2019年7月31日水曜日

ディジタルVSWRメーターQPM-01の補正プログラムの改良(ファームウエアあり)

先日のKANHAM2019で頒布したディジタルVSWRメーターは、方向性結合器で得られた進行波と反射波をそれぞれショットキーダイオード1SS106で整流し平滑化したのちにPICでAD変換、計算、表示を行うわけですが、ダイオードの特性から小信号時の歪に対して補正をかけてなるべくQRPの小さい電力でもある程度の測定をしようと考えプログラムました。

ただ前々回の投稿に掲載した補正のやり方は、計算した電力値に補正をかけており適正化されていなかったため結果VSWR表示は過小評価していました。組み立てていただいた方からも同様のレポートをいただいたことから今一度補正のやり方を最初から検討しなおしました。

結局ダイオード整流電圧からAD変換した値(電圧値)をダイオードの特性に合わせるように補正をかけてから電力とVSWRそれぞれ計算するという形に変えました。つまりはダイオードの特性を測定してその結果をプロファイルとし、得られたAD変換値をそのプロファイルに沿って補正すればよいわけです。考えてみたらそのほうがすっきりというか当たり前というか・・・(汗

具体的には、対象のダイオードを下の図の回路図に倣ってブレッドボードに組み、整流前のRFピーク電圧と整流後の直流電圧値をRF出力を変えながら2現象オシロスコープで測定して結果をグラフにプロットします。プロットしたグラフを見て大まかなダイオード特性を把握します。
 上の図のように実際に測定して図にプロットした特性曲線を近似的に表現できるように考えたものです。RF電圧がある程度以上であれば整流電圧とほぼ比例関係にあり1次関数で表現できそうですが、それ以下の場合は当てはまらなくなります。あまり根拠はありませんが、その領域に平方根関数を当てはめ、1次関数との接線の方程式をを用いてプロファイルを作成してみました。

接線の方程式を使えば、x1 y1を設定することによってpが導かれ補正用のプロファイルが出来上がります。

電圧が小さい領域は平方根関数ですが、8bitPICで計算させるのは実用的ではないことと、その領域の範囲が小さいのであらかじめPCのスプレッドシートで計算させた結果を1次配列にした変換テーブルを作りました。


今回はAD値1から30までが対象になるため、配列の要素は30個で済んでいます。

このプロファイルを組み込んだファームウエアをプログラムすることで大体0.5W程度からVSWRが計測できるようになりました。出力を変えると多少値にばらつきが出るので本当に完璧なモノとはまだまだ言えませんが、かなり実用的になったのではないかと思います。

QPM-01は今度のハムフェア2019で正式版を用意する予定ですが、先の評価版とファームウエアは共通になります。現時点での最新ファームウエア(ver.1.61)はこちらです。

正式版リリースのころに新たに専用ブログを設ける予定です

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