今年2017年ももうあと1日とわずか。例年のごとく大晦日などいろいろと予定を控えていたのにも関わらず、事もあろうにA型インフルエンザに罹患してしまいました。
11月中旬に予防接種は受けていましたが、今回は予防できなかったようです。吸入タイプの抗ウイルス薬を吸入して何とか翌日には解熱傾向になりましたが、やはり普通の風邪とは違ってかなり身体に堪えますね・・・
それはともかく、大晦日までは自宅療養なので年末の支度しつつなにか工作納めでもしようかと考えていました。
病み上がりなのであまりキツイ(たとえばmcHFのComponent kitとか)のはやめておいて、VN-4002用のアルミケースへの組み込みをやってみました。
アルミケースといっても、既成のものでピッタリ来るケースはありません。
過去にも・・・
こんなケース試作してはみましたが、手間かかる割にはいまいちでした^^;
そんな中、JK1QJS 竹本OMのブログにVN-4002用の自作ケースの記事を見つけました。
記事によるとアルミ曲げ機などでアルミ生板を加工して、その後業者でアルマイト処理してもらったケースパーツで綺麗に組まれていました。アクリル板でシースルーの本機が綺麗に赤くアルマイト加工されたケースに包まれるとまるで別の無線機だと感心しました。しばらくしてOMからご連絡いただき、なんと余剰分のパーツを譲っていただけるということで喜んで譲っていただくことにしました。
(注:通常頒布されているわけではないので、竹本OMへ直接問い合わせなどの行為は謹んでお控えください。よろしくお願いいたします)
ちょうどVNシリーズの2ndBatch頒布や不具合調査改善など諸々あって手をつけておりませんでしたが、先日の流感でちょっと時間も空いたので今回譲っていただいたケースを装着してみました。
ひとつひとつ丁寧に袋分けされています。おかげでアルマイト加工面には傷ひとつありません
パネルは4つ、両サイドと上下で構成され、サイドはBNCコネクタ、VRのネジで固定されます。上のパネルは四隅の既存の取り付け穴に合いますが、スペーサーを1mmほど長いものへの交換が必要になります。このスペーサも同梱されています。下のパネルはサイドパネルから伸びる部分でタッピングビスで固定されます。上のも同様です。
取り替え対象は初回頒布版第1号機としました。
まず、パネルにはICSPピンヘッダ用の穴がないので本体基板からピンヘッダを除去します。ピンヘッダなど多足のスルーホールパーツを外すのはいささか厄介な部類に入ります。ここで全ピンのハンダを同時に溶かそうと余計な熱を加えてしまうとパターン剥がれなど悲しいことが起きてしまうので、ピンヘッダのプラスチック部分をラジオペンチなどで外し1本1本基板から抜いていけば基板へのダメージも少なく済みます。あとはハンダ拭き取り線などで余分なハンダを除去してフラックス除去剤で拭き取れば綺麗に復帰します。
次に細かいことですが、VRの本体が基板に接するところに回転止めの爪がちょこっと飛び出しています。一見大したことなさそうに見えますがパネルを当ててVRに付属するネジで締めていくと爪の部分で盛り上がってしまいます。パネルに回転止め用の穴を新たに開ければいいかもしれませんが、せっかくアルマイト加工されているので新たに穴を開けるのはいささか無粋です。なので爪の部分を小さいニッパや鑢で平らにしておきます。
下準備ができたところでいよいよ取り付けに入ります。最初はフロント部の四隅のスペーサーを長いものに換装、それからフロントパネルをネジ止めしてから両サイドのパネルを装着、 底面パネルをあわせてタッピングビスで留めるのですが、ここでひとつ問題が。
フロントパネルのタクトスイッチの穴の位置が本機のタクトスイッチの位置と一部ずれていたようで、パネルを装着するとタクトスイッチが動きません。ここもやはりパネルの穴を拡げたりせず、本機のタクトスイッチの装着位置をハンダゴテを使って若干ずらすことによってうまく位置合わせすることができました。他LCDやサイドパネルの穴の位置はピッタリでした。
というわけで小型スピーカーも内蔵しめでたく装着完成です。
このパネルセットにはテプラで印字されたステッカーまで同梱されていました。ステッカーを貼ると引き締まってかなりFBですね。底面にはキットにも付属している透明のプラスチック製の足を貼り付けて擦り傷を避けるようにしてみました。
電源入れてワッチしながら投稿原稿打ち込んでいますが、いいものですね。ここまでのパネルをキットとして用意できるかどうか難しいところですが(加工からアルマイト処理、シルク印刷となるとコストがかなりかかってしまうかもしれません)、いままでのアクリル板サンドイッチ法+α的な実用ケースを考えてみるのもありなのかなと思いました。
最後に内蔵小型スピーカーについて、私も過去ケースを試作したときに小型の薄型スピーカーを内蔵させ鳴らした印象と同様に音が出にくいというか音圧不足です。構造上ケースの隙間やパネルの逆振動による打消し現象が見られます。ケースの振動を抑さえかつ隙間を小さくするようにスピーカーの両サイドのケースの縁を指で圧迫することで素直に音が出るようになります。
これはひとつの課題ですが、スマホ用のスピーカーシステムを導入できないだろうかと考えています。あれだけ小型で薄いのに結構いい音出るんですよね。
どなたか良い知恵がありましたらぜひ教えてください!
