2015年10月20日火曜日

第30回オール千葉コンテストに参加しました(館山市136kHz移動運用)

無線以外でばたばたしていてブログも1ヶ月ほど間が空いてしまいました。

さて、今回はキリのいい(笑)第30回オール千葉コンテストに今年も参加しました。もちろん136kHz部門で。このコンテストは136kHz部門が存在する数少ないコンテスト(後ひとつはたしか四国のほうで136kHz部門のあるコンテストがあったと記憶しています。現在136kHz部門があるのはこの2つのコンテストだけです。)で、かつ当局が136kHzデビューを果たした思い入れのあるコンテストでもあります。

今回も元ローカル局どよよんさんをお招きしたところ快くOKのお返事をいただきまして、当日内房線の駅前で合流しました。
待ち合わせた内房線那古船形駅の駅舎 いい雰囲気です^^
朝9時前にどよよんさんを乗せしばらく移動し目的地の海辺に到着。朝魚釣りの方々が散見される中、早速設営開始しました。

アンテナは今回もおなじみの12m高2条傘型を設置しましたが、数回にわたる移動経験から少し工夫をしてみました。ひとつは傘エレメントの端の固定方法で、従来エレメントの端に非金属製ワイヤーをつなげての木の枝などに引っ掛け結びつけるなどしていましたが、木の枝がない場合やエレメントの方向に自由度を持たせるため、フックつきの小さなコンクリートブロックをホームセンターで購入し、フックにエレメントをつないだワイヤーを引っ掛けてブロックの置く位置を変えて好きな位置にエレメントをセットできるようにしました。またカラビナをつかって着脱も容易になるようにしました。多少風が吹いてもズレなくてFBです。車の移動でなければ水を入れて重石にする容器があれば持ち運びには問題ないでしょう。

フック付きコンクリブロック 逆Vダイポールにも使えそう
さらに海辺というロケーションからある程度の風が予想されたので、垂直エレメント部分をグラスファイバーポールにおよそ1,2メートル程度の間隔でエレメントをポールから5,6センチ浮かせながら荷造りテープで固定することによって、風で大きくエレメントが揺さぶられないようにしました。

垂直部分はポールに付かず離れずに半固定
次はアースです。いつもは10枚のガルバリウム鋼板を地面に敷くアースマット方式ですが、ここは広い海のすぐそば。昨年の木更津JD1チャレンジに倣って、海水へ小さなステンレスメッシュ板を浸す通称海ポッチャンでアースを取りました。

ローディングコイルはリッツ線を巻いたVARIOMETER3号を用意してエレメントと接続し、わくわくしながら(笑)早速VNAをつないで測定しました。

調整しやすくするためオペレーションデスクに近いところにローディングコイルを設置
素の特性 共振点でのアンテナ入力抵抗25Ω
 この前の諏訪湖移動のときにも見られましたが、湖水や海水アースは共振点がかなり下がります。最初ローディングコイルのインダクタンス最小位置にしても共振点が136kHzより下がってしまったので、結局垂直部のエレメントの余剰分1メートルほどカットすることによってやっと同調が取れるようになりました。(余剰分は巻いていたりしたので輻射には寄与していないと考え切ることにしました。)
マッチングトランスで変換後の特性 かなりシャープ
測定結果を踏まえインピーダンス変換トランスの25Ωタップにつなぎ替えると、共振点でVSWR1.1以下までマッチングさせることが出来ました。しかし、ローディングコイルのQの高さも相まってVSWR3以内の幅は約600Hzしかありません。1.5以内にいたっては200Hzという非常にシャープな特性。

昼前でしたが風がやや強く、VNA連続測定モードで観察するとポールがゆれるに従い共振点は数100HzずれてすぐにVSWRが上昇してしまいます。MAXパワー(50W)ではこの状況だと運用中にSWRプロテクションが働いてしまうので、当面LOW(15W)かHI(34W)で運用することにしました。

送信機はいつものJUMA TX-136改 受信機はFT-817ND直接受信+JUMA内蔵プリアンプ

調整が終了し、運用開始までしばし海を眺める(笑)
11時ごろでしたか、136.5kHzでVVVを出すと早速JA1HQG/1局とJA1NQI局に呼んでいただきました。12時になりおなじみの各局の信号が聞こえてきました。FT-817の136kHz帯での受信感度はFT-857より感覚的に低い印象だったことからJUMA内蔵の10MHz受信コンバータで時々切り替え入感する信号を比べてみましたが、コンバータ経由だとかえって雑音で聞き取りにくいため136kHz直接受信で20dBプリアンプをオンにすることにしました。専用受信機ができるまではこのスタイルで行こう思います。ちなみにもちろんIPOはオンです。

ひとしきりQSOできたところでDFCWとWSPR2送信テストを行いました。CWとは周波数が異なるため(CW:136.5kHz, DFCW(QRSS):137.777kHz付近, WSPR2:137.5kHz付近) アンテナの再調整が必要になりますが一度VNAで調整できているので、あとはインピーダンス変換トランスに内蔵したアンテナ電流計をにらみながら、電流計の針がピークになるようにローディングコイルのバリオメータの角度を調整するだけでOKです。

稲敷市のJA1NQI局と台東区のJA8SCD/1局のグラバーにDFCWが映っていました。

137.774kHz:当局のDFCW30信号 137.779kHz:JH1ARY/1局のSlowHell信号 TNX 松浦OM
WSPRnet GL6桁設定しましたが相変わらず4digitしか表示されず 送信機側で6digit送る改良が必要

最初は風でエレメントが揺れ共振周波数が落ち着きませんでしたが、3時過ぎから穏やかになって安定したので50Wのフルパワーで送信、最後に山梨のJH1INM局のCWが聞こえたのでコールし無事QSOできました。

日が落ちるころローディングコイルを160m用の小型のものに換えました。ただ、海水アースだと傘型2条アンテナの装荷コイルなしでの共振周波数が1.5MHzと1.9MHzより下がってしまったためアースを車のボディアースに切り替え共振&マッチングを得ました。FT-817NDの5Wで160mを運用し午後6時コンテストを終えました。
サンセットがとても綺麗だったので一時無線を離れ眺めておりました
昨年は勝浦ダムの傍で運用し、夜の星がとても印象的でしたが今回は夕日が印象的。自然を直に楽しむのも移動運用の醍醐味だと思います。FB、G+、ツイッターつながりの各局には無線しろ!と喝入れられましたが(苦笑)

夕方も6時を過ぎると急に辺りが真っ暗になって冷えてきます。外にある機器に露がつき始めるので早々に撤収を開始し7時前後には現場を離れて帰路につきました。

そしてどよよんさんをお送りする途中恒例のがっつりタイム!

温泉は入りませんでしたが、空腹はしっかり満たしてきました
移動運用では近くにトイレがあるとは限りません。当日朝は軽く食事を摂り、現地に着いたら水分以外はお菓子程度にとどめて過ごします。しっかり食べてしまうと眠くなったり、大をもよおしたりする危険があるからです。ただ頭は働かせないといけないのでチョコレートとか甘めのものを用意します。(一応簡易トイレは装備してはいますがあくまで緊急用)

ともあれ今年も無事に楽しく移動運用できました。同行していただいたどよよんさんありがとうございました。また、QSOいただいた各局おつかれさま&ありがとうございました!

2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    今年もお世話になりました。リッツ線で巻いた新しいコイルも前作同様、丁寧に作られていましたね。苦労が忍ばれる・・・という部分もさることながら、やはり「好き」でないと出来ないなぁと思いました。実は、毎年こうした「進化」を目の当たりにすることも、同じ「工作付き」として大変刺激になります。

    移動運用はやはり天候が決め手。昨年に引き続き今年も良いお天気に恵まれ、また思い出の野外運用が一つ増えました。本当にありがとうございました。

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    1. こんばんは!
      先日はお疲れさまでした。今回天気も景色も良くて充実した時間が過ごせました。
      前にもお話したかと思いますが、一人より二人または少人数の移動運用はなんとも心強くて作業にも集中できます。装備も年々充実&洗練してきているので移動はやはり楽しいですね。
      次回もまたお声がけさせていただきますね^^

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