2018年4月30日月曜日

VNシリーズでALL JAちょっぴり参加

4/28-29に第60回ALL JAコンテストが開催されました。

コンテストにはあまり参加しないほうなのですが、今回VNシリーズのコンテスト実践テストということでVN-4002(7MHz)と、VN-2002(14MHz)でちょっとだけ出てみました。

※注 あくまでもイメージ画像です
自宅から運用しましたが、13.8V電源で出力3W強、アンテナは7MHzはセンターローディングのモービルホイップ、14MHzはRadix社製の短縮V型DPを給電部地上高約10mで28日夜と29日午前中に7MHz、夕方14MHz各々1、2時間程度呼びまわっていました。

夜の7MHzは、国内遠距離が開けていて5,6(47県含めて),8エリアとQSOできました。翌日午前中は中距離の局とQSOできましたが、近距離は呼べど応答なくなかなか難しかったです。夕方は14MHzに出没し西方面が主に開けていて数局QSOし、結局トータル29局QSOできました。当日は3.5MHzのコンディションが良かったようで、自作機が投入できずちょっと残念でした。しかし短時間でしたがQRPでも結構拾っていただけたので満足です。弱い信号取っていただいた各局ありがとうございました。

閑話休題。

QRPですから通常のコンテストでは相手の信号が強力であっても、呼んで必ずしも取ってもらえるとは限りません。またたいていは呼び負けること、AGN? NR?も多いので根気よく丁寧に送信することと心得ておかないとすぐにQRPってつまんないや、になってしまいます。

QRPの最大の利点とはなにより省電力であること、それに伴う必要装備の簡易軽量化に尽きると思います。移動運用することを想定すると、運用モードをCWに絞ればリグもMountain Topper Radioなど省電力な無線機(もちろんVNシリーズも)で。電源は大型のバッテリーや発電機は要らず、リチウムイオンバッテリーなら予備を持っていけば安心して長時間運用も可能。アンテナは移動用のマルチバンドDPやギボシDP、ローバンド用のバーチカルアンテナ用にたたむと70センチ弱のグラスファイバーポールを使えばシステムすべてをリュックサックなどにまとめることが可能です。

そんなわけで、折角暖かくなってきたのでどこかにQRPで移動運用に出かけてみたいと思う今日この頃です。

2018年4月24日火曜日

キットを作る。キットを創る。

ブログの左上に「技術的応談のポリシーについて」というタブを加えさせていただきました。まずご一読いただけるとありがたいです。

キットは組み立ての技術的な問題がなければ必ず動作するように作られているはずです(よほどのことがなければ)。言い換えれば自分の技術力が赤裸々に試されるというわけです。完成してすんなり動作すればそれはそれでよいですが、トラブルに当たったときに粘り強く解決する事が出来れば貴重な経験値が1つ上がるわけですし、解決した時の爽快感はまた格別なわけです。

閑話休題。

ネットのおかげで海外のいろいろなキットが手に入るようになり、嬉々として手の出せる範囲で製作してきました。とくによく作ったのはCW QRPトランシーバでした。なかでもKD1JVのTriband CW Transceiverは5W出力で任意のHF3バンドに出られる実用的な優れたもので、完成後小型のバッテリーとDPを携えて何回か移動運用でQSOを楽しみました。DDSを備え、マイコンによる周波数制御と内蔵キーヤー、高効率のファイナル(BS170を3パラにしたC級増幅とマニュアルには記載してありましたが、実測90%程度の高効率で実質CMCD ZVS動作に近いのかもしれません。とにかく放熱器なしで余裕の5W出力には驚きました。)を装備した200USD程度で手に入る素晴らしいキットです。

ただ、使っていくと機能にやや不満も出てきます。エンコーダの信号取りこぼしで同調が取りにくくなる場面があったり、周波数記憶機能が実装されていないため運用中不意に電源が落ちるとデフォルトの周波数に戻ってしまったり、はたまたキーヤーのスピード調整が面倒などなど。

こういったちょっとした不満な点を自分ならどうする?といったところから出発して、それなら自分で1から作ってみたいという思いが募り、それがKeyer Mini-V2やVNシリーズという形になったわけです。

形にしていくうえでいままで作ってきたキットの経験ももちろんそうですが、自分なりにまとめたものをたたき台として発表して、作っていただいたSNSなどでお馴染みの方に意見や要望をうかがったり、実験や提案を教えていただいたりどんどん洗練されて行くところが大事だと実感しています。自分でも思いもよらなかったことがたくさん出てきて、これはちょっと難しいかなと思ったこともほかの方のアイディアで目から鱗が落ちることなどたくさんありました。

以前KD1JV Tribanderが某SNSで話題になったとき、有志でCW QRP トランシーバを創ろうと盛り上がりましたが 当時自分もDDSやマイコンプログラムなど扱ったことがなく結局頓挫してしまったことがちょっぴり悔しくてしばらく頭の片隅に残っていましたが、VNシリーズがここまでこれたことでとりあえずは払拭できたかなと思いました。

でもって次はどうするかってことですが、 やはり最終的にはSDRというところでしょうか。もちろんPCレスのスタンドアロン型を目指します。まだまだ道は遠いですがとりあえずSTM32マイコンの習得を柱に進めていきますが、VNシリーズの派生版も進めないと、とやることがいっぱいです^^;

2018年4月17日火曜日

懐かし(といっても中国製ですが)ラジオキットを組み立てる

昔の(と言っても数十年前)電子工作の原点、出発点といえばたいていはラジオではないでしょうか。

自分は幼少のころ不意に父親からもらったゲルマラジオセット(μ同調タイプ)で、電池もないのにAMラジオ放送がクリスタルイヤホンから聞こえるのがとても不思議で、中を拝みたく分解したところから電子工作の道に転んでしまいました。

以降ラジオキットを中心に組み立ててはこわしていました。次第にBCLにはまり、友達がアマチュア無線を始めたことをきっかけに中学生になってからアマチュア無線の従事者免許(当時は電話級)を取得しました。

そんなわけで今だに同じようなことを続けていますが、先日秋葉原のaitendoを訪れた折にこんなキットを見つけました。


トランジスタではなくIC1個を使った中波短波の2バンドラジオキットです。

日本にもかつては様々なラジオキットがありましたが、2バンドのもの特に短波が受信できるキットは見たことがありません。懐かしさと珍しさからつい騒動買いしてしまいました(笑)


 キットの内容はこの通りで、小袋に分けられていて思ったよりまともそうに見えましたが・・・


 一番気になったのは同調用のポリバリコンの足の錆です。ほかにもICの足がひん曲がっていたりスペーサの足のプラスチック部分がバリだらけ、IFTやOSCコイルのコアの色が判別しにくいほど褪せているとか・・・

湿気の多い日本では保存法を考えないといろいろと問題ありそうです。少なくともポリバリコンは乾燥剤とともに袋に、もちろんほかの小袋にも乾燥剤は入れないと、と余計な心配をしております。自分のキットも乾燥剤同梱を省略しているので、ジャック類などの錆発生に気をつけねばと思いました。


 組み立て中です。PCBはまともで、レジストはやや弱いですが位置や大きさも妥当です。パーツの足の間隔もほぼ正確でパーツを加工することなくはんだ付けできました。完成後OSCコイルとIFTの付け間違いやバリコンの足の付け間違いが見つかり各々一旦外して正しく装着できましたが、はんだごての熱によるパターン剥がれもありませんでした。


 これがLEDを除く唯一の半導体、ラジオICのTA7613です。といってもオリジナルのものなのかセカンドソースものなのかよくわかりません。AM/FMラジオ用の古いICだそうですが、ネットでデータシートが拾えます。


 いくつか装着やり直しが入りましたが、約2時間ほどで完成。

電源はaitendoサイトの説明では単3電池2本ということでしたが、電池ケースの実物見ると大きすぎるので調べてみると単1乾電池2本が正しいようでした。早速コンビニで単1電池2本購入、ラジオにセットして鳴らしてみました。

まず中波帯でAPB-3のSGとOSCの周波数を観察してトラッキング調整を行いました。

家の中ではノイズを拾ってしまうので、ベランダに出てワッチしてみると当然のことながらAM放送は十分入感します。短波に関しては実際どの周波数帯を受信しているのか分かりませんでしたがダイヤルを回すと数局放送が聞こえてきます。

かすかに聞こえる短波放送の音を聞くといまでもわくわくしますね。

あとでSGで確かめてみると12MHz台を受信していました。受信周波数の幅も500kHz程度と狭くサイトの表記にあるような5~17MHzといった広帯域に受信できるわけではないようです。回路図とポリバリコンの可変容量域をみると当然なのですけどね。

いまのところ広帯域受信などの改造は考えていないので近い25mバンドに合わせるようにしました。

 最後に、


 あともうちょいといった感じで、ある意味なかなか味のあるラジオに仕上がっております。

総評として、基板やケースの精度は思ったよりも悪くない印象です。組み立てにはサイトのBOMと基板のシルク印刷を頼りにすればほぼ問題ないのですが、LEDの取り付け方や、ポリバリコンの取り付け方向を明確に、あとは保存を考えた包装、これらが改善されれば良いなと思いました。