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2022年8月22日月曜日

C100とハムフェア2002の2日目に参加しました&業務連絡(VN-L5 MarkIIについて)

 C100とはコミックマーケット100のことで、ひさびさの開催となります。

今回は1日目のメカミリというカテゴリーで参加しました。(アマチュア無線関連はこのカテゴリーに属しています)折角の切りのいい100回目ということなのでサークル申し込みしてスペースをいただきました。

というわけで、8月13日(土)C100の1日目にサークル参加しました。

台風が接近していたこともあり、悪天候を心配していましたが行きは晴れていてスムーズに入場する事ができました。入口入って消毒、体温測定、リストバンド交換を経て自分のスペースにたどり着きます。ここまで全く渋滞や混乱することなくスムーズに進みました。

自分のスペースに到着してお隣のサークル様にご挨拶を済ませ、設営と見本誌提出を行います。


設営はこんな感じで、幅180cmの半分90cmx45cmのエリア内に頒布する同人誌やグッズを並べます。

持ち込んだ頒布物は完売こそしませんでしたが、興味をもっていただける方もいらっしゃっていろいろとお話が出来て楽しかったです。

ネットで頒布も行っていますが、こうしたリアルイベントはやはりいいものだなぁと改めて実感しました。

その後余韻冷めやらぬ1週間後には同じビッグサイトで、こちらも3年ぶりになるハムフェア2022にもアマチュアキットクリエイターズAKCで2日目の8/21(日)に参加しました。

同時に開催されていたイベントの看板たち

 

なぜかハムフェアだけ外れたところに看板があったのですけれども、開催が南館だからだったのでしょうか?それはさておき、開場10時前に到着して設営。

まぁ前の週とあまり変わりませんね(汗

ただ今回は160m/80mデュアルバンドコンパクトCWトランシーバVN-L5 MarkII人柱版キット5セットを加え、 もの好きな方(失礼)をお待ちしておりました。

10時の開場とともに、AKCブース前には長蛇の列が・・・

お目当ては私以外のOMの頒布品のようです。ほかのブースのお邪魔になっていたかもしれませんね・・・30分くらいしてようやく列もおさまり自分のところにもぼちぼち頒布品を購入いただけました。人柱版キットも5セット完売しましたが、ご購入の皆様完成をお祈りいたします。 

昼過ぎになって落ち着いたところでちょくちょくほかのブースを回ってみました。RIGOLがブースを開いていたので、早速今使っているDSA-815TGについて質問してみました。実は画面キャプチャのため専用のUltra SigmaというPCソフトを使ってLAN経由で操作、キャプチャをしているのですが、このソフトランダムにフリーズしたり落っこちたりするので技術担当の方にお聞きしました。どうやらDHCPではなく手動でIPを設定し、PC側と1対1で接続なくてはならないようでした。そういえばPCもスペアナもネットワーク内で接続して各々DHCPでIPアドレスを取得していました。1対1でPCと接続するならUSBのほうが良いですよとアドバイスいただいたので、LANから切り離してUSBでつなげようかと思います。

そのほかAKCブースの向かいにある真空管ラジオ部品研究会ブースを覗いてみると、トリオ製のコイルパックやIFTがたくさんあるじゃありませんか!最近ちょうど真空管ラジオを2台ほど作って、今度はもう1台ST管で作りたいと思ってましたが、コイルやIFTがなかなか見つからなくてどうしようかと思っていた矢先だったので喜び勇んで2バンドのコイルパックとST管用の可変帯域IFTのT-8を購入しました。これで大きく前進、あと真空管を調達できれば製作を始めようかと考えています。

そんなこんなであっという間に16時無事に閉会と相成りました。

いまもってCOVID-19が猛威を振るっておりますが、来年はそんな心配もなく開催されるように祈るばかりです。

今回ハムフェアの戦利品たち。トリオ製の2バンド高周波付きコイルパックと帯域可変IFT T-8と左の冊子は自分も4ページほど寄稿させていただいた秋葉原無線部のもえれとりくすvol2です。もえれとりくすは完売したそうです。ほかにも同人誌的な本がいくつか出ているようで、今後もなかなか面白い展開になりそうですね。