というわけで改めてJK1QJS 竹本OMありがとうございました。
(再注:このケースは頒布されているわけではないので、竹本OMへの頒布に関する直接問い合わせなどの行為は謹んでお控えください。よろしくお願いいたします)
2017年12月30日土曜日
2017年12月20日水曜日
QRP懇親会・忘年会@新宿
年の瀬にJARL QRP Club主催の懇親会(忘年会)が新宿で開催されました。
今年からQRP Clubに入会して何回か懇親会にお邪魔しましたが、開催日が野毛の横浜電子工作連絡会ミーティングに重なってしまうなどなかなか参加できませんでした。
今回は第2週の週末ということもあり、また忘年会をかねているということで参加しました。
場所はいつもの秋葉原ではなく新宿某所。
某所というかバレバレですが(笑)
10数名の工作好きオヤジ達が一室に集まりお酒と食事を楽しみながら、持ち寄った作品を披露していきます。
私もQCXとかもっと何か持っていけばよかったのですが、VNシリーズくらいしか持ってこなくてちょっと失敗しました^^;
数ある作品の中でとても気になったものを2点ほどご紹介します。
まずはこれ。
なんと、おかきの缶をそのままケースにした真空管式短波帯CW送信機です。
詳しいスペックはすっかり忘れてしまいましたが、このかっこよさに惚れました。
バリコンやコイルやら主要なほとんどの部品がジャンクから作られています。使われなくなった部品を組み合わせて新しいものを作るという作業はとても魅力的です。さすがに電源は別ですが、これに真空管式の受信機が同じようにおかきの缶で作れたら楽しいだろうなーと思いました。
マイコンや表面実装部品がこれからの工作の主流とはいえ、 一度はやってみたいですね。
次はこちらです。
7MHzから50MHzまでのマルチバンドQRP CWトランシーバです。タカチ製のYMシリーズと思われるケースに収められていますが、これまたいろいろと工夫やこだわりが詰め込まれています。
とくに興味を引いたのが、メーターと後ろのスタンド、100均小型スピーカーのケースを利用したアンテナマッチングボックス・・・などです。
発振器などの制御にはマイコンを使っているようでしたが、Sメータ(PWRメーターも?)はアナログのラジケータを敢えて利用しています。こだわりも感じますが、デザインのアクセントになっていて良い印象です。LCDのバーメータ表示よりも存在感バッチリです。それにフルスケール500Wというのも洒落が効いています。(本当はバックライトで文字が浮き上がるものなので換えられなかったとのことです)
後ろのスタンドは、直接撮影し忘れましたがカメラ固定用のスタンドでこれも100均で購入したそうです。ネジで着脱可能で写真のように本体を斜めに置けるので非常に使い勝手が良さそうです。この仕組みはVNシリーズにも採用したいところです。
アンテナの根元の部分は小型スピーカーのエンクロージャにコイルとコンデンサが入っていて、ロッドアンテナのエレメントを同調させているとのことです。このくらいの大きさの市販のプラスチックケースよりもコストが安く済む(100均ですから)のでいろいろと他用途にも使えそうです。
で、中身も見せていただきました。
マルチバンドということもあって実装密度はかなり高いです。
これだけの密度の高さでちゃんと動作されるのは大変だったでしょう。しかしこのオンリーワンな自作機を持ち出してQSOするのはことのほか楽しいだろうなと 想像します。
このあと、持ち寄った品々でオークションが行われました。いろいろと出てきましたが私はこれを分けていただきました。
JA6IRK岩永さんが製作されたAD9834のモジュール基板です。AD9834はおなじみのDDSチップですが、手持ちがいくつかあるので実験用に組んでみようと思います。
そういうわけで、2時間があっという間に過ぎ場所を変えて自作話で盛り上がりました。
みなさんそれぞれが面白いことやっているなーと刺激になる良い会でした。
来年のことを言うと鬼が笑うそうですが、今年はひとつの目標が良い形に結実したので来年はさらにこの方向で進めていこうと考えています。
たぶん本投稿で今年最後になるかと思います。皆様におかれましてはどうぞ良い年をお迎えくださいませ。
