日本でもmcHFキットを入手され組み立てて動かす方も増えてきました。人気があるのか最近ではout of stockが続いています。
先日のCool CQ SDRファンまつりでは、縁あってmcHF実機の展示やプレゼンなどさせていただきました。その中でmcHFの送信波高調波スプリアスについていくつかのバンドで新スプリアス基準を満たしていない可能性があるということで、mcHFフォーラムにNB6M Wayne氏が提示したLPFのミニマムな改造による高調波スプリアス改善テストについて紹介させていただきました。
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Wayne氏の実験結果を抜粋引用 |
オリジナルのLPFでは左のように高調波スプリアスが充分抑え切れていません。自分の測定結果も同様の傾向でした。Wayne氏は各バンドのLPFの出力側のLにパラレルにキャパシタを追加することで160mを除くすべてのバンドで高調波スプリアスを充分抑えることに成功しています。
SDRまつりも無事終了して少し時間が取れたので、私もWayne氏に倣ってLPF改造テストを行ってみました。
ひさびさにmcHFのケースを開け、RFボードを取り出し、L21,22,23,24にパラレルに各々キャパシタを追加しました。改造後バンド毎に以前に計測した結果を比較してみました。(2次高調波レベルの比較です)
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160m(改造前(左 -16dBc)と改造後(右 -16dBc) |
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80m(-40dBc ⇒ -73dBc) |
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40m(-53dBc ⇒ -61dBc) |
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30m(-31dBc ⇒ -70dBc) |
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20m(-57dBc ⇒ -62dBc) |
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17m(-25dBc ⇒ -56dBc) |
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15m(-47dBc ⇒ -56dBc) |
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12m(-50dBc ⇒ -73dBc) |
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10m(-46dBc ⇒ -60dBc) |
とまぁたった4つのキャパシタ追加で高調波スプリアスはかなり改善しているようでした。詳しく精査していませんが回路的には最終段を楕円フィルタ化して切れをよくして高調波を減衰極に置くなどしているのでしょうか。ミニマムな改造の割には効果が高いです。
但し、ハイバンドはインピーダンスが50Ωから離れるのかVSWRが高くなります。内蔵のVSWRメーターでは50Ωのダミーロードを接続すると10mバンドではVSWR2.5程度まで上昇します。20mバンドよりも低い周波数ではVSWRは上がりません。どうやらハイバンド用のLPFは全体を設計しなおしたほうが良さそうです。
もともと17mから10mまで同じLPFでまかなうには少々無理があると思われますが、当初mcHFはHF帯全域カバーを想定していなかったのかもしれませんね。
結局160mバンドまでカバーしようとすると4バンドでは無理で5バンド化は少なくとも必要と考えます。ファームウエアのバンド切り替え構成を換え5バンド化してオールバンド対応にしてみたいです。
まぁぼちぼち楽しみながらやっていきます。
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