2018年4月24日火曜日

キットを作る。キットを創る。

ブログの左上に「技術的応談のポリシーについて」というタブを加えさせていただきました。まずご一読いただけるとありがたいです。

キットは組み立ての技術的な問題がなければ必ず動作するように作られているはずです(よほどのことがなければ)。言い換えれば自分の技術力が赤裸々に試されるというわけです。完成してすんなり動作すればそれはそれでよいですが、トラブルに当たったときに粘り強く解決する事が出来れば貴重な経験値が1つ上がるわけですし、解決した時の爽快感はまた格別なわけです。

閑話休題。

ネットのおかげで海外のいろいろなキットが手に入るようになり、嬉々として手の出せる範囲で製作してきました。とくによく作ったのはCW QRPトランシーバでした。なかでもKD1JVのTriband CW Transceiverは5W出力で任意のHF3バンドに出られる実用的な優れたもので、完成後小型のバッテリーとDPを携えて何回か移動運用でQSOを楽しみました。DDSを備え、マイコンによる周波数制御と内蔵キーヤー、高効率のファイナル(BS170を3パラにしたC級増幅とマニュアルには記載してありましたが、実測90%程度の高効率で実質CMCD ZVS動作に近いのかもしれません。とにかく放熱器なしで余裕の5W出力には驚きました。)を装備した200USD程度で手に入る素晴らしいキットです。

ただ、使っていくと機能にやや不満も出てきます。エンコーダの信号取りこぼしで同調が取りにくくなる場面があったり、周波数記憶機能が実装されていないため運用中不意に電源が落ちるとデフォルトの周波数に戻ってしまったり、はたまたキーヤーのスピード調整が面倒などなど。

こういったちょっとした不満な点を自分ならどうする?といったところから出発して、それなら自分で1から作ってみたいという思いが募り、それがKeyer Mini-V2やVNシリーズという形になったわけです。

形にしていくうえでいままで作ってきたキットの経験ももちろんそうですが、自分なりにまとめたものをたたき台として発表して、作っていただいたSNSなどでお馴染みの方に意見や要望をうかがったり、実験や提案を教えていただいたりどんどん洗練されて行くところが大事だと実感しています。自分でも思いもよらなかったことがたくさん出てきて、これはちょっと難しいかなと思ったこともほかの方のアイディアで目から鱗が落ちることなどたくさんありました。

以前KD1JV Tribanderが某SNSで話題になったとき、有志でCW QRP トランシーバを創ろうと盛り上がりましたが 当時自分もDDSやマイコンプログラムなど扱ったことがなく結局頓挫してしまったことがちょっぴり悔しくてしばらく頭の片隅に残っていましたが、VNシリーズがここまでこれたことでとりあえずは払拭できたかなと思いました。

でもって次はどうするかってことですが、 やはり最終的にはSDRというところでしょうか。もちろんPCレスのスタンドアロン型を目指します。まだまだ道は遠いですがとりあえずSTM32マイコンの習得を柱に進めていきますが、VNシリーズの派生版も進めないと、とやることがいっぱいです^^;

2 件のコメント:

  1. VNQ 小野さん、こんばんは。
    小野さんもKD1JVのキットがスタートでしたか!
    当局も、KD1JVのATS-1(当時日本への頒布はありませんでしたが、メールを送って無理やり頒布いただきました)を作って驚いたものです。
    その前にPixieの記事を出張中に買ったドイツのハム雑誌で見つけて、何だこれは?!こんなにシンプルでトランシーバか!! 合理的な考えかたに驚かされたころでした。
    その後、小野さんと同じように自分なりに使い勝手を取り込んだものを色々作って遊んでました。
    その流れが今も続いていますが。
    STM32を使用したSDRトランシーバは当局も興味を持っているのですが、信号処理は敷居が高くて手付かずです。
    2年ほど前に、関西のOMさんが自作されているのを見てソースコードもいただいたのですが理解できなくてそのままになっています。
    うまくいったら是非ご指南ください。

    deJA6IRK/1 ex.JN3XBY 岩永

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    1. 岩永さん、こんばんは。コメントありがとうございます!

      キットはいろいろと勉強になります。実際手を動かしたほうが身になるというか、ちょっぴりでも引き出しが増える良い教材です。作るだけではなくもちろん実際に運用もして使い勝手などを体験してみたり既成のリグでは味わえないものがたくさんあります。
      日本にもかつてミズホやFCZのキット、ちょっと前まではキャリブレーションのTGS-40とか優れたキットがあったのに今ではすっかりディスコンになってしまってちょっとさびしい状況ですね。

      STM32のSDRも海外ではmcHFという強力なプロジェクトがあって人気がありますが、日本でもそういうプロジェクトってできないものだろうかと妄想しています(笑)
      そこまでとはいかなくてもアマチュア無線寄りなSTM32のSDRプログラミング研究会みたいなノリで有志で集まって勉強会というか意見交換できると良いなぁと思っています。

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