今年からQRP Clubに入会して何回か懇親会にお邪魔しましたが、開催日が野毛の横浜電子工作連絡会ミーティングに重なってしまうなどなかなか参加できませんでした。
今回は第2週の週末ということもあり、また忘年会をかねているということで参加しました。
場所はいつもの秋葉原ではなく新宿某所。
某所というかバレバレですが(笑)
10数名の工作好きオヤジ達が一室に集まりお酒と食事を楽しみながら、持ち寄った作品を披露していきます。
私もQCXとかもっと何か持っていけばよかったのですが、VNシリーズくらいしか持ってこなくてちょっと失敗しました^^;
数ある作品の中でとても気になったものを2点ほどご紹介します。
まずはこれ。
なんと、おかきの缶をそのままケースにした真空管式短波帯CW送信機です。
詳しいスペックはすっかり忘れてしまいましたが、このかっこよさに惚れました。
バリコンやコイルやら主要なほとんどの部品がジャンクから作られています。使われなくなった部品を組み合わせて新しいものを作るという作業はとても魅力的です。さすがに電源は別ですが、これに真空管式の受信機が同じようにおかきの缶で作れたら楽しいだろうなーと思いました。
マイコンや表面実装部品がこれからの工作の主流とはいえ、 一度はやってみたいですね。
次はこちらです。
7MHzから50MHzまでのマルチバンドQRP CWトランシーバです。タカチ製のYMシリーズと思われるケースに収められていますが、これまたいろいろと工夫やこだわりが詰め込まれています。
とくに興味を引いたのが、メーターと後ろのスタンド、100均小型スピーカーのケースを利用したアンテナマッチングボックス・・・などです。
発振器などの制御にはマイコンを使っているようでしたが、Sメータ(PWRメーターも?)はアナログのラジケータを敢えて利用しています。こだわりも感じますが、デザインのアクセントになっていて良い印象です。LCDのバーメータ表示よりも存在感バッチリです。それにフルスケール500Wというのも洒落が効いています。(本当はバックライトで文字が浮き上がるものなので換えられなかったとのことです)
後ろのスタンドは、直接撮影し忘れましたがカメラ固定用のスタンドでこれも100均で購入したそうです。ネジで着脱可能で写真のように本体を斜めに置けるので非常に使い勝手が良さそうです。この仕組みはVNシリーズにも採用したいところです。
アンテナの根元の部分は小型スピーカーのエンクロージャにコイルとコンデンサが入っていて、ロッドアンテナのエレメントを同調させているとのことです。このくらいの大きさの市販のプラスチックケースよりもコストが安く済む(100均ですから)のでいろいろと他用途にも使えそうです。
で、中身も見せていただきました。
マルチバンドということもあって実装密度はかなり高いです。
これだけの密度の高さでちゃんと動作されるのは大変だったでしょう。しかしこのオンリーワンな自作機を持ち出してQSOするのはことのほか楽しいだろうなと 想像します。
このあと、持ち寄った品々でオークションが行われました。いろいろと出てきましたが私はこれを分けていただきました。
JA6IRK岩永さんが製作されたAD9834のモジュール基板です。AD9834はおなじみのDDSチップですが、手持ちがいくつかあるので実験用に組んでみようと思います。
そういうわけで、2時間があっという間に過ぎ場所を変えて自作話で盛り上がりました。
みなさんそれぞれが面白いことやっているなーと刺激になる良い会でした。
来年のことを言うと鬼が笑うそうですが、今年はひとつの目標が良い形に結実したので来年はさらにこの方向で進めていこうと考えています。
たぶん本投稿で今年最後になるかと思います。皆様におかれましてはどうぞ良い年をお迎えくださいませ。
2017年12月16日土曜日
暮れに何かが到着しました
急に寒くなってきましたが、海外からHOTなものが到着しました。
白い段ボール箱、以前のよりもふた周りほど大きいなぁ・・・
箱を開けてみると緩衝材に包まれた小袋がいくつか、底のほうに基板らしきものが3枚あって、とりあえずすべて取り出して机に並べてみました。
んー思ったより基板が大きいですね。
しかもうち1枚は大きな窓が3つ開いています
2つ目の基板の裏には真四角のICとUSBコネクタらしきものが装着されているようです。
果たしていったいこれは何なのか・・・っ!?
