今回、2SK241を3石使い3段のIFアンプとプロダクト検波からAF出力回路まで作ってみました。
IFアンプは単独で測定しやすくするため、後段の2段分を別基板でモジュールとして組みました。
また、調整箇所を少なくしようと初段と同様に非同調のL負荷増幅回路としました。今回手持ちの68μHのマイクロインダクタを使い、4MHzにおける交流負荷抵抗は1.4kΩとなります。
増幅素子である2SK241は界隈ではおなじみですね。これはデプレッションモードのFETで、ゼロバイアス(VGS=0V)でA級動作可能であることから部品点数が少なく出来ることと、内部がカスコード構造になっているため帰還容量が極めて少なく、ソース接地でも周波数特性が良好ということらしいです。
ただ、すでにディスコンとなっていて現時点では新たに入手するのが難しくなってしまいました。幸い自分のところには20本程度ストックがあったので今回使ってみたというわけです。なお他に代替品もいくつか存在していましたが、いずれもディスコンで入手難となってしまいました。高周波増幅回路をディスクリートで作るというのはもはやマイナーなのでしょうか。しかし辛うじて使えそうな現行の石もひとつ見つけたので、それはまたネタとしておいおいと。
話がそれましたが、2段増幅回路単独の特性をAPB-3で測定してみました。
TG出力(-50dBm)とスペアナ入力を20dBのアッテネーターを介して接続(-70dBm)して測定したグラフをリファレンスとし(0dBライン)、2段アンプを接続して9Vで動作させた結果です。
5MHzでピークとなりました。(60.33dB)このピークはインダクタの自己共振が効いているのでしょうか。試していませんが、負荷Lのインダクタを小さくすると増幅率ピークの周波数は高くなるかもしれません。
増幅率が充分なのを確認したところで、親基板に取り付けDBMで検波したAF出力を1石のTrアンプで増幅し外付けのスピーカーアンプ入力につなげ、局発とBFO入力も先に作成したSi5351A入り基板の各出力を接続して実際の信号を受信してみました。
AGCがないので強い信号は飽和していますが、感度やフィルターの効きはまずまずといった感じです。
次にAGC回路を実装して受信機らしくしたいところですが、2SK241アンプのAGCは調整が難しいらしいのではたしてどうなることやら。