコネクタを固定することが肝要です。
電源関係が問題なければ、次はVCTCXOの装着です。
U3(本来はU7)とシルク印刷されたところにVCTCXOを装着しますが、4つの四角いランドのちょうど中央になるように装着することが必要です。ややずれて装着してしまってためか、最初なかなか26MHzの信号が現れず焦りましたが、一度VCTCXOを外しランドをハンダ吸い取り線を使って切りに余分なハンダを拭き取り、フラックスを塗布してVCTCXOを再装着します。フラックスが乾かないうちにちょっとずつランドにハンダを送り確実にVCTCXOの端子を半田付けします。これで26MHzの信号を確認できて次の工程に進みます。
以後その2へ続く。
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