白い段ボール箱、以前のよりもふた周りほど大きいなぁ・・・
箱を開けてみると緩衝材に包まれた小袋がいくつか、底のほうに基板らしきものが3枚あって、とりあえずすべて取り出して机に並べてみました。
んー思ったより基板が大きいですね。
しかもうち1枚は大きな窓が3つ開いています
2つ目の基板の裏には真四角のICとUSBコネクタらしきものが装着されているようです。
果たしていったいこれは何なのか・・・っ!?
2017年12月10日日曜日
QRP LabsのQCX(40m版)を組み立ててみました
WSPR QRP Transmitter "Ultimate 3S" でお世話になったQRP Labs から49USDという非常に安価なHFモノバンドQRP CW トランシーバ "QCX" の40m版を入手して組み立てました。
発売開始からオーダーが殺到したようで、支払いから1ヶ月近く待ちましたが発送の連絡が届いてからほどなくキットが到着しました。
予想よりもパッケージは非常に小さく、発送元を見ると東京からでした。Ultimateのときもそうでしたが、一旦キットをまとめて国内に輸送して頒布しているのでしょうか。とにかくこの小さなパッケージに詰められているのが驚きです。自分のVNシリーズも見習わなくては(笑)
箱を開けるとぷちぷち袋に入った部品がきっちり詰められており、全バンド共通の袋とバンド依存のパーツ(LPF)の袋が出てきます。この辺も合理的ですね。色々なキットを見ると勉強になります。
共通部分の袋を開けて部品を確認します。抵抗類は同じ値で数の多いものはテープでまとめてありますが、 そのほかは無造作に入っています。ICは導電スポンジやアルミ箔に丁寧に刺さっています。LCDの保護もされており概ね丁寧な梱包で安心です。
PCBのチェックです。表面実装のSi5351AとロジックICがすでに装着済みで、部品の半田付けはリードパーツのみになっています。ここまでしてよく49UDSで収まっているなーって感心しています。
まず、抵抗のカラーコードを読んで値の確認作業と、コンデンサの仕分けです。すでに日本語マニュアルがサイトにアップロードされており、部品リストだけ印刷して値をチェックし、対応するパーツをセロハンテープでリストに貼り付けておきます。(一部間違いがあるので注意:マニュアルpart1 8ページ目上のC11,43-46の値が『470uF "483"』となっていますが、『470nF "474"』が正しいです)数がまとまっているものはテープに細いマーカーで値を書きます。この作業は面倒であまり面白くないのですが実は一番重要で時間もそれなりにかかります。これを怠ると間違ったパーツを知らない間に取り付けて最悪原因が分からない動作不良やパーツも壊しかねないわけです。
確認仕分け作業が済んだら、一息入れていよいよお楽しみの組み立てです。
マニュアルは英語原文のpdfファイルを開いてPC画面を見ながら進めていきます。印刷してもよいのですが、膨大なページ数になるので紙が勿体ないし画面見ながらの作業で充分です。
組み立ては同じ値のパーツ毎に1ページずつPCBの画像に該当するパーツが赤色で強調されているためシルク印刷の文字を探す手間なく効率よく半田付けできます。この辺のところとても分かりやすくて良いマニュアルだと思います。
端子やポテンショメータなどを取り付ける前にコイル巻きとPCBへの取り付けが順番になっていましたが、コイル巻きが億劫なので先に取り付けました^^;
でもって次はいよいよコイルを巻きです。5個のコイルを巻くわけですが各巻き数に対して必要な線材の長さがわからないので、toroids.infoサイトにあるパラメータ自動計算表で必要な長さを割り出して下の画像のようにメモ用紙に各コイルの巻き数と線材の長さを書いておきます。そうするとUEWも足りなくなったりせずスムーズです。
このコイル巻きでちょっと大変なのがT1です。1つのコアに4個のコイルを巻くのですが、上の画像のように1本の線で連続して巻きます。各巻き数に到達する毎にタップをつけるような感じに伸ばしておくと良いでしょう。
巻き終わったらタップの中央を切断して独立させコアに近いところで各線をハンダ揚げしておきます。マニュアルの方法とは違いますが、各線を1cm程度に短く揃えてPCBの穴の位置にあわせるように加工しておきます。その上でPCBの穴にピンセットなどで誘導しながら慎重にすべての線を入れます。間違いがなければ線を半田付けします。