というわけで、ここで業務連絡

今回頒布したVN-L5 MarkII 人柱版キットについてです。

TX部のT3の巻き数について、回路図では2次側の巻き数を6~8としていますがパーツリストにあるように5回としてください。6回以上になると出力が大きすぎて終段のMOSFETなどの発熱が大きくなり電流過剰でフューズが切れたり最悪焼損する可能もあります。もし6回以上巻く場合は電源電圧を下げて出力を抑えるようにしてください。

また何かご質問などありましたらメール(Gmailのアドレス)かtwitterのDMでお願いいたします。

2022年7月22日金曜日

関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2022に出展しました

 7/16,17大阪府池田市で3年ぶりに開催されました、関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2022にアマチュアキットクリエーターズAKCで出展しました

 3連休とあってか、行きの新幹線はまだ朝6時台というのにほぼ満席でした

9時過ぎに最寄りの石橋阪大前に到着、久しぶりの会場入り

 すでにほかのAKCメンバーが設営を行っておりました


 自分も急いで設営、ひといき


今回は、QPM-01キットとVN-L5各バンドとVN-4002完成品、Si5351Aテストボードパーツセット、復刻版むせんぶログブックミニを用意しました

10時の開場と同時にたくさんの人がAKCブースを訪れ賑わっておりました

QPM-01は思ったほど捌けませんでしたが、久しぶりのアイボールなどこの2日間楽しませていただきました

今回はSARS-CoV2 BA5によるCOVID-19罹患数爆発直前の奇跡的な開催でしたが、次回は安心して参加できることを祈念しています

2021年9月17日金曜日

FT-857DMメインダイヤルのロータリーエンコーダ交換記

 しばらく投稿サボっていました。すみません。

今もってCOVID-19蔓延が続いていますが、とりあえず元気に過ごしています。

さて、アマチュアキットクリエイターズ AKCのまとめ役であるJQ1SRN武村OM発案のおかもちGoBox(またはGoKit)に触発され、自分もおかもちを入手して少しずつおかもちGoBoxを作成中なのですが(そのうちまとめて記事にする予定)、おかもちに内蔵するFT-857DMのメインダイヤルの動作がいつの間にかおかしくなってチューニングしにくくなっていました。

製作中のおかもちGoBox 単体でQSO可能 災害時に有用か?

通常ダイヤルをまわすと1ステップずつ周波数が上下するはずですが、ある範囲で1ステップ上下を繰り返してしまったりでもどかしいです。

 


 この手の動作不良の原因はたいていダイヤルのロータリーエンコーダなので、この際自分で交換を試みようと考えました。まず857シリーズに使用されているロータリーエンコーダを検索すると、COPAL製のRES20D50-201-1Gという型番の光学式ロータリーエンコーダが使わていることが分かりました。

FT-857DMはずいぶん以前に購入して今やディスコンの機種ですが、幸いなことにエンコーダ自体はまだ入手可能のようでした。

Amazonでも交換用のコネクタ付きのものが検索でヒットしたのですが、現在取り扱いがないようで代わりにコネクタなしのRES20D50-201-1が2000円以下で入手する事が出来ました。

でもって早速コントロール部を分解してロータリーエンコーダにアクセスします。

 

 分解は比較的容易でした。各ダイヤルのツマミを外し、裏側のネジを外して裏蓋をとりはずし基板を固定するねじを外します。あとはエンコーダーのコネクタとフラットケーブルを外して基板を写真のように前面パネルから離すとロータリーエンコーダにアクセスできます。

左が新品のエンコーダ 社名がNidecに変わっていますね

 購入したエンコーダはコネクタが付いていないので、オリジナルのエンコーダの配線を切って新しいエンコーダの配線につなげました。
エンコーダの裏蓋を外すと中の基板に配線がハンダ付けしてあったのでここで換えればよかったなーとちょっと後悔しました


制御用にH8マイコンが使われていますね

 そんなわけで各パーツを戻してコントロール部を組みなおし、早速動作確認。


 当たり前ですが、1ステップずつ変化するようになりました。快適快適(笑)

ちなみにこのロータリーエンコーダは、データシートを見ると光学式で、コンパレータICを内蔵しており確実に5Vのパルスが出力するような設計になっています。

交換した動作不良のエンコーダの動作を確認すべく5V電源に繋ぎA,B各相の出力波形をオシロスコープで観察しました。


 本当は定回転モーターがあると分かりやすいかなと思ったのですが、手持ちにはないので857DMのダイヤルをつけて手で回してみました。

その結果回転速度に依らず、ある範囲の角度でA,B相ともにパルスが抜ける箇所が見られました。パルスの抜けている範囲はA,B相で異なっており、このことがエンコーダの挙動がおかしくなった原因でしょう。

