2014年10月16日木曜日

TX-500の簡易スプリアス測定(追記あり)

ここのところ136kHz掲示板でSOS送信機の475.5kHzへの転用の投稿で盛り上がっており、そのなかでスプリアスについて盛んに討議されています。475.5kHz帯免許申請での設備の落成検査に対応する準備として送信機のスプリアス特性を当局も把握しないといけませんね。

すでにJUMAのサイトにはTX-500の高調波測定結果がアップされています。

60W出力でいずれの高調波も基本波より-60dB以上減衰が確保されているようですが、実際どんなものかということでTX-500に50Ωのダミーロードを接続し微小容量でカップリングしさらに-20dBアッテネータをつなげたAPB-3のスペアナモードで高調波と隣接スプリアス(帯域外発射)を観察してみました。

まずは高調波から。



3MHzスパンRBW3kHzでスキャン。2次高調波は-59.74dB、3次高調波は-45.32dBとJUMAの測定結果より甘く特に3次高調波が目立っています。測定環境が厳格でないので結果の信頼性は高いとはいえないですが、3次高調波に対して追加のLPFを装着するかどうか検討は必要そうです。

続いて、隣接スプリアス(帯域外発射)を観察しました。



 上は5kHzスパンRBW10Hz、下が2kHzスパンRBW10Hzで測定した結果です。

 連続スキャンでの確認しましたが、基本波に低速高速とも揺らぎはほとんど見られません。また基本波から600Hzごとに-86dB以下の微弱な信号が見られますが、この原因については不明です。

  以上簡易的にTX-500の送信波を観察してみましたが、極端なスプリアスは見られなかったものの3次高調波と600Hzごとに隣接する微弱なスプリアス?については測定系を見直して再測定し追加のLPFの必要性を検討しようと思います。

追記:
GYEさんからご指摘を受けたように微小容量を高抵抗に切り替えようと考えましたが、その前に20dBアッテネータを外しABP-3の入力インピーダンスを1MΩとハイ受けに切り替えてプローブをダミーロードに近づけ再計測してみました。



 2次高調波は基本波に対して-61.22dB、3次高調波は-54.67dBとJUMAの結果に近いものとなりました。ただスペアナ側がハイ受けのため中波放送のキャリアの柱や周囲雑音を拾ってしまっています。やはりRFカップラなど用意してちゃんと測らないといけませんね。

ちなみに、APB-3をネットワークアナライザモードにして、50Ω系、1MΩ系それぞれ直結、微小容量5pF接続でスキャンしてみました。



上が50Ω系、下が1MΩ系の直結と微小容量接続の結果です。

2 件のコメント:

  1. 微小容量で50Ω系につなぐとそこでほぼ6dB/octのF特が出ているので実際には3倍波は基本波よりさらに10dB下がっていると思います。微小容量をストレー容量の小さい高抵抗に変えたほうが簡単です。

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    1. GYEさんこんばんは。ご指摘ありがとうございます。
      仰るように高抵抗に替えて再測定しようと思います。
      ちゃんとRFカップラなど用意しないといけませんね^^;

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