あと注意点はLCDのピンヘッダ部分とLCDの取り付けようスペーサについてです。
ピンヘッダ自体はそのまま取り付けて問題ありません。ちょうど中央の2ピンを切り取ってテストポイントにするように説明されていますが、手持ちのピンがあるのでLCDのピンヘッダはそのままつけました。それで、LCDを固定するための4隅の穴にスペーサをネジ止めします。マニュアルには左の470μFケミコンを横倒しで取り付けるよう指示されています。 気がつかずそのまま立てて取り付けるとスペーサーの高さが足りなくてLCDの裏側が干渉してしまいます。
そのため、スペーサの根元にスプリングワッシャを挿み高さを少し上げることによってギリギリ取り付けできました。ただし、LCDのパターンにケミコンの頭が接触するのでLCDの裏にセロハンテープを貼って一応絶縁としました。
というわけで完成です。
電源を入れると、最初バックライトが点灯しますが表示が見えない場合が多いです。焦らず表示が出るところまで左上の半固定抵抗をゆっくり回します。そうするとLCDにはバンド選択表示が出てくるので、エンコーダを回して40mにあわせます。
アンテナをつなげる前にマニュアルの調整方法を見て調整を行いますが、調整は別途測定器などを必要とせず、LCDのバーメータを見ながら進められるということろもよく考えられれているなぁと感心しました。
まず同調回路の調整で、メニュー項目を8.7 Peak BPFに合わせて左ボタンを押し、BNC-J下のトリマコンデンサを回してLCDの右上数字とバーメーターが最大になるように回します。
ここでトリマコンデンサのローターの位置によってT1のSecondary3の巻き数を増減するように書かれています。自分のセットではローターが抜けた状態で最大だったので、巻き数を減らしました。一度半田付けしたので半田吸い取り線で半田除去をおこない巻き数を3回減らし(マニュアルでは5回と記されていましたが今度足りなくなるのを心配して少なくしました)、再調整してピークが得られたのでこれで良しとしました。
そのあとは受信部のPSN調整です。これはオペアンプのAF PSNの振幅バランスと、中心周波数前後(これもソフトで調整可能)の位相バランスを調整します。今度はLCDの数字とバーメータが最小になるように各々のポテンショメータを回して調整します。この調整は何回か繰り返して突き詰めたほうが良さそうです。また、中心周波数を変更するとI/Q調整も取り直しが必要です。
あとは周波数誤差修正などもありますが、基本的にはこれだけで調整終了です。
アンテナをつけてみると、
ノイズも少なめですが、信号がよく入ってきます。簡易SGで測定すると-120dBm程度まではよく聞こえており感度も申し分ありません。逆サイドバンドも信号が強すぎなければほとんど耳では聞こえず、良く抑制されていると思います。
送信はE級増幅ということで、調整なく出力が確認できます。
13.8Vで約4W前後といったところでしょうか。別の無線機でモニタしても、キーイングは適度にソフトでキークリックは皆無でした。
そして気になるスプリアスをおなじみのAPB-3スペアナで測定しました。
アッテネータで60dB減衰させてAPB-3のINPUTに入力しました。
高調波スプリアスを観察すると、2次高調波は-49dBとケース無しでも充分減衰しています。適切な金属ケースに組み込めば追加フィルター無しでも-50dBc達成できるかもしれません。
これは、許容占有帯域近傍の不要輻射を観察しています。細かい小さな山は電源由来のノイズが重畳したものと考えられます。基本波の±700Hz、±2100Hzの山はサイドトーン信号が重畳したものですが、いずれも基本波よりずっと小さいので問題なさそうです。
基本はダイレクトコンバージョン受信機でありながら実用的な感度と逆サイドバンド抑制、送信では効率の良い終段回路、少ない不要輻射とソフトキーイングなど基本をしっかり押さえながら多機能な内容でこの値段というのはすごいなとまた感心しています。
ただ個人的にはAGCをつけて欲しかったかなーと思います。それと、Sメーターの感度がAFゲイン調整と連動しているのがちょっと不思議でした。
あと、綺麗にケースに収めようと考えている場合には、AFゲインのボリウムとロータリーエンコーダ、タクトスイッチ、ジャック類はPCBに直接取り付けずパネル取り付けでリード線を使ってPCBに半田付けしたほうが良いです。そのためのランドがPCBに用意されています。
低価格ながら至れり尽くせりなキット、みなさんもいかがですか?
発売開始からオーダーが殺到したようで、支払いから1ヶ月近く待ちましたが発送の連絡が届いてからほどなくキットが到着しました。
予想よりもパッケージは非常に小さく、発送元を見ると東京からでした。Ultimateのときもそうでしたが、一旦キットをまとめて国内に輸送して頒布しているのでしょうか。とにかくこの小さなパッケージに詰められているのが驚きです。自分のVNシリーズも見習わなくては(笑)
箱を開けるとぷちぷち袋に入った部品がきっちり詰められており、全バンド共通の袋とバンド依存のパーツ(LPF)の袋が出てきます。この辺も合理的ですね。色々なキットを見ると勉強になります。
共通部分の袋を開けて部品を確認します。抵抗類は同じ値で数の多いものはテープでまとめてありますが、 そのほかは無造作に入っています。ICは導電スポンジやアルミ箔に丁寧に刺さっています。LCDの保護もされており概ね丁寧な梱包で安心です。
PCBのチェックです。表面実装のSi5351AとロジックICがすでに装着済みで、部品の半田付けはリードパーツのみになっています。ここまでしてよく49UDSで収まっているなーって感心しています。
まず、抵抗のカラーコードを読んで値の確認作業と、コンデンサの仕分けです。すでに日本語マニュアルがサイトにアップロードされており、部品リストだけ印刷して値をチェックし、対応するパーツをセロハンテープでリストに貼り付けておきます。(一部間違いがあるので注意:マニュアルpart1 8ページ目上のC11,43-46の値が『470uF "483"』となっていますが、『470nF "474"』が正しいです)数がまとまっているものはテープに細いマーカーで値を書きます。この作業は面倒であまり面白くないのですが実は一番重要で時間もそれなりにかかります。これを怠ると間違ったパーツを知らない間に取り付けて最悪原因が分からない動作不良やパーツも壊しかねないわけです。
確認仕分け作業が済んだら、一息入れていよいよお楽しみの組み立てです。
マニュアルは英語原文のpdfファイルを開いてPC画面を見ながら進めていきます。印刷してもよいのですが、膨大なページ数になるので紙が勿体ないし画面見ながらの作業で充分です。
組み立ては同じ値のパーツ毎に1ページずつPCBの画像に該当するパーツが赤色で強調されているためシルク印刷の文字を探す手間なく効率よく半田付けできます。この辺のところとても分かりやすくて良いマニュアルだと思います。
端子やポテンショメータなどを取り付ける前にコイル巻きとPCBへの取り付けが順番になっていましたが、コイル巻きが億劫なので先に取り付けました^^;
でもって次はいよいよコイルを巻きです。5個のコイルを巻くわけですが各巻き数に対して必要な線材の長さがわからないので、toroids.infoサイトにあるパラメータ自動計算表で必要な長さを割り出して下の画像のようにメモ用紙に各コイルの巻き数と線材の長さを書いておきます。そうするとUEWも足りなくなったりせずスムーズです。
このコイル巻きでちょっと大変なのがT1です。1つのコアに4個のコイルを巻くのですが、上の画像のように1本の線で連続して巻きます。各巻き数に到達する毎にタップをつけるような感じに伸ばしておくと良いでしょう。
巻き終わったらタップの中央を切断して独立させコアに近いところで各線をハンダ揚げしておきます。マニュアルの方法とは違いますが、各線を1cm程度に短く揃えてPCBの穴の位置にあわせるように加工しておきます。その上でPCBの穴にピンセットなどで誘導しながら慎重にすべての線を入れます。間違いがなければ線を半田付けします。
あと注意点はLCDのピンヘッダ部分とLCDの取り付けようスペーサについてです。
ピンヘッダ自体はそのまま取り付けて問題ありません。ちょうど中央の2ピンを切り取ってテストポイントにするように説明されていますが、手持ちのピンがあるのでLCDのピンヘッダはそのままつけました。それで、LCDを固定するための4隅の穴にスペーサをネジ止めします。マニュアルには左の470μFケミコンを横倒しで取り付けるよう指示されています。 気がつかずそのまま立てて取り付けるとスペーサーの高さが足りなくてLCDの裏側が干渉してしまいます。
そのため、スペーサの根元にスプリングワッシャを挿み高さを少し上げることによってギリギリ取り付けできました。ただし、LCDのパターンにケミコンの頭が接触するのでLCDの裏にセロハンテープを貼って一応絶縁としました。
というわけで完成です。
電源を入れると、最初バックライトが点灯しますが表示が見えない場合が多いです。焦らず表示が出るところまで左上の半固定抵抗をゆっくり回します。そうするとLCDにはバンド選択表示が出てくるので、エンコーダを回して40mにあわせます。
アンテナをつなげる前にマニュアルの調整方法を見て調整を行いますが、調整は別途測定器などを必要とせず、LCDのバーメータを見ながら進められるということろもよく考えられれているなぁと感心しました。
まず同調回路の調整で、メニュー項目を8.7 Peak BPFに合わせて左ボタンを押し、BNC-J下のトリマコンデンサを回してLCDの右上数字とバーメーターが最大になるように回します。
ここでトリマコンデンサのローターの位置によってT1のSecondary3の巻き数を増減するように書かれています。自分のセットではローターが抜けた状態で最大だったので、巻き数を減らしました。一度半田付けしたので半田吸い取り線で半田除去をおこない巻き数を3回減らし(マニュアルでは5回と記されていましたが今度足りなくなるのを心配して少なくしました)、再調整してピークが得られたのでこれで良しとしました。
そのあとは受信部のPSN調整です。これはオペアンプのAF PSNの振幅バランスと、中心周波数前後(これもソフトで調整可能)の位相バランスを調整します。今度はLCDの数字とバーメータが最小になるように各々のポテンショメータを回して調整します。この調整は何回か繰り返して突き詰めたほうが良さそうです。また、中心周波数を変更するとI/Q調整も取り直しが必要です。
あとは周波数誤差修正などもありますが、基本的にはこれだけで調整終了です。
アンテナをつけてみると、
ノイズも少なめですが、信号がよく入ってきます。簡易SGで測定すると-120dBm程度まではよく聞こえており感度も申し分ありません。逆サイドバンドも信号が強すぎなければほとんど耳では聞こえず、良く抑制されていると思います。
送信はE級増幅ということで、調整なく出力が確認できます。
13.8Vで約4W前後といったところでしょうか。別の無線機でモニタしても、キーイングは適度にソフトでキークリックは皆無でした。
そして気になるスプリアスをおなじみのAPB-3スペアナで測定しました。
アッテネータで60dB減衰させてAPB-3のINPUTに入力しました。
高調波スプリアスを観察すると、2次高調波は-49dBとケース無しでも充分減衰しています。適切な金属ケースに組み込めば追加フィルター無しでも-50dBc達成できるかもしれません。
これは、許容占有帯域近傍の不要輻射を観察しています。細かい小さな山は電源由来のノイズが重畳したものと考えられます。基本波の±700Hz、±2100Hzの山はサイドトーン信号が重畳したものですが、いずれも基本波よりずっと小さいので問題なさそうです。
基本はダイレクトコンバージョン受信機でありながら実用的な感度と逆サイドバンド抑制、送信では効率の良い終段回路、少ない不要輻射とソフトキーイングなど基本をしっかり押さえながら多機能な内容でこの値段というのはすごいなとまた感心しています。
ただ個人的にはAGCをつけて欲しかったかなーと思います。それと、Sメーターの感度がAFゲイン調整と連動しているのがちょっと不思議でした。
あと、綺麗にケースに収めようと考えている場合には、AFゲインのボリウムとロータリーエンコーダ、タクトスイッチ、ジャック類はPCBに直接取り付けずパネル取り付けでリード線を使ってPCBに半田付けしたほうが良いです。そのためのランドがPCBに用意されています。
低価格ながら至れり尽くせりなキット、みなさんもいかがですか?
2017年12月5日火曜日
2017年間工作王!@横浜電子工作連絡会
師走に突入してまもなく週末の夕方、
こちらの場所の飲み屋さんの2階で電子工作好きな面々が集まって自作品を披露する会が行われました。
こんな感じで飲み食いしながら参加者各々の作品を触れながらあっという間に4時間も過ぎてしまうという自作派にとっては至福の時間です。
毎月開催されているのですが、同じ日に別の懇親会があったりしてなかなか毎月来れませんでしたが今年最後ということで(もちろん来年も開催されます!)、参加することにしました。
ここのところちょこっと忙しかったりしてじっくり用意できませんでしたが、ネタのために(笑)1,2日で作り上げたキットを目玉に当日持参しました。
それがこのQCX(40m版)です(間違えて作りかけの写真になってしまいました^^;)
QCXの組み立てや使用感、測定結果などは次のブログ記事のネタにして、と(爆)
それから、まだこれも作りかけのものですが、
136kHz帯20W出力CWトランシーバ(受信部がまだできていない)、そのほかVN-4002とVN-3002の完成品を持参しました。
ほかのみなさんの作品はこちらのサイトをご覧いただきますが、いつものごとく興味深い作品とお話を聞くことができました。
でもって今年最後の工作王いただいてしまいました!88888
振り返ってみると、カムバックした数年前までは工作どころかハンダゴテさえもほとんどにぎっていなくて、回路図ろくに引けずプログラムなんかも全くやったことがないという状態でしたが、ネットの情報を参考にしたりSNSを通じた交流によってなんとかここまで来たのだなぁといったところです。
でもこの会に参加するようになってから実際にほかのみなさんが作ったものを直接自分の目で見て耳で聞いて手で触れることが、ネットで調べたりするよりもとても刺激になると感じています。これからもネット、ミーティング両方を駆使して自分もどんどん新しいものに挑戦できると良いなと思いました。
おまけ
定例ミーティングのあとこの会の幹事でいらっしゃる7N4MISさんに連れられてはしご酒しちゃいました(笑)酔いに任せていろいろうるさく喋りまくってすみません^^;
そう、こちらの川沿いのとある飲み屋さんにも連れてっていただきました。前からこの中のどこかで飲んでみたかったところなのでとてもうれしかったです。機会があったらまた行きたいなぁ。
こちらの場所の飲み屋さんの2階で電子工作好きな面々が集まって自作品を披露する会が行われました。
こんな感じで飲み食いしながら参加者各々の作品を触れながらあっという間に4時間も過ぎてしまうという自作派にとっては至福の時間です。
毎月開催されているのですが、同じ日に別の懇親会があったりしてなかなか毎月来れませんでしたが今年最後ということで(もちろん来年も開催されます!)、参加することにしました。
ここのところちょこっと忙しかったりしてじっくり用意できませんでしたが、ネタのために(笑)1,2日で作り上げたキットを目玉に当日持参しました。
それがこのQCX(40m版)です(間違えて作りかけの写真になってしまいました^^;)
QCXの組み立てや使用感、測定結果などは次のブログ記事のネタにして、と(爆)
それから、まだこれも作りかけのものですが、
136kHz帯20W出力CWトランシーバ(受信部がまだできていない)、そのほかVN-4002とVN-3002の完成品を持参しました。
ほかのみなさんの作品はこちらのサイトをご覧いただきますが、いつものごとく興味深い作品とお話を聞くことができました。
でもって今年最後の工作王いただいてしまいました!88888
振り返ってみると、カムバックした数年前までは工作どころかハンダゴテさえもほとんどにぎっていなくて、回路図ろくに引けずプログラムなんかも全くやったことがないという状態でしたが、ネットの情報を参考にしたりSNSを通じた交流によってなんとかここまで来たのだなぁといったところです。
でもこの会に参加するようになってから実際にほかのみなさんが作ったものを直接自分の目で見て耳で聞いて手で触れることが、ネットで調べたりするよりもとても刺激になると感じています。これからもネット、ミーティング両方を駆使して自分もどんどん新しいものに挑戦できると良いなと思いました。
おまけ
定例ミーティングのあとこの会の幹事でいらっしゃる7N4MISさんに連れられてはしご酒しちゃいました(笑)酔いに任せていろいろうるさく喋りまくってすみません^^;
そう、こちらの川沿いのとある飲み屋さんにも連れてっていただきました。前からこの中のどこかで飲んでみたかったところなのでとてもうれしかったです。機会があったらまた行きたいなぁ。
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