しかし光学式でこのような故障が普通に起こりうるのかは分かりません。またそもそもの原因がコンパレータICか光源LEDの不良によるものかはさらに分解してみないと何とも言えないのですが、これ以上は面倒なので追及しません。

ともあれ動作不良が解消されたのでおかもちGoBoxの作りこみを進めていこうと思います。

2021年2月1日月曜日

電流モードD級(Current Mode Class D; CMCD)増幅回路の実装実験

 VN-xx02シリーズやVN-L5シリーズの終段増幅回路はE級増幅回路を採用し、高効率で消費電流や素子の発熱もかなり抑えていますが、E級ネットワークの性質上狭帯域で多バンド化は困難です。

そこで主に海外の事例をたどってみるとD級増幅が目にとまり、実装実験を試みました。(ここでいうところのD級はオーディオアンプのD級アンプとは異なります。追記:オーディオ用のD級もPWM変調をかけているVMCDの一種と記載されている文献がありました。

実験前にまずE級とD級の回路と動作をおさらいします。

E級は図のようにスイッチング素子の出力側にE級ネットワークという一つの共振回路を形成して素子のオンオフで各々素子にかかる電圧と電流をE級ネットワークで共振させゼロボルトスイッチング(ZVS)を実現しスイッチング損失を抑えて効率を高める方法です。


それに対してD級には2つの動作モードが存在しますがいずれもプッシュプル増幅回路に適用されます。

ひとつは電圧モードVoltage Mode Class Dで、素子がオンの時流れる電流が半正弦波状となりZVSとなった直後素子がオフとなりその間は電圧が最大になります。

もうひとつは今回実装した電流モードCurrent Mode Class Dで、素子がZVS後オフの間に電圧は半正弦波状となって再び電圧ゼロになったときに素子がオンとなり、オンの間流れる電流は最大になります。


いずれのモードもE級と同じくZVSを実現しているので高効率で、しかもE級のように電流電圧それぞれに共振させるのではなく出力回路に電流もしくは電圧にのみに対する共振回路を追加すればよいことになります。ただしE級に比べてのデメリットもあります(素子の出力容量による損失や、スイッチングのタイミングのずれによってZVSが崩れてスイッチング損失が生じる可能性がある)が、E級ネットワークを省けるため、例えば広帯域化の可能性も見えてきます。

D級増幅回路を実装している例はフィンランドのJUMA製135kHz、475kHz送信機、TX-136、TX-500の50W出力の終段回路やネットで見つけた400W級のRFパワーアンプくらいしかありません。

TX-136やTX-500を所有しているのでその高効率ぶりは体験していますが、今回E級プッシュプルを採用しているVN-L5シリーズにも適用できないかということで、CMCD化実験をしてみました。


上はVN-L5の終段E級プッシュプル増幅回路です。L1-C10、L2-C11がE級ネットワークなのでこれらを外してQ4,5のドレインをT3の3ピンと6ピンに各々直接繋げます。


実際のVN-L5オリジナルTX部の画像です。基板の右上の2つの小さなトロイダルコイルとその右側にある水色の四角いフィルムコンデンサを取り除き下の画像のように各FETのドレインを出力トランスに直接接続しました。

出力トランスに2次側の巻き数を半分に減らすことで、電源電圧13.8Vで14~15W程度の出力を得ましたが、出力トランスのコアの発熱が著しく長時間の出力にはどうやら耐えられそうにありません。そこで出力トランスをコンベンショナル型から伝送線路トランスに巻き方を変更することで出力トランスのコアの発熱は抑えられました。

またRFCも一つのコアにまとめる実験も行いましたがRFCコアの発熱が著しいため個別に用意するようにしました。

下の回路図が最終的なCMCD化終段回路です。


これは160m版も80m版も回路は同一で、LPFの定数のみバンド別となっています。

上の画像は片方のFETのドレイン電圧波形をオシロスコープで観察したキャプチャでおおよそFETオフ時の電圧は弧を描いています。

電流波形は今回観察できていませんが連続出力でもFETの発熱が緩やかなのでおそらくZVSにはなっているでしょう。

念のため160m版、80m版の出力波の高調波スプリアスを測定すると、2次3次高調波はいずれも-50dBc以下と新スプリアス基準はクリアしているようです。

80m版の高調波スプリアス

160m版の高調波スプリアス

ちなみに効率はおよそ75%前後とE級増幅回路と遜色ない程度でした。

そうゆうわけで今回のCMCD化実験ですが、いくつかのポイント(RFCと出力トランスなど)を押さえることで、LPFの切り替えによる多バンド化の可能性を少しばかり見出すことができました。

2021年1月8日金曜日

遅ればせながら本年もよろしくお願いいたします

 新年あけてはや1週間経過してしまいました。

 遅ればせながら本年もどうぞよろしくお願いいたします。


 昨年はCOVID-19蔓延の影響で無線関連のイベントはハムフェア含めほとんど中止になってしまったため主にキットの通信頒布に終始しましたが、本年もCOVID-19終息の兆しが見えない状況のためAKCでのイベント参加はやはり難しそうです。

ともあれ一人でできる範囲で活動は続けていくつもりです。

んで今回の本題ですが、年はじめ恒例のニューイヤーQSOパーティにちょっとだけ参加しました。今年は規約が変わって開催期間が長くなり参加しやすくなったので、まず160mのCWから出てみようと思いました。今までは160mのアンテナは自作SRAを上げていましたが、今回新たにアンテナを自作してみました。

アンテナはエレメントを過去に関西アマチュア無線フェスティバルで購入した3.6m長の大型ロッドアンテナを使用し、ローディングコイルを巻いてインピーダンス変換トランスで整合した短縮型1/4波長バーチカルアンテナとしました。

アンテナエレメントのロッドアンテナを同じ長さ程度の塩ビ管に入れてロッドアンテナの保護と支持を行い異径ジョイントでふた周大きい径の別の塩ビ管につなぎ、写真のように0.8mm径のUEWでローディングコイルを巻きました。

MMANAで計算したインダクタンスを目標に巻き数を決定し(今回の場合はVU40(48mm径)に0.8φUEWを100巻き、約220μHとしました)、巻いたコイルの下にマストクランプを取りつけ、ベランダの金具に設置した短いマストに取り付けました。


アンテナ本体をマストに取り付けたら、ロッドアンテナを伸ばしてアンテナアナライザで共振点を探ります。今回はnanoVNAではなくminiVNAproBTでandroidスマホにBluetooth接続して測定しました。余談ですが操作性はminiVNAproBTが良いですね。でも1台で済むnanoVNAも捨てがたいので、フィールドでどちらを使うかまだまだ悩んでいます。

ロッドアンテナを目いっぱい伸ばすと共振周波数は1.6MHzと低く出ました。周囲の影響もあると思いましたが、今回はローディングコイルは解かないで、ロッドアンテナを若干縮めるることで1.9MHzに共振するように調節を行いました。

共振周波数での純抵抗が約20ΩとMMANAの計算値より大きい(ローディングコイルのQが思ったより高くないのかもしれません)結果でしたが、トランシーバのアンテナインピーダンス50Ωに整合するため自作のインピーダンス変換トランス(マルチアンアン)を挿入し整合させた結果が下のスクリーンキャプチャです。


 VSWR1.5以内の周波数範囲は10kHz以下と狭いですが、1.9MHzバンド内に収まるためひとまずOKとしました。

ちなみにインピーダンス変換トランスの外観はこんな感じです。


 ケースの中には確かFT114-43にテフロン線を巻いて作ったマルチアンアンが入っていたと思います。ロータリースイッチでタップ切り替えを行いインピーダンスを合わせます。

VN-L5プロトタイプでNYP参加局を呼びまわりましたが、10W強出力でもよくピックアップしていただきました。計算上は超短縮型のためアンテナゲインは-10dBi以上でしたが、SRAよりは確実に飛んでいます。

今後はロッドアンテナを伸ばし切った状態で1.800MHzあたりに共振するようにローディングコイルの巻き数をやや減らし目にするなどもう少し調整を重ね常設アンテナとして仕上げようと考えています。

またローディングコイルを変更して80mや40mにも使えるようにすると面白そうです。ロッドアンテナを伸び縮めるだけでバンド内をフルカバーできるので便利かもしれません。

そういうわけで新年の初工作は160m短縮アンテナでした。

2020年11月7日土曜日

VN-L5シリーズのマニュアルができました

 VN-L5シリーズの組み立て操作マニュアルができました。キット頒布に先行して公開します。

マニュアルのpdfファイルはここに置いてありますのでダウンロード、閲覧はご自由にどうぞ。

ただし無断2次配布や他所へのアップロードは禁止です。

実際のキットの頒布はまだもうしばらくお待ちください。

2020年8月5日水曜日

VN-L5シリーズ正式リリース版ほぼ完成

VN-L5シリーズ(VN-160L5, VN-80L5)は人柱版頒布から約半年かけて正式リリース版がほぼ完成しました。


サイズ的には従来のVN-xx02シリーズと比較して5mmほど厚くなる程度に抑えました。

ハードウエア的には基本構成こそVN-xx02シリーズを基にしていますが、いろいろと手を加えています。

まず送信部ですが、終段をE級プッシュプル増幅回路とし電源用の大きなMOSFETに変更するなど強化した結果、電源電圧14.5V前後で20W出力可能になりました。QRPで運用する場合は7.4V(リチウムイオン電池2セル直列)に下げるとちょうど5Wとなり余裕をもって運用できます。また高効率のおかげでヒートシンクなしでも通常CW運用に耐えられます。一方出力が20Wクラスと比較的高出力のため保安機能(フューズやSWRが著しく上昇(アンテナトラブルなど)した場合の保護機能(高SWR検出し終段への電源を遮断)を付加しました。さらにプッシュプル増幅のおかげで偶数次の高調波レベルが比較的低く、LPFは定K型2段の最低限の構成でも新スプリアス基準を十分クリアしています。

アンテナ側の送受切り替えは小型リレーを使っています
右下の端子はバッテリー電源用のT型コネクタです
Si5351Aからの送信用信号の矩形波からトランスで180°位相差信号を作り、3ステートバッファロジックICの各々3つのバッファを並列接続したものに接続して、バッファ出力から終段の各NchMOSFETのゲートを駆動
受信部はVN-xx02の構成(高1中2)を継承していますが、ミクサーにはNJM2594というバランスドモジュレータICを、検波にはショットキーダイオードを使ったオーソドックスなリング検波に変更しAFアンプとAGCアンプの定数を見直して部品点数も幾らか減らしました。

複同調回路で使用するLをトロイダルコイルからチップインダクタに変更 中間周波数への周波数変換回路にはDBMモジュールからNJM2594Vに、ショットキーダイオードなどディスクリートで構成した検波回路に変更
送信部の基板に重ねたときに送信部のパーツと干渉してしまうため、検波回路のトランスは裏に装着
AFとAGC増幅には4回路入りの単電源オペアンプICを使い、回路も少し簡略化しました
コントロール部はVN-xx02シリーズと同じPIC24FV32KA302を使っていますが(パッケージはSOICからSSOPに変更しています)、表示部を従来の8x2から16x2タイプに変更し表示を充実させています。また電源スイッチについては比較的大きな電流が流れることからVRのスイッチでは余裕がないため、TX部の基板に装着したPch-MOSFET(μPA2815T1S)をVRのスイッチで制御して電源をオンオフするというスタイルにしました。

VRのスイッチはTX基板上のPchMOSFETのゲートに接続して電源オンオフの制御をしています
PICはSSOPパッケージに変更 基板上の部品密集度はそれほど高くありません
送信時のAFミュート回路やSi5351AのVDDとVDDO間にデカップリングなど追加しました。
裏側のTコネクタは同じコネクタを持つラジコンなどでよく使われているリチウムイオンやニッケル水素2次電池が接続できるように増設しました
というわけでハード的には思い描いていた機能などはすべて実装できました。

ソフト的にもいろいろと機能追加など行いました、LCDは16x2に変更したことから表示領域が広くなったため Sメーター表示の変更、XIT機能、VFO B、電源電圧表示、送信パワー、SWR表示、高SWR(10以上の極端な高SWR)時終段への電源供給をストップしてMOSFETへの長時間のドレイン電圧上昇による焼損を回避する機能を追加しました。

SWR表示

送信パワー表示
高SWR表示(SWR>10)


3Dプリンタでサイドパネルを作成してスピーカーも内蔵できるようにしました。
また本体に装着する小型のパドルも後ほど追加できるようにしたいところです。

80m版 VN-80L5(左後ろ側)160m版 VN-160L5(右下の前)
これでほぼ正式頒布版は完成しましたが、部品調達やマニュアル作成など作業はまだ残っています。

引き続き進めていきます。