2016年7月15日金曜日

AFプリアンプ・AGC・Sメータ回路変更

今回QRPトランシーバ試作2号機の受信部のRFプリアンプとIFアンプにデュアルゲートMOSFET 3SK294を採用しましたが、試作1号機で採用した2SK241とは異なりエンハンスメントタイプのため第1ゲート, 第2ゲートともに正電圧をかけなければ動作しません。

データシートを参照にしてIDが10mAを超えないようにVG1Sを1.5Vに固定した場合、VG2Sを約1.0Vから2.0V程度の範囲で変化させることによって利得をコントロールすることが可能となります。

 各段の3SK294第2ゲートにAGC電圧を与えるよう回路図を書きましたが、最初AGC回路は試作1号機で使用した2SK241用のAGC出力(負電圧)に+5V電圧を抵抗を介して単にミックスして各第2ゲートにつなげていました。

 実装後オシロスコープでも信号強度に応じて電圧変化が確認できましたが、時定数やAGC深度などの調整がうまく効いてくれませんでした。

そのため汎用オペアンプを使って、オフセット電圧をかけた反転増幅回路を構成してきっちりAGC電圧を作れるように回路変更しました。オペアンプには汎用のLM358を使いましたが、2回路入りなのでAFプリアンプもオペアンプ1回路分の増幅回路を作り、2SC1815の1石アンプから置き換えました。

整流用ダイオードは1N60を使いましたが、Vf高めな1N4148でも良いです
AFプリアンプ部は電圧増幅約50倍でfc800HzのLPFを兼ねています。出力には発振防止の抵抗を繋いでPA入力とAGC・Sメータ回路に分けています。

AGC・Sメータ回路ですが、AF信号を1N60の倍電圧整流回路で整流し、PICのAD変換入力ポートとAGC電圧生成回路へつないでいます。AGC電圧生成回路はオペアンプ2回路目を使いました。+5Vからポテンショメータで分圧した電圧をオフセット入力として+入力に接続し、整流出力をー入力に接続、電圧増幅約3倍弱としています。オペアンプの出力電圧はオフセット電圧から信号強度の応じて低下する動作になります(信号が強いと電圧がより下がる)。オフセット電圧は無信号時にVG2Sが2V強になるように調整し、AGC深度は整流回路出力につないだポテンショメータで調整します。

ユニバーサル基板に実装したほぼ最終的なアナログ部回路図です(禁無断転載)

3SK294のソース抵抗は要らないかもしれません
でもって、試作2号機のアンテナ端子に自宅のベランダモビホにつなぎワッチしてみました。


AGC自体はそこそこ効いているようです。しかしAGCが効くようになるとSメータの電圧変化が小さくなり、Sメーターが振れなくなってしまいました。そこでPICのプログラム側でゼロ点と感度調整が出来るように追加変更することで、なんとかまともにS表示が出来るようになりました。

 あとオペアンプを実装したためか、送信時発振気味になるなどまだいくつか改善したい点はありますが、スタンドアロンなCWトランシーバとしての形が出来上がりました。

今後の展開としては、
・プリント基板を起こす(自作 or 外部発注)
・出力、SWR、電源電圧表示の実装
・マルチバンド化(少なくとも10MHz帯を入れたい)
を考えています。

SSBなど他のモードやSDRはまた別プロジェクトとしてやってみたいと思います。

まぁ慌てずにいきましょうか(笑)

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