2015年4月21日火曜日

475.5kHz帯用絶縁型インピーダンス変換トランスの製作

ここのところいろいろと小出しにしています(笑)

今回はアンテナと送信機のマッチングに重要なインピーダンス変換トランスを巻きました。もちろんアンテナ入力が50Ω前後であれば必要ないといえば必要ありませんが、アンテナ側と送信機側の絶縁を図るためには必要なものと言えましょう。

常設用のものなのですが、ローディングコイルやアースの改良などによってアンテナ入力抵抗も変化するため136kHzと同様に多インピーダンスに対応するようにしました。

陸軍端子はタップ用
核となるトランスに必要な材料は136kHz帯用のものと同じで、コアはFT240-43という大型のフェライトトロイダルコア、線材は耐熱性に優れた1.25mmsqのテフロン被覆線を用意しました。いずれもサトー電気で購入しました。

 巻き数については巷で言われているように送信機側のインピーダンス50Ωの5倍以上を確保するという条件と475.5kHz専用であることを考え、約10倍程度確保し必要十分な巻き数を勘案した結果13回に落ち着きました。

FT240-43コアに13回巻きしたときのインダクタンスと475.5kHzでのインピーダンスは

 L = N x N x AL/1000 = 13 x 13 x 1240/1000 = 209.56μH
 XL = 2πfL = 2π x 475500 x 209.56 x 10^-6 = 626.1Ω > 50 x 5

といった具合です。

このコアには密に40回まで巻けるので、次に3本の線材を平行におのおの13回巻きました。(計39回巻き)

本当は線をよじるのが良いですが、タップ出しのため3本平行にまきました
巻き始めと巻き終わりには上の写真のようにケーブルタイを使って解けないようにするとFBです。

完成したトランスの線1本を送信機側に、残りの2本をアンテナ側に割り振ることで最大200Ωまで対応可能です。

一応miniVNAproBTでチェックしました。

1:1で50Ωの終端抵抗を接続したときの特性
 余分なリアクタンスもほとんどなくこの周波数帯では問題ありませんでした。ちなみに136kHzではインダクタンスが足りないせいかやや怪しいです。周波数上昇につれリアクタンス分が上昇しており、1.9MHzまでは何とか使えそうな雰囲気でしたが3.5MHz以上ではこのままでは使えません。もっと巻き数を減らすかコアの変更が必要です。

またインピーダンス変換トランスは、一次側二次側の線を束ねてもしくは撚って巻かずに別々に巻いてしまうと余計なリアクタンス分が乗っかってしまって具合よくありません。136kHz用のトランスは一次側線と二次側線がほとんど重ね巻きになっていたので、さほど問題にならなかったようです。

この次はアンテナ電流、電圧計とこのトランスをひとまとめにしようと思います。

2 件のコメント:

  1. JA1BVA 齊藤2015年4月22日 19:19

    3本の線を同時に巻いて、1:2のトランスとし、インピーダンスは1:4になる、
    FBなアイディアですね。
    トロ活の著者の記事では、動作周波数に対して50Ωの10倍以上になるLが必要、
    と書かれていましたので、そうになるように作りました。
    また、475ではL値の3倍で、136では0.86倍で、概略のインピーダンスが求まります。

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    1. 齊藤さん、コメントありがとうございます。
      HF帯ローバンド用のマルチアンアンに倣って巻いてみました。
      違うのは一次側と二次側が絶縁されているということですが、巻き線を平行にしているので結合容量が少々気になります。先ほど測定しましたが容量は50pF程度で、475.5kHzでのインピーダンスは6.7kΩと計算されました。

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