Si5351Aは矩形波出力であるため、そのままバッファを通してファイナルのデバイスを飽和領域でドライブしようと考えています。出力はQRP(p)用に1W前後を目標にします。
思いついたのは、スイッチング速度でバイポーラより優位なMOSFETをファイナルとして、ゲート駆動に電圧変換回路(Si5351Aが3.3V出力のため)と低インピーダンス駆動のためのバッファ回路というよく見かける構成でブレッドボード上に試作してみました。
C1815で電圧変換しC1815とA1015バッファ出力を観察 |
赤がPICからの出力 黄色が駆動回路を通した出力 |
まず、なにも付加回路つけない状態。
予想以上にTrのオフ時間が長いこと・・・これでは7MHz帯では到底役に立ちません。
そこで、 ベースに100pFほどのスピードアップコンデンサをを挿入し、ベース-コレクタ間にショットキークランプ(適当なショットキーダイオードがなかったので、汎用の1N4148で代用)を組み込んで観測すると・・・
スピードアップコンデンサとショットキークランプ挿入後のレスポンス |
というわけでバイポーラTrの電圧変換は諦めることにしましたが、海外のQRP機キットや自作例に良く使われているロジックICによるドライブをテストしました。
ロジックICは6回路インバータの74AC04を選択しました(後で実験したところHCシリーズでも問題なかったです)。無信号時スイッチング素子はオフにしておかないと壊れてしまうので、1回路分で一旦反転して残りの5回路分をパラ接続して元に戻しつつ低インピーダンスでスイッチング素子を駆動するようにしました。
ロジックIC(74AC04)の出力にRD06HVF1をつなげてテストの様子 |
選択したスイッチング素子は、BS170, IRF510(made in China), RD06HVF1, 2SK2796L(秋月で一個60円 Ciss180pF)です。
まずトップバッターはBS170。TO-92パッケージでありながらPD830mW, max ID 1.2A(pulse)でCissも2桁と小さい上に、オンオフ時間も10ns程度と速いです。
BS170シングル よく追従しています |
BS170の2パラ Tfがやや延長して角が丸くなっています |
言うことないです さすが高周波用(笑) |
VCCが9Vと低いためか、立ち上がり立下り勾配が緩やかになってしまう |
最後に136/475kHz帯用送信機の終段に使おうと考えている2SK2796Lでテスト。
t-offが長く実用になりませんでした |
というわけで、今回のファイナル素子としてはBS170かRD06HVF1が適当と思われましたが、入手性や価格からBS170に決定しました。
結局オーソドックスなところに落ち着いたわけですな^^;
早速ブレッドーボード実験からユニバーサル基板へ試作しました。
基板右下は別の回路で後日外しました |
このあともオシロスコープやスペアナを駆使して回路追加などを行いましたが、その顛末は次の投稿にて!
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