小笠原まで約950km!
前記事のようにJD1AHC局による小笠原からの136kHzCW QRVにあわせて先週土曜日の夜に移動場所を視察し、時間があったらアンテナの設営等々チェックしてそのまま日曜日の早朝から午前中QSOにトライしようと目論んでいましたが、その週末の土曜日午後に別なところで予想もしなかった緊急事態が起きたため予定したチャレンジを一旦断念せざるを得ませんでした。
緊急事態はなんとか収まる方向になりましたが、もうすでにチャンスはあと翌日の月曜日しか残っていません。しかもその日は朝から仕事です。しかし最後のチャンスなんとかしたいと思って一念発起し、急遽始業の午前8時までに帰りが間に合うように早朝6時からのQRVにあわせて千葉県木更津市のとある海辺を目標にぶっつけ本番移動敢行しました。
午前4時半まだ真っ暗な中車でアクアラインを通過して5時10分ごろ現地に到着。休む間もなく暗闇の中設営開始しました。いつもは1時間くらいかかる設営も半分の30分で12m傘型2条アンテナシステムが立ち上がりました。
今回設営時間が短縮したポイントはアースマットを使わずにアースを海中に落とすという作戦でした。また、今までの経験から当局が作成したアースマットではアンテナ入力抵抗は50Ωあたりが限界だろうと予測しており、アースを海中に落とし入力抵抗がさらにもっと低くなることによってアンテナ放射効率が上がることを期待しました。
20x40cm程度のステンレスパンチングボード1枚をアース板として使用
後ろの低い防波堤越しにボードを海中へ
VNA(miniVNA pro BT)で測定した結果共振点(135.6kHz)でのRは33.3Ωを示しており、今までの運用の中でもっとも最小でした。その分同調操作はクリチカルで回すか回さないかくらいの力加減で136.6kHzまで同調点を移動。ただしインピーダンス変換トランスは33Ωポイントがないので25ΩポイントにつなぎVSWRは1.2から1.4となりました。
何もいじらないでそのまま測定した結果 Rカーブが同調点で33Ω付近を指している
バリオメーターを回すか回さないで徐々に1kHz上まで同調点を移動 減速機構がほしくなる
ようやく辺りが明るくなってき始めた6時10分ほど前より136.6kHzワッチ開始。前回移動の勝浦市と異なりプリアンプをOFFにしてもS9くらいは常時振りっぱなしの強いノイズの隙間から聞こえる弱いCWトーンを確認。感覚的にRSTは329といったところでしょうかトーンはしっかり聞こえもののなかなか符合が取れません。やっとのことでJD1AHCのIDがわかったのでトーンが途切れたところでコールを何回か送ったもののコールバックなのかがなかなかわからず、結局6時25分ごろタイムアップ。急いで撤収と相成りました。連休の早朝が幸いして帰りはいたってスムーズで40分ほどで仕事場に到着することができました。
VIDEO
JD1AHC@小笠原父島からの信号 (YouTubeより52sec.)
撤収中 急いだのであまり写真が撮れませんでした
QSOこそかないませんでしたが、またこちらの信号のかけらがJD1AHC局に捕らえられていたのかわかりませんが、今回JD1からの136kHzのCW信号が受信できたことはひとつの大きな収穫でした。それから海中アースの実現によって車に頼らない(重くて大きなアースマットを運ばなくて済む)移動運用スタイルの確立に一歩前進しました。次の課題としては、コイル損を少なくするためリッツ線によるHiQローディングコイルの作成といったところでしょうか。