ハード構成では、受信部はシングルコンバージョンでプリアンプつきのIF3段でミクサと検波はいずれもパッシブDBMとし、AGCはIF2,3段目にかけています。局発とBFOはSi5351Aから各々供給されます。AF段は2SC1815の1段からAGCとSメーター用整流回路、オーディオアンプのPAM8012にそれぞれ接続しています。
オーディオアンプのPAM8012は、秋月で販売しているPAM8012超小型D級アンプモジュールを使っています。従来よく使われていたLM386Nよりもゲインは10dB程度と低いものの、ヒスノイズが少ないことと電源ON時のポップノイズも皆無でとても気に入っています。今後の製作モノにも使っていこうと思っています。安価ですし(笑)
人差し指でも隠れるくらいの小ささ PAM8012 PAモジュール |
送信部は、Si5351Aの残りの出力から直接ロジックICの74AC(HC)04のインバーター1回路に接続し、その出力を残りの5回路を並列接続したバッファに接続して出力をMOSFETのBS170のゲートにつなぎ、ドレイン出力に5段のπ型LPFとつなげ送信出力としました。
送信電力はドレイン電圧を変化させることによって1WからQRPpの500mW以下に調整できるようにする予定です。
ソフト的には、PIC24FV32KA302でI2C経由でSi5351AとLCDを制御、メッセージメモリつきキーヤー内蔵させています。
Si5351Aの各出力周波数の関係は下の図のとおりです。
訂正:思いっきり図が間違っていました(汗)訂正します。
さてお気づきかと思いますが、上の図赤文字のIF_freqをシフトさせるとどうなるでしょうか?
そう、いわゆる昔流行った(?)”IFシフト”機能と同等の効果が実現するわけです。
シングルコンバージョンで実現するにはBFO周波数と局発周波数の完全な同期が必要です。普通のVFOやVXOではプリミックスをかけたり複雑になりますが、2つのDDSでお互いソフト的に同期をかけることで直接発振可能ですし、Si5351Aであればデバイス1つで済んでしまうということで制御ソフトに組み込んでみました。
実際のQSOにどれだけの効果があるのかは分かりませんが。
最後に失敗の備忘録。
Si5351Aは、出力停止時はデフォルトでHレベルになるのでそのまま送信部へ接続するとファイナルが常時ONになってしまいデバイスが壊れます。気がつくまで数個BS170飛ばしました…
Si5351Aはパッケージが非常に小さいからなのか、通電中に出力端子を無造作に切り替えたりして負荷が急激に変動したりちょっとした電圧を加えてしまったりするとすぐ故障します。しかもショートモードで故障することがあってシステム全体がダウンしてパニックになります。これでSi5351Aを2個ほど昇天させてしまいました…
あとは送受切り替え回路と変更